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【上白石萌音と世界をガブリ！】第６回：中華料理編「信頼と実績。」

2023.06.24

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今回は、知り合いとふらっと食べに行きたい中華料理をセレクト！　気軽に寄れて、しかもおいしい町中華の名店に、萌音さんと向かった。

vol.6　CHINA

強火
文・上白石萌音

作れるのに作れない。それが中華だと思っている。炒飯も餃子も青菜炒めも、すごく手軽に家でも作れるけれど、絶対にお店の味にはならない。家中華もそれはそれで大好きだが、お店で食べると、完敗だ。嬉々（きき）として白旗を振る。

赤坂の路地裏にひっそりと鎮座する珉珉。その荘厳な佇まいに浮き足立つ。「中華食べに行こう」とここに連れてこられたら、絶対その人のこと好きになっちゃう。それくらい刺さる外観。

空間をリープしてきたような情緒の中で味わう「中華」は、本当にシンプルで、間違いなく美味（おい）しかった。少数精鋭の食材、一切過不足のない味付け。食後、敬愛の眼差（まなざ）しをカウンターの向こうに向けると、活気と誇りに満ちた料理人の皆さんが強力な火の上で猛烈に鍋を振るっている。すぐそこの大鍋の中ではでっかいチャーシューがつやつやと出番を待っている。どうしよう、満腹なのに、まだまだ頼みたい。あれもこれも食べてみたい。再訪をかたく心に誓った。

1965年から佇む趣のある建物に刻まれた「赤坂珉珉」の文字に歴史を感じる。入ってすぐに広々としたカウンター、そして奥に座敷。厨房（ちゅうぼう）の料理人たちを興味津々に眺めていると一品目の焼き餃子（ギョーザ）が到着した。

おっ、想像よりちょっと大きい。コショウをたっぷり入れた酢コショウでいざ実食だ。

「もちもちした生地とあんとのバランスが絶妙！　一個一個が大満足のボリュームだけど、おいしいから『もっと食べたい』って箸が止まらない（笑）」。

次に来たのは青菜とキクラゲ炒め。「新鮮さと歯応えがイイですね。味つけもちょうどよくて、具材の味が際立っています！　そのお店の個性を知れるメニューが青菜炒めだと思っていて、必ず頼むんです」。青菜を箸でつかみ、じっと眺める萌音さん。「う〜ん、マネしたいけど、こうは作れないんだよなぁ」。メニューをチラッと見て、「やっぱり餃子には必要！」と炒飯（チャーハン）（￥660）も追加注文し、おいしそうに交互にもぐもぐ。

「中華って食べていると暑くなるし、いろいろなお皿を横断するから、涼しくて動きやすい格好と髪型が重要！（笑）　町中華の赤テーブルに映える爽やかなブルーのセットアップを選んで正解でした」

「噛（か）んだ瞬間、肉汁とともに“おいしい”が口いっぱいにあふれる！　具材は豚肉と白菜とニラで、いたってシンプル。うちと同じなのにこの差って!?」。赤坂珉珉が発案したという“酢コショウ”でさっぱりと。￥770