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中島裕翔の「GAROU」武者修行篇、早くも半年が経過!今月は奥深い美容写真の世界へ

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INTRODUCTION

「今回舞台裏をのぞくのは、雑誌の美容ページに載っているような“ビューティ写真”!。過去にメンズノンノで、モデルとしてメイクやスキンケア、フレグランスなどの撮影に参加したことはあります。でもフォトグラファーの視点から、美容雑誌に載っているような“ザ・ビューティ”という感じの撮影を本格的に教えてもらうのは初めて。感覚の赴くまま自由にシャッターを切るストリートスナップとは180°変わって、“ここを必ずこう見せたい”という明確な目的があり、そのために大掛かりなライトを組むという撮影でした。前回の今城さんとのフィルムカメラ回とかなりコントラストのついた内容になり、すごく面白かったですね。味のあるポートレイトも好きだけど、こんなにきれいな光で撮ってもらえたらそりゃ嬉しいよなと素直に思える仕上がりに、プロフェッショナルの仕事を体感できました!」(from 裕翔)

file.6 「Beauty-Photography」

本格的なビューティ写真、どう撮る?

美容にまつわる企画に掲載する写真を総称して、メンズノンノではわかりやすく“ビューティ写真”と呼んでいる。スキンケアやヘアケア、メイクアップなど、紹介する美容アイテムのメリットをしっかり訴求・可視化するために、それを使用したモデルのカットをいかに美しく、説得力を持って見せるか、技術が問われる撮影。同時に使用後の状態を正確に伝える必要もあるため、色や質感の再現性の高さも重要になってくる。今回は裕翔さんをモデルに、“ベースメイクの紹介ページに使用する写真を撮るなら...”というお題のもと、撮影を行う。

今回の先生:生田昌士氏

スタジオ勤務を経て、フォトグラファーの赤尾昌則氏に師事、2007年に独立。2018年にhannah management設立・所属。匠の域ともいえる美しいライティングで、人物・静物問わず難易度の高い撮影に引っ張りだこ。ビューティ、時計宝飾など細部まで美しさにこだわった写真に定評がある。

 


1. LIGHTING

スタジオのセッティングの様子
スタジオの様子

生田:ビューティのモデル撮影というのは、クライアントの意向ありきのシーンで行うことが圧倒的に多いと思います。その時使用しているプロダクトのコンセプトやスペックに沿って、モデルのどこを、どんなふうに、どのくらい美しく見せたいのか、ということを徹底的に汲み取って可視化する必要があるからです。あらかじめしっかりお題があって、それをクリアするためにどうするか...というものなので、前回の(今城)純君とのフィルムでのストリートスナップと比べると、真逆のアプローチになりますね。

裕翔:今日は、ベースメイクの紹介ページに載せる写真を撮るなら...というコンセプトなので、まず大前提として肌をある程度フラットに見せないとですよね。

生田:ライトの話で言うと、誰でも正面からバンとした強い光を当てると、肉眼で見るよりも肌のコンディションは均一に見えます。毛穴にしろ、しわやクマにしろ、影によって目立っているので、それを飛ばすのだからから当然のことですね。小さな子どもの肌にそこまで強く光を当てなくてもきれいなのは、一般的に大人よりもつるんとしているから。

裕翔:たしかに! プリクラとか、ライトめっちゃすごいですもんね。

生田:そうそう。だからまず土台としては、スタジオ全体に光を回すことが大切。そのうえで撮影ごとに、どのくらいツヤ感が必要なのか、逆にマットに見せたいのか、立体感を重視するのか、血色よく見せるのか...など、細かいオーダーの部分を詰めていきます。

裕翔:今回は全部で1、2、3......7灯。“天紗幕”を張ってベースは柔らかい光にするんですね。(※写真上:人物とその頭上のライトとの間に大掛かりな紗幕を取り付けて、ディフューズする)

