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同世代で、週に1度は顔を合わせるという仲の、若きデザイナーふたり。思い入れの強い古着を紹介するとともに、古着の楽しみ方を対談でお届け。
ものづくりに生きている、
学生時代からの古着の探究心。

藤本 古着を好きになったのは、高校生の頃で、雑誌『FRUiTS』とか『TUNE』を読んでいて、服を着ること自体が好きになって。個性的な服を求めていたら、自然と古着を買うようになったかな。
小澤 僕も学生時代から古着が好きで、詳しくなったのは大学生の頃。古着の査定のアルバイトをしていて、いろんな服を見るようになってから。この素材にこのディテールは面白いとか、この年代でこの色は珍しいとか。そういう組み合わせの妙を知ったんだよね。
藤本 服づくりに生きてるよね。和生くんは、「いい違和感」をつくり出すのがうまいなって思う。例えばTシャツって普通は裾がダブルステッチだけど、スラックスの裾で使う天地縫いを使ったりする。その違和感が面白い。古着を買うときは、なにか意識してる?
小澤 なるべく情報で買わないことかな。このブランドだからとか、この年代だから希少価値が高いとか。査定をしていたときの名残もあって、まずは1枚の服としていいかどうかを見たい。
藤本 無名ブランドだけど、いい服も多かった?
小澤 めちゃくちゃあった。むしろ、そういう服のほうが多いくらい。玉数が少ないから価値が上がるのはわかるんだけど、流行だけで高くなっているものもある。自分なりの物差しは必要だと思うな。
藤本 でも、その審美眼の磨き方が難しいよね。とにかくいろんな服を着てみるしかない。
小澤 そうだね。自分には肩が落ちる服が似合うなとか、マイナーブランドだけど生地がいいなとか。そういうデータを集めていくと、自然とよし悪しが見えてくるはず。逆に古着のどういうところを気にしてる?
藤本 縫製が少し粗いのに、いい生地を使っていたり。そのアンバランスさを、引いて見てかわいいと思える感覚がいいなって思う。古着ならではのディテールとかはやっぱり見ていて面白い。
小澤 僕は服が過ごしてきた時間が感じられる、木の年輪みたいなところかな。新品だったら見向きもしないような服でも、誰かが着たことで今はかっこよく見えたりする。その背景も含めて古着の魅力だと思う。同じ時代の価値観だけで作られた服にはない面白さがあるよね。
藤本 現行にはない実験的なディテールや、贅沢な生地使いとかね。効率的なものづくりが進んだ今だからこそ、そういうムダがよく見える。同じジャケットやスラックスでも、作り方が全然違うから。
小澤 そういうところに、僕らが惹かれる理由があるのかもね。
年輪のように刻まれた
前の持ち主の愛着がいとおしい

OLD FOLK HOUSE デザイナー
小澤和生 さん
1995年、静岡県生まれ。東洋大学に進学後、独学でグラフィックデザインを学ぶ。在学中にオールドフォークハウスを立ち上げる。卒業後はグラフィックデザイナーとしても活躍。
小澤さんのピックアップアイテム

「首もとが立体的な00’sアドルフォ・ドミンゲスのコート。これでナイロンだったら近未来的な印象になりそうだけど、ウールアルパカ素材だから、優しい雰囲気」(小澤)

「本来はインナー用として作られたであろう、タイトフィットなスウェーデン軍のニット。ミリタリーというより、どこかフレンチブランドのような品のある佇まいです」(小澤)

「太畝のコーデュロイに、くすんだグリーン。最初はもっと鮮やかな色だったはずですが、年月を重ねることで、今のちょうどいい表情になったところがお気に入りです」(小澤)

「フレンチワークジャケットはペンキ汚れやフェードした表情が魅力。さらにドレッシーにも映るのはテーラードジャケットのような、くっきりとした肩のラインのおかげ」(小澤)
現行にはない実験的な
ディテールに惹かれます

FUJI デザイナー
藤本凌太 さん
1996年、広島県生まれ。大阪文化服装学院を卒業後、2020年に自身のブランド、フジを設立。2024年、日本服飾文化振興財団「JFLF AWARD」を受賞。今後の活動に注目が集まる。
藤本さんのピックアップアイテム

「ピエール・カルダンのコート。海外のしゃれたおじいさんがはおっていそうな佇まいが魅力。アウトドアウェアを、どこか品よく仕立てているところにも惹かれます」(藤本)

「このスカートの、柔らかい生地に対してホックを使った、セオリー無視の仕立てが逆に気になりました。おそらく舞台衣装用。ふんわりとした生地と色味が抜群にいい」(藤本)

「上質なリネンを使ったシャツジャケットは、一見するとすごくクリーン。でも、斜めのポケットや大きめのボタンなど、少しひねくれたディテールがきいています」(藤本)

「コンパクトなサイズ感とラメを織り込んだ細いストライプが、古着ながら現代的なムードも感じるTシャツ。今は小さめなサイジングの服がかわいいなと思います」(藤本)
Photos:Junto Tamai Composition&Text:Shun Koda
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