田辺誠一×中川大輔、お笑い好きが演じる『ラフな生活のススメ』の面白さって？【ウィークエンド・インタビューズスペシャル対談／前編】メンズノンノウェブ

▼ WPの本文 ▼

今回は、編集部が気になる人に会いに行く連載「WEEKEND INTERVIEWS」の特別編をお届け！　NHKで放映中の『お笑いインスパイアドラマラフな生活のススメ』（毎週火曜23時〜）に出演中の中川大輔。小池栄子さんが演じる福池恵美が営む雑貨店を舞台に、次々に起こる小さなトラブルをお笑いの力で解決していく家族ドラマは各方面で話題になっている。そんな“コメディ×お笑いネタ”の新感覚ドラマについて、共演者で元メンズノンノモデルの田辺誠一さんとともに振り返りながら、制作秘話や見どころを語った！

笑いとドラマの絶妙なバランスが
冴えるこれまでにない番組になった

──中川と田辺さんは最後の第9回と第10回で共演します。はじめに「お笑いインスパイアドラマ」という新しいコンセプトのドラマに出演するにあたり、どんな印象や期待を感じましたか？

中川　僕はお笑い好きなので、うれしかったです。各話にAマッソの加納（愛子）さんや男性ブランコの平井（まさあき）さんといったお笑い芸人さんが書いた脚本とネタが入っていて、しかもお笑い芸人さんと共演できるなんて、毎回感動しています。あと、やっぱり芸人さんって声が大きい。怒られてるのかなって思うくらい（笑）。純粋にびっくりしたけど、直に聞けて幸せでした。

田辺　あはは。普段芸人さんにあまり会わないからうれしいよね。僕もお笑いや芸人さんが好きだから出演するのが楽しみだったけど、小池（栄子）さんや中川くんや桜井（玲香）さんたちがつくった雰囲気に入っていけるかなって（笑）。

中川　そうなんですね（笑）。

田辺　まず、小池さんがすばらしい。自由で、たくさんの引き出しがあって、相手を受け止めるキャパシティが十分。しかも、攻撃もすぐしてくる（笑）。そんな母親に、娘役の桜井さんと息子役の中川くんが引き回されつつ、ちゃんとツッコんでコントロールしていて、すごく面白い家族が出来上がっている。3人ともそんな狙った感じもしていないし、自然に3人の空気をつくっていて、それがすごく面白い。

中川　それはすごくうれしいです！

田辺　あと、「コメディとお笑いネタ」が新しくもあり難しそうとも思ったんです。俳優はコメディをやるとき、無駄に力が入っちゃって本来の面白さを発揮できなくなってしまう場合があって。でも中川くんはバランス感覚がすごくよくて、このドラマに馴染んでいたよね。みんな、演技をしながらツッコミもしっかり面白い。

中川　ありがとうございます。僕は演技と笑いの部分とのバランスが難しくて、ドラマのお芝居としてちゃんとやろうという気持ちでいました。そう言っていただけてうれしいです。

田辺　つくり方も丁寧。お笑いの部分のパートも演出の方のこだわりが詰まってる。

中川　お笑いと芸人さんへのリスペクトがあります。「いまのところはこう言ってください」など細かい指導をいただいていました。

田辺　そうだね。お笑いが好きなスタッフが関わっていて、すごく愛情を感じた。

福池家の真実をひもとく
自作のフリップ芸を披露!?

──「お笑いネタをやる」と聞くと共演者の関係性や距離感が大事かなと思うのですが、お二人はどんなコミュニケーションを取っていたんですか？

中川　今回撮影スタジオに“溜まり”という場所（セットの横に設けた出演者の休憩スペース）があって、芸人のみなさんが座って話していたり。

田辺　これはバラエティの形式で、ドラマの現場では珍しいんです。

中川　『ごっつ』（ダウンタウンのごっつええ感じ）で見ていた感じで、ぐっときました！　そのおかげで共演者の方をはじめ、田辺さんともたくさんお話しできました。最初にお会いしたときに、僕がメンズノンノモデルということを知ってくださっていたんです。しかも、豊田（裕大）のこともご存知で。

田辺　そうそう。豊田くんともそのとき、ドラマ『それってパクリじゃないですか? 』で共演していて。いまは各現場にメンズノンノモデルが配置されてるなって思った（笑）。

中川　僕たち後輩のことも知ってくださっていることがうれしい。それから田辺さんがメンズノンノモデルだった当時の話も聞いたり。

田辺　中川くんは沖縄に住んでいたこともあって、僕も沖縄が好きなので地元の話をしたよね。「赤嶺（那覇市の地名）にあるあの店、いいよね」って。

中川　地元トークですね（笑）。共演するにあたり、心地のいい空気をつくっていただきました。

──現場で交流を深めたお二人が共演する第９回と第10回の見どころを教えてください。

中川　最後の二話では、田辺さんが演じる父親の拓門（たくと）と僕たち福池家、さらに松本穂香さん扮する謎の女の子・未映子が関わるお話が展開されます。最後は、このドラマのテーマである「家族っていいな」という気持ちになれると思います。

