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撮影や展示会など、日々トレンドアイテムに触れているエディターたちのプライベートな買い物事情は? 自分の中で「BUZZ」っている愛用私物や狙っている新作をリアルに語り尽くす本連載。第215回目はメンズノンノ本誌副編集長の宮﨑が担当。
メンズノンノ副編集長
宮﨑
2013年よりメンズノンノ編集部に所属。ファッション、ビューティ、国内外のアーティストの記事を担当。ジャンクな食べ物に目がないが、いたって健康体。
クロムハーツ 「タイニーE CHプラスバンド」のシルバーリング
クロムハーツにふさわしい人になりたい!

世界中に愛好家の多いクロムハーツ。手にしたことはなくとも、誰もが一度は聞いたことがきっとある、80年代にアメリカで生まれたジュエリーブランドです。無骨で繊細、カッコよくて美しい、革新性とたしかなクラフトマンシップの融合を体現する唯一無二のシルバーアクセを中心に、世代を問わず沢山の人を魅了しつづけ、老舗のハイジュエラーとはまた違った存在感で絶対的王者として君臨しています。

ただ、名だたるロックレジェンドたちをも虜にしてきたそのカリスマ性や、枚挙に暇のないブランドの逸話を目にするほどに、敷居が高くなっていくもの。平日は家と神保町をおとなしく往復するだけの自分が、「カッコいいから欲しい、なんていう生半可な気持ちで手を出していいのだろうか…」とビビりまくり、躊躇すること数年。

《My BUZZ Point》
ヘアの神様からの「正念場なら、
クロムハーツでも買ってみたら?」の一言
そしてもう一点、“ひとつ買ったら沼だからね”という怖すぎる脅し(?)を方々から耳にしていました。メンズノンノでよく撮影をご一緒するスタイリストさんやヘアメイクさんもにもコレクターが多く、特に30代以上のアニキたちは「俺とクロムハーツ」という題材でもしも取材をしたならば、とびきりの深イイ話をしてくれそうなほど、強い思い入れにあふれています。やっぱりだめだ、社畜の私には、まだこの反骨スピリット溢れるブランドのジュエリーをお迎えする体制が整っていない。

…と思っていたのですが、その時は急に訪れました。仕事で“今ちょっと、気合を入れるべき正念場だな”というタイミングがあり、その話をヘア連載『東京hair DO!!!!』で長年ご一緒していたヘアアーテイストのKANADA氏に何気なくしていたところ「クロムハーツでも買えば?」と言われたのです。意味わかんないなーと思い、「なんですかそれ」と笑って返すと「似合うと思うよ」とにやりとするのみ。その時は撮影が始まりそれで終わったのですが、氏はご自身もコレクターということもあり、なんだか妙な説得力がありました。

その言葉が残ったまま青山店や伊勢丹を訪れ、出会ったのがこの「タイニーE CHプラスバンド」のシルバーリングです。フローラルクロスリングやダガーリング、キーパーリングなど、主張の強いデザインもすごく素敵だけれど、私にはまだちょっと「頑張ってつけている」感が否めないな~と思っていたのですが、このリングはすでに愛用している他のジュエリーともしっくりなじみ、シーンを選ばずつけられる点からも即決しました。ブランドのアイコニックなモチーフが立体的に連なった、花冠のような1本です。
クロムハーツのリング、と聞いて思い浮かべるものよりも、一見ずいぶんと華奢な印象ではありますが、小さなクロスひとつひとつが丁寧に配され、固くつながっているさまに、ひっそりと自分の意志の強さを込められる気がしています。もしやKANADAさんは、そういうメッセージ性込みでおすすめしてくださったのでしょうか(もう忘れてそう)。
私には私の反骨魂、ロックスターじゃなくても自分なりの大舞台はあるものです。今日も中指にクロムハーツを潜ませ、自分を鼓舞しています。
ちなみに…みんなの言うことは正しかった。
「次は何を買おう」とナチュラルに“2つ目クロムハーツ”を検討してる自分がいます。
ジュエリーだけでなくアパレルや家具もあり、まごうことなき沼ですね!
Photos:Ibuki Tamura

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