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10月23日、Prime Videoにて独占配信される映画『てんてん ずっと独身でいるつもり?』に出演する森香澄さんと若葉竜也さんへインタビュー。
やりたいことが見つからない。今いる所が“自分の居場所”かわからない。転々(てんてん)としながら、それでも日々を生きていく――。そんな迷いを抱える人々の群像劇を通して、お二人が感じたこと、印象的だった場面から、それぞれの「居場所」について話を聞いた。
ヤマダの“定まらなさ”を自分の不安と重ねて(森)

――センセーショナルな作品名ですが、本作のタイトルを初めて聞いたとき、どんな印象を持ちましたか?
若葉竜也さん(以下、若葉) 過去に映画化されていることもあり、「これ、なんか聞いたことあるな」というのが第一印象でした。
森香澄さん(以下、森) 「ずっと独身でいるつもり?」という言葉自体は、ちょっと強い言葉なので、それをどういう作品にするのかなと。前作からどういうふうに広げるのかが気になりました。
――森さんは本作が映画初主演となります。コメントでは「私に務まるだろうかと不安があった」とお話しされていましたが、その不安はどのように変化していきましたか?
森 その不安は特に解消されたわけではありません(笑)。でもヤマダミサキというキャラクター自体、定まったものがなく、明確な目標や大きな夢があるわけではない。人生に迷いながら進んでいく役柄だったので、私が持っている不安や悩みも、そのまま表現に生かせるんじゃないかなと思ってクランクインしました。

森 実際、クランクインした後にフルヤやシバ、カケルをはじめとするヤマダの人間関係や人々との会話の中に、ヤマダの本質的な部分が見え隠れしていたと思います。
――若葉さんは葬儀屋に勤めるシバを演じられていますが、役作りで意識されたことはありますか?
若葉 僕は普段から役作りとかは全然やらないんです。でも、箱田(優子)監督が僕に合いそうって思ってくれたんじゃないですかね。よく知っている監督なので、シバに僕のイメージが重なったんだと思います。
ヤマダって、実は自分自身に憤っているのかも(森)

――撮影を通して、印象に残っているシーンについて聞かせてください。
森 私は芋生悠さん演じる親友フルヤとのシーンが作品中で一番、会話したなって思いましたね。もちろんシバやそれ以外の人物とも会話は交わしているんですけど、フルヤとはぶつかり合うこともあるし、フルヤだけに見せる顔がある。
そしてフルヤに怒っているように見えて、実は自分自身に憤りを感じて、それを言葉にしている。「かっこいい女になれなんてあたしには無理なんよ」と。ヤマダ自身はそれに気づいているかわからないですけど、そういうシーンが多くて印象的でした。
若葉 ヤマダとフルヤが大喧嘩するシーン、めちゃくちゃいいですよね。「バーカ」「バーカ」って言い合うやり取りとか。そこは森さんと芋生さんだから成立する空気があるし、監督の切り取り方にも愛があってめちゃくちゃいいなと思いました。
森 そうなんですよ(笑)。でもその後、フルヤと再会するシーンでは、あえてその喧嘩について和解するところを描いていなくて。「ごめんね」という言葉が出てこないまま、普通にお互いの近況の話になる。そこもリアルだなと思いました。
それぞれがちゃんと階段を上ってきたからこそ、奇跡みたいなシーンができた(若葉)

――一方で、シバの日常に甥っ子のカケルが突然、現れます。シバとカケルのやり取りのシーンで意識されたことはありましたか?
若葉 カケル役を演じたトアさんは、初めて演技の仕事をする子だったんです。まだ何者でもないし、知識もないからこそできる自由さが、すごく刺激的でした。アドリブもあったんですが、それはトアさんが台本もシーンもちゃんと理解しているからこそ出てくるものなんです。大人の役者でも、なかなかできる人は少ないんじゃないかなと思いましたね。
――アドリブのシーンがあったのですか?
若葉 はい、餃子のシーンですね。カケルが餃子のことをなんだったか言い間違えて、そこを僕が訂正するシーンがあるんですけど、あれは台本にはなかったんです。
撮影自体、わりと時系列に進んで撮れていたんですが、その時間の積み重ねというか、それぞれがちゃんと階段を上ってきたからこそ、ポンと起きた奇跡みたいなシーンだと思っています。
森 私はシバがカケルの髪を結んであげるシーンが好きです。3人で共演するシーンが多かったからこそ、ヤマダ抜きのシバとカケルの関係性が垣間見えた気がして。
シバの過去やカケルの読めなさも知っているからこそ、グッとくるものがありました。「いなくなったら寂しい?」っていう問いに、シバはなんて返すんだろうって、普通に視聴者として気になりました。