田辺　僕が演じた拓門は、どうやったらウザくなるのかを考えた役でした（笑）。２話の中で小池さんの攻撃をかわしながら、「この人は要所で流したり、ごまかしたり、笑いに変えたり、こういうふうに生きてきたんだろうな」という、飄々とした性格が面白く見せられればいいなと。

中川　僕は横で見ていて、田辺さんの役は恵美をずっと困らせる態度を取っていて、細かい動作一つ一つにイライラして反撃しているやりとりがすごく面白かったです。

田辺　昔、演出家の蜷川（幸雄）さんに「感情はホースの先をぎゅっと握って、流れる水を溜めておくように」とよく言われたことを思い出したんです。その人物に水圧＝感情の出力があるならいいけど、少ないなら自分にも相手にも圧がかかるまで待つ。僕はそのとき、限られた自分の資源をどう使うかを考えるということだと捉えたんだけど。

中川　蜷川さんのメソッドが『ラフな生活のススメ』に生かされているなんて思わなかったです。勉強になります。僕としては父親の拓門にも注目してほしいのですが、本編で流れる田辺さんがつくったフリップ芸も要チェックです！　これもある意味福池家に関係するもので…。田辺さんがネタをつくれることに驚きでした…。

田辺　メンズノンノモデル時代、映像監督や映像に関わる仕事を目指そうと考えていたときに、いろいろな人に自分の作品を見てもらうために、映像制作の一環としてコントのようなネタをずっと考えていたんです。それが今回生きましたね（笑）。本編では一部だけみたいですが、SNSで今後公開されるかもしれませんね。

中川　本当に楽しみすぎます！

田辺誠一｜SEIICHI TANABE

1969年4月3日生まれ、東京都出身。高校3年生のときに応募した「第2回メンズノンノモデルオーディション」で専属モデルに選ばれデビュー。その後92年に俳優デビューを果たす。俳優として活動するかたわら、映画監督も務める。近年の出演作に、ドラマ『刑事7人』シリーズ、『それってパクリじゃないですか?』などがある。現在、NHK連続テレビ小説『らんまん』（NHK総合・毎週月〜土曜8:00〜）、NHK大河ドラマ『どうする家康』（NHK総合・毎週日曜20:00〜）に出演している。

公式Instagram：https://www.instagram.com/tanabe1969
公式X：https://twitter.com/tanabe1969

中川大輔｜DAISUKE NAKAGAWA

1998年1月5日生まれ、東京都出身。2016年、大学一年生のときに「第31回メンズノンノモデルオーディション」でグランプリを獲得しデビュー。19年に『俺のスカート、どこ行った？』で連ドラ初レギュラーを務める。近年の出演作は、連続テレビ小説『舞い上がれ！』、ドラマ『大奥』、『沼る。港区女子高生』『合理的にあり得ない〜探偵・上水流涼子の解明〜』など。現在は、ドラマ『この素晴らしき世界』（フジテレビ・毎週木曜22:00〜）に出演中。

公式Instagram：https://www.instagram.com/nakagawadaisuke_official
公式X：https://twitter.com/daisuke_n_staff

『お笑いインスパイアドラマラフな生活のススメ』

出演：小池栄子、桜井玲香、中川大輔、豆原一成（JO1）、松本穂香、田辺誠一ほか
NHK・第9回：9月12日23:00〜、第10回：9月19日23:00〜
公式HP：https://www.nhk.jp/p/ts/9NKNRG8V12/

雑貨店の店主・福池恵美（小池栄子）が、娘の未来（桜井玲香）や息子の正門（中川大輔）や、恵美のお笑い好き仲間・山本信行（JO１・豆原一成）、謎の女性・未映子（松本穂香）といった周囲の人々に持ち込まれる小さなトラブルを“笑いの力”で明るくパワフルに解決していく。ドラマの合間にお笑いネタが登場し、物語とネタの内容が巧みに絡み合う。「笑いで生活を豊かに」をテーマに、脚本＆ゲストにお笑い芸人を迎え、コメディとお笑いネタを掛け合わせた新感覚のオムニバスドラマ！

[中川]シャツ￥73,700・パンツ￥61,600(ともにオーバーコート)／大丸製作所3　その他／スタイリスト私物
[田辺]ニット￥360,800・パンツ￥123,200・靴￥125,400／ゼニアカスタマーサービス　その他／スタイリスト私物

Models:Tanabe Seiichi　Daisuke Nakagawa[MEN’S NON-NO model]　Photos:Teppei Hoshida　Hair & Make-up:NOBUKIYO　Stylist:Yoshiaki Komatsu　Interview & Text:Hisamoto Chikaraishi[S/T/D/Y]