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板垣李光人「“口は災いの元”というけれど、結局は何を黙って何を口に出すか。言葉の審美眼を磨くことが大切」【ウィークエンド・インタビューズ 第56週】

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編集部が気になる人に会いに行く連載「WEEKEND INTERVIEWS」。第56週は、7月3日公開の映画『口に関するアンケート』で単独初主演を務める俳優の板垣李光人さんが登場。自身初のホラーというジャンルに挑んだ感想、さらに言葉や情報との向き合い方について聞いた。

観客のみなさんに恐怖を伝えるために
“見せる芝居”を意識した

ホラーはそれまで経験したことがなかったジャンルで、清水監督ともご一緒したことがなかったので、ホラー作品に携わることで自分がどういう境地に達するのかという点に興味が湧きましたし、漠然とですが「挑戦してみたい」という気持ちになりました。

出演のお話をいただいて初めて原作の小説を読んだのですが、文字メディアであることを最大限にいかした、気味の悪さがあるホラー作品という印象を受けました。スマホよりも小さいサイズや60ページというボリュームも含めて、衝撃的な出会いでしたね。

そのいっぽうで、この本を映画化するにあたって、文字で読むからこその面白さをどう映像に反映させるんだろうという疑問も湧いてきました。映画には、原作にないオリジナル要素が散りばめられているんです。原作ファンの方にとっては気になるポイントではあると思うけれど、そのオリジナル要素というのはもともと背筋さんの頭の中にあったものだと伺っているので、そこに関しては安心して楽しんでいただきたいです。

板垣李光人さんカット1

背筋さんの作品は、人間のどうしようもなさみたいなものがベースに描かれているんです。我々は「これをしたらダメ」と禁止されたことをしたくなる心理現象を理性で抑え込みますけど、翔太の場合はある行動に出てしまう。背筋さんの作品を象徴しているキャラクターだなと思いました。


今作は、翔太を含めた登場人物たちが肝だめしをした日に何があったのかを証言するシーンが半分くらいのボリュームを占めているんです。クランクイン前に、監督から証言シーンの表現において参考になりそうな映画として『ゲット・アウト』を教えていただいたので、それを見てイメージをふくらませて撮影にのぞみました。

でも、いざ現場に入ると、翔太の感情とはまた別に、特異なものに左右されている状態も作らなければいけなくて、そこはすごく難しかったです。しかも、証言のシーンを撮影したのが初日だったので、そもそもそれが大変でしたね(笑)。

ホラー作品で大切なのは、“見せる芝居をすること”です。その理由は、劇中で我々が恐怖の対象をどう受け止めて、その気持ちをどう表現するかによって、観客のみなさんの温度が変わるから。なので、翔太が恐怖のあまり目を見開くシーンは、表情をできるだけ長く見せるために、下から上に少しずつ移動するカメラの動きに合わせて気づかれない程度に顔を上げてみたりして。

芝居という感情的な表現に加えて、視覚的にわかりやすい表現をしなければいけないというのは初めての経験でした。

板垣李光人さんカット2

吉川さんとは今回が3度目の共演で、どの作品でもご一緒するシーンがしっかりあったので、もう“安心と信頼の吉川愛さん”という感じで(笑)。芝居の面ではもちろん、人柄も含めて、何も心配することはなかったです。綱くんは、キャスト陣の中で、一番のしっかり者。

同じ大学生役の森愁斗くんと西山智樹くんを含めた6人で取材を受けたときにはみんなのボケをちゃんと拾ってツッコミを入れてくれて、とてもありがたかったです。MOMONAさんは、難しいシーンもあるなかで監督からの要求に食らいついていく姿がかっこよくて、刺激をもらいました。


情報が手軽に手に入る利便性と本で深掘りする楽しさ、
その両方を享受したい

板垣李光人さんカット3
板垣李光人さんカット4

言葉は災いを招くこともあるけれど、言霊と言われるように、口にすることで思い描いていたことが現実になる場合もある。結局は、何を黙って何を口に出すかという、自分に向けた審美眼を磨くことが大事なんだと思います。