若葉 あともう一つ、印象に残っているのはキッチンでのシバとヤマダの会話のシーンですね。シバが自分の過去について話すんですけど、照明も含めしっかりセッティングに時間をかけて、そこはスタッフさんの中にも緊張感があったと思います。シバとヤマダにとって核になる大事なシーンなので、カットをいくつも重ねるというより、すごく繊細に撮っていきました。
森 あそこは結構、撮影の中でも後半の方だったので、それまでにいろんなシーンを重ねていて。シバが持つ独特のテンポや、ヤマダが普段喋っているテンポも少しずつ把握しながら、その波長が合っている時もあれば合っていない時もある。でも、それが心地よくて。そういう微妙な空気感を描くために、皆さんがすごく丁寧に向き合った結果、できたシーンだったと思います。
“やりたいこと”、より“やってきたこと”がその人の居場所になる

――お二人はこの作品から、“居場所”についてどんなことを感じましたか?
森 “居場所”って考えた時に、「ここにいたい」って言って、実際にたどり着ける人って、あんまりいないですよね。そう簡単に見つけられない場所という気がします。
若葉 僕はそこ、シバのセリフのなかに答えが集約されていると思っています。目標や夢を探そうとするヤマダに、「やりたいことじゃなくて、やってきたことが、今のあなたの人生なんじゃないの」って。それですべて納得したというか、セリフとしても素敵だなと思いました。
――最後に、この作品をどんな人に観てほしいと思いますか?
森 この作品は言語化するのがすごく難しくて。タイトルはストレートですけど、それをどう解釈するかは一人ひとり全然違うと思います。だから私たちも「こういうふうに受け取ってほしい」と思って描いたシーンは、たぶんない。
きっと観る人自身の価値観や状況によって、いろんな考え方ができると思いますし、それを全部肯定してくれる。ホッとできる作品になっていると思います。だから年齢や状況に限定せず、いろんな人に観てほしいです。
若葉 そう、できれば全国民に観てほしいですよね。配信なので、劇場と違って自分の好きな時間にじっくり観られるのも、この作品のいいところであり、贅沢なところですから。家でひとりのときにじっくりと観てもらえたらと思います。
森香澄|KASUMI MORI
1995年6月16日生まれ、東京都出身。2023年3月にテレビ東京を退社後、アナウンサー、タレントとして活動する一方、ドラマや映画にも出演。本作で映画初主演を務める。映画『裏社員。 スパイやらせてもろてます』(25)、ドラマ「奪い愛、真夏」(25/EX)、「DREAM STAGE」(26/TBS)などに出演。2026年9月には初の美容本『戦略的かわいいの作り方 森 香澄のかしこい美容メソッド』(小学館)を発売。
公式Instagram:https://www.instagram.com/mori_kasumi_/?hl=ja
若葉竜也|RYUYA WAKABA
1989年6月10日生まれ、東京都出身。映画、ドラマを中心に幅広く活躍。2016年公開の『葛城事件』で第8回TAMA映画賞・最優秀新進男優賞を受賞し、2024年には「アンメット ある脳外科医の日記」で第120回 ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞 助演男優賞、東京ドラマアワード2024 助演男優賞、第49回 エランドール賞 新人賞を受賞。『市子』(23)、『ペナルティループ』(24)、『ぼくのお日さま』(24)、『嗤う蟲』(25)、『てっぺんの向こうにあなたがいる』(25)、『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』(26)などに出演。
公式Instagram:https://www.instagram.com/ryuya_wakaba.official/?hl=ja

映画『てんてん ずっと独身でいるつもり?』
ヤマダミサキ、30歳、独身。やりたいことも居場所も定まらず、仕事を転々としている。葬儀社で働くシバ、38歳。人との関わりを避けてきたが、姉の幼い息子を預かることに。デザイナーのシミズ、46歳。父の介護をきっかけに、仕事と自分の人生の間で揺れ始める。年齢も境遇も異なる3人が、それぞれに迷いながら、自分の居場所を見つけていく群像劇。
出演:森香澄 若葉竜也 香椎由宇 芋生悠 田村健太郎 笠島智 黒沢あすか 白川和子 眞島秀和 前田吟
原作:おかざき真里(原案 雨宮まみ)「ずっと独身でいるつもり?」(祥伝社 FEEL COMICS)
監督:箱田優子 脚本:港岳彦 音楽:渡邊琢磨
制作プロダクション:ジャンゴフィルム 製作:日活 ©2026日活
公式サイト:https://zuddoku-movie.com
公式X・公式Instagram:@zuddokumovie
●2026年10月23日(金)Prime Video にて独占配信
©2026日活
For Ryuya Wakaba:ジャケット¥72,600、シャツ¥35,200、パンツ¥46,200/すべてBlanc YM ブランワイエム シューズ/スタイリスト私物
・問い合わせ
TEENY RANCH
03-6812-9341
渋谷区神宮前2-24-4里見ビル2F
Photos:Yoshiko Kojima Hair & Make-up:Kana Mizuno(For Kasumi Mori) Fujiu Jimi(For Ryuya Wakaba)Stylist:Yurina Inaba(KIND)(For Kasumi Mori)Toshio Takeda (MILD)(For Ryuya Wakaba) Interview & Text:Wakako Matsukura
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