生田:光が強いとそれはそれでコントラストがつきすぎで、光の当たっていない部分の影が濃くなってしまうんですよね。

裕翔:ビューティの撮影ってやっぱり、ある程度大きさのあるスタジオで多灯づかいになるから、豪華な感じがする。

生田:広告だともっとライトを使うこともあるんだけど、全体としてはいったんこのくらいで組んで、人物にどの程度ピンポイントで光を当てるかはシャッターを切ってから調整していきましょう。ただ、肌表面の種々の凹凸を少なくするほど、その分フラットな印象になるということでもあるので、いかにのっぺりとした感じにならないようにするかも大事。中島君は肌がもともときれいだから、技術的にはそんなに難しいことはなさそう。頬の高いところにツヤ、つまりハイライトを足すだけでもいわゆるビューティ写真っぽくなりますよ。

裕翔:メイクさんのおかげですが、うれしいです(笑)。特に最近は、きれいなんだけど自然に、みたいな感じが好まれる傾向もありますし、バランスが難しいですよね。ナチュラルな状態が美しいという価値観もあるし、写真としてどちらが良い・悪いということではないから...。

生田:頑張って応えてます(笑)。その塩梅も、目指すゴール地点や参加するスタッフの感覚によって変わるので、フォトグラファーとしては、見せたいものや伝えたいものは何かという目的によって、撮影環境――つまり光をコントロールするというのが仕事。

裕翔:ビューティの撮影って、確かな技術とバランス感覚が必要とされる、非常にプロフェッショナルな現場ですね。

スタジオのライト

紗幕を挟んで人物の正面にもライトを設置。シロホリ全体を明るく、死角なしで光で囲むイメージ。紗幕自体も真っ白なため、レフ版としての効果も。


2. TEST-SHOOTING

写真のチェック

裕翔さんの骨格やちょっとした顔の向きによって変わる陰影を注意深く見つつ、目指す質感に近いライトを探っていく。みんなでいくつかテスト写真を見比べ、頬骨のあたりに自然なツヤ=ハイライトがあるときれいだよねという話に。「今回は、定常光とちがって光をピンポイントでコントロールしやすいストロボライトを使用します。光量がしっかり出るので、パンとした強いハイライトを作れます(生田さん)」「普段だったら背景含め明度を落とした写真とか、明暗が顔の左右でスプリットになってるのも個人的には好きだけど(笑)、全体に明るい方が透明感はあるように見えますね。まさに“光が回っている”という感じ!(裕翔さん)」

3. FINE-TUNE

撮影

ライトとの位置関係を自身で確認して、「ここにこのくらいの光が当たるのか...てことは顔の確度はこのくらいかな...」と確認する裕翔さん。「自分からライトの当たり方を考えてくれるモデル、ありがたい(笑)」と生田さんもびっくり。

ライト

キレのある硬めのハイライトを作りたい。そのため、正面のストロボライトに関しては、最終的にディフューザーなしに。


4. HAIR&MAKE-UP

ヘアセット後の撮影の様子

メイクアップだけでなく、衣装やヘアスタイルもひと工夫。トップスは白いシャツを選んで、パッと肌が明るく見えるレフ版の効果と、クリーンな清潔感を狙う。ビューティの写真はバストアップ~顔の寄りになることが多いため、襟元にスタイリングの見どころを演出することが多い。今回はシャツのレイヤードとネックレスでポイントを作った。頬骨の高い位置で肌のツヤ感を演出したいので、ヘアは顔にかからないようにすっきりと。ウェットな質感にすることで、より顔周り全体にツヤ感を意識。「バングルも衣装のバランスとしてはアクセントになっていて素敵なんだけど、手を入れるとアクセサリーの企画に見えなくもないな...シンプルなポージングがいいかも」と、裕翔さんはモデルとしてのキャリアも感じる試行錯誤も。

FINISH!

009

完成画像

ビューティの写真って、技術の宝庫!

