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トレンドだけに頼らず、確固たるポリシーのあるショップのセンスを信じて服を選ぶ。研ぎ澄まされたセレクトと、そこに惹かれて集うファッション好きの熱意。そこには、思いがけないファッションやカルチャーとの出会いがきっとある。
Nip in the Air

服と純粋に向き合う静かな部屋
2025年11月にオープンした「Nip in the Air」。あえてブランドタグを外し、アポイント制をとるなど、ミステリアスなベールに包まれた店である。「視覚的な情報よりもシルエットや質感、その服を着たときに自分がどう感じるかを純粋に味わってほしいんです。現在は6人ほどの作家やデザイナーと連絡を取り合い、意見交換をしながら企画した商品を他店に卸すことも」と店主の板井さん。

セレクトの基準は、日本独自の文化や文脈から生まれた服であること。DIYの精神を感じる作り手であること。そしてタグを外してもその人の服だとわかる輪郭を持っていることだ。

板井さんの中には、ファッションにある“卒業”の感覚への違和感があった。音楽や映画、食べることは大人になっても続くのに、服は「昔は買っていたけど今はもう...」となることが多い。審美眼が育たないままでは、この感覚が生まれてしまう。だからこそ、それを育てる空間をつくりたかったと語る。

店名の“Nip”は、新しい日本的なものを意味し、店内の随所にその空気が感じられる。海外を掘るのと同じ熱量で国内を掘れば、まだ価値が定まっていないファッションに出会えるのではないか。そんな考えがショップの出発点かもしれない。何を着るかではなく、誰が着ているのかに重きを置く場所として、これからも目が離せない。
Nip in the Air friends

「多くのお店はブランドから聞いた情報を説明してくれる接客だと思いますが、店主の板井さんはそこに自身の解釈を重ね、新たな洋服との出会いを与えてくれるんです。そうすると僕の中にあるセンスが静かに変わっていく感覚に。それが心地いいんです。彼と出会って、もっと服が好きになりました」(Koさん)

「大学生のときに板井さんと出会い、それからのつき合いです。当時、洋服を因数分解するみたいな話をしてくれたのがすごく面白くて。ディテールや背景を分けて考えると、違うカルチャーの服同士でも意味の通るスタイリングになるという考え方で、それを友人と喫茶店でノートに書き出して、ずっと考えたりしていました」(井上慎斗さん)

「板井さんはカルチャーや時代の空気感、服を通じて生まれるコミュニティも含めてファッションと向き合ってる人。作り手と着る人が互いにリスペクトし合える関係をとても大切にしている。その誠実な姿勢は、かつて彼が働いていた神戸のショップで出会った頃から変わらず、すてきだと思います」(五十棲 亘さん)
Nip in the Air
住所:オンラインサイト(インスタグラムにリンクあり)から来店予約制
営業時間:11:00〜20:00
Instagram
Photos:Yudai Emmei Composition&Text:Sayako Ono

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