今はとりあえずネットで検索したりAIに聞いたりすればなんでも答えが出て、情報が手軽に手に入るという意味ではいい時代だと思います。でも、僕は紙文化も大切にしていて、自分で情報を求めて書店に足を運ぶことも好きなんです。なので、利便性と楽しさの両方を享受したいなと思っていて。最初にネットで簡単に調べたものの中から興味のある情報を見つけたら、実際に書店に行って、もっと深く掘れるようなものと出会うようにしています。

小説や台本も、デバイスだと目がすべってしまって内容が頭に入りづらいので、紙の本で読みたいタイプ。プライベートでは、最近は古典文学や日本書紀といった昔の作品を読むことが多くて、江戸川乱歩やその時代の文豪も好きです。

板垣李光人さんカット5

映画の中で刑事の草壁が大学生たちの証言を追っていくように、観客のみなさんにもいろいろな考察をしながら肝だめしの日に起きた事件の真相に近づいてもらえると思います。映画は約90分という短めの尺で、原作も読みやすいので、2回目以降は映画と原作を行ったり来たりしながら楽しんでいただけるとうれしいです。


変わった帽子を集めることが好き。
最近は素敵な赤い靴も探しています

板垣李光人さんカット6

最近、変わった帽子を集めることが好きだということに気づいたんです。自宅にあるラインナップを改めて見てみたら、キラキラした帽子とか、やたらと大きい帽子とか、ひとクセあるものばかりで(笑)。今、欲しいなと思っているのは、赤い靴。それがスニーカーなのか何なのかはまだわからないんですけど、とにかく赤い靴を履きたい気分なので、心惹かれる1足を探している最中です。

いつも本当に楽しくて、ありがとうございます! 『GAROU』では素敵に撮っていただいて嬉しかったですし、今日もあんこのお菓子の差し入れ、ありがとうございます(笑)。

裕翔さんとの企画はもちろん、自分の写真に絵を入れたのもすごく印象に残っていますね。逆に僕が描いたモデルの絵にメゾンの服を着せたファッションシューティングなんてどうかなと思っています。そうなると僕は登場しないことになるけれど、それはそれで面白そうなので(笑)、いつか挑戦してみたいです。


板垣李光人
RIHITO ITAGAKI

2002年生まれ。2012年に俳優デビュー。映画『八犬伝』『はたらく細胞』『陰陽師0』で第48回日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞。7月スタートのドラマ『大空港~GATE24~』(毎週木曜・夜9時~ テレビ朝日系)に税関職員の松山篤志役で出演。俳優業のほか、アートの分野で絵本発売や初個展を開催するなど幅広く活躍中。

映画『口に関するアンケート』

心霊スポットとして有名な墓地に肝だめしに向かった翔太(板垣李光人)たち大学生4人。しかし翌日、その中のひとりが姿を消した。残された手がかりは、墓地を訪れた大学生たちが語る証言だけ。そして、その日を境に彼らのまわりで不可解なことが起きるようになり、しだいに何かによって追いつめられていく。果たしてあの日、何があったのか? 証言から明らかになる真相は、口にするのも恐ろしい衝撃的な結末だった......。
 
出演:板垣李光人
綱啓永 吉川愛 MOMONA (ME:I)
森愁斗(BUDDiiS) 西山智樹 (TAGRIGHT)
柄本時生/中村獅童
原作:背筋『口に関するアンケート』(ポプラ社刊)
監督:清水崇
脚本:山浦雅大
音楽:大間々昂
●7月3日(金)公開
 
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/kuchi-movie/

ジャケット¥273,900・シャツ¥136,400・Tシャツ¥100,100・パンツ¥149,600・靴¥162,800/ロエベ

Model:Rihito Itagaki Photos:Jun Imajo Hair & Make-up:FUJIU JIMI Stylist:Dai Ishii Interview & Text:Yukiko Yoshikawa

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ウィークエンド・インタビューズ

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