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原作漫画の連載20周年を迎える節目の今年に公開される、映画シリーズ5作目の『キングダム 魂の決戦』。主人公・信は、原作でも人気を博す“函谷関の戦い”へと進む。秦国20万の兵に対し、その他6国の合従軍による50万の敵。国家滅亡の危機の中、信の前には趙の将軍・万極が現れる。山田裕貴は、キャラクターが歩んできた歴史に思いを馳せ、万極を演じる。
言葉を必要としなくなった人間が
どんな声になるかを表現したかった

「万極は、秦が趙の民40万人を生き埋めにした“長平の戦い”の生存者で、秦への私怨や復讐心を胸に生きてきた人。実在した人物も多く登場する『キングダム』の中で、彼は架空の人物です。ですが、本作で唯一、戦争の業や負けていった人たちを語れるキャラクターで重要な存在。僕にとって演じる意義のある、やり甲斐のある役だと思っていました」
顔を覆うほどの長い白髪や見開いた目など、彼を表す特徴はいくつもあるが、山田が特に意識したのは、絵では捉えきれない、その人物を物語る部分。
「声です。原作では文字のデザインで表された、絞り出すような発声を表現したかった。家族と共に埋められたときの息苦しさと叫びから、声は嗄れる。苦痛で髪は白くなり、人と関わることをやめたであろう男は、きっと言葉や会話に執着していない。会話を必要としなくなった人間はどんな声になるのか。そこを突き詰めることが、万極を表現することにつながると考えました」

信vs.万極の撮影は4日間に及んだ。
「小栗(旬)さんがつないでくださって、対決シーンの撮影後に、信役の(山﨑)賢人くんと2人でごはんを食べに行くのが習慣になったんです。敵役同士だと現場で距離を取る場合もあるけど、今回は、撮影が終わったら役の関係性はいったん忘れて、ただの俳優同士、男同士として語り合って。その日撮ったシーンを振り返ったり、最近うれしかったことを聞いたり。そこで思ったのは、賢人くんは信っぽくて、僕は万極系統─恨みや復讐心はないけど(笑)、いろいろと考えて背負いすぎるタイプという意味で。2人でとことん話し合って『じゃあ、おやすみ』って別れて、翌朝から激しく剣を交わす、みたいな毎日。本当に、超楽しかった! 撮影後は、またこんな日々が来ればいいのにって思いました」

ヴィンテージのセットアップ¥37,400/フロムザマインド その他/スタイリスト私物
Photo:Aki Takeyama Hair&Make-up:Maiko Inomata[TRON] Stylist:Akiyoshi Morita Interview&Text:Hisamoto Chikaraishi[S/T/D/Y]

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