YUTO NAKAJIMA’S GAROU Interview

シビアな条件をクリアするため、最善を尽くすプロの姿勢

「生田さんのお話がプロフェッショナルすぎて、痺れましたね。具体的な条件やゴールがあって、クライアントがいるという場面で、それにしっかり応える写真を撮ることができるのって当たり前じゃないよなって。でも今取り組んでいる僕の写真展も、自由さもありながら、実は意外に同じような側面も共存していると思うんです。こういう写真が必要だな、といったミッションは予め設定していましたし、自分の創作というものを突きつめつつも、ちゃんと引いて“いい構成になっているのか?”と、エディトリアルの面からも考えていました。だから本当にただ好き勝手撮っていたわけではないので、そこにあるお題にしっかり応えようと最善を尽くす姿勢の大切さはすごく理解できますし、カッコいいと思いました。生田さんが手掛けられているような美容の広告とかタイアップページの撮影って、きっと極めてプロフェッショナルな現場ですよね。いろんな作品性にトライするとしても、その場にいる誰しもが納得するような“きれい”に着地させるとなると、合格ラインがすごくシビアだと思う。プロダクトによって“ここの色やエッジを出したいんです”とか、“これはこの部分が見えてないとダメなんです”とかミッションが多いだろうし、技術も知識もあればあるほどいいですよね」

/

みんなが思う“美しい”を可視化する難しさ

「役者としても僕は、何か求められた時に“一旦やってみます”っていう人でいたいと思っているんですよね。難しそうとか、今までやったことないなと思っても、“僕そういうのやらないんで”じゃなくて、トライするのが大事かなと。だから自分が正解を決めるというより、オーダーに応える側面が強いビューティの撮影も、機会があるならやってみたいと思いました。そして、チームの全員で完成イメージを一致させるべくコミュニケーションをとっていくところも、いろんな仕事に共通するものがあると感じましたね。すごく好きなプロセスです。今回の写真だと、例えば“もっと肌にツヤを出すべきでは”と誰かが言ったときに、“十分出てるじゃないですか”と考える人がいたら、うまく着地できない。ヘアメイクとライティングのかけあわせも、写真にどう写るのかやってみないとわからない部分もあるし...美しさって人それぞれだからこそ、言語化するのも難しい。でもそれが、ビューティの撮影の醍醐味だよなとも思うし、写真といっても本当にいろんな分野があるんだなぁ、と実感しました。ただ、細部まで突き詰めてストイックにライトを組んでいく感じが、撮影対象は違えど物撮り回(香水瓶の撮影)で学んだことに近い感じもしていて。環境の違いはありますが、プロダクトにあわせて光を組んでいた時の感覚と、人によって異なる美しい部分を見極めるところが似ているなって。すごく突きつめ甲斐があるし、没入型の僕はけっこうのめり込んでやれる気がします(笑)

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レタッチは最終手段

「あとは生田さんの根気強いライティングの調整を見ていて、ちゃんとその場でみんなが納得する完成形に到達しておく大切さについて、改めて考えました。さとうさんとの物撮影の時にも思ったんですけど、レタッチっていうのはあくまで、この難題を叶え得るにはもうこれしかないっていうときの最後の手段なんだなと思いましたね。何が美しいのかって、すごく曖昧なものじゃないですか。だから後から齟齬が生まれないように、現場で限りなく最終形態に近いものにしておく必要があるんだよなぁと。そういう点でも、よりプロ側の思考を教わったかなと思いました」

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光のコントロール力を鍛えたい

「以前の回で(板垣)李光人を撮った時に、写真で見せる肌の美しさについてはけっこう考えて。不自然につるつるにするのではなく、“どうしたら李光人のこの、きれいに発光した感じを表現できるのか...”というところに神経を集中させました。きっと生田さんも、僕の骨格とか肌の感じを見て、ライティングのベースを判断されたのだと思います。今日そのお仕事を覗き見して、自分も “光、回したい!”って思いました(笑)。きれいな光をブンブン回せるようになりたいな~。今日は自分がモデルだったので男性の骨格を捉える形となったと思うのですが、いつか女性も撮影してみたいですね。独自の道を追求する作家性と、求められたものに正確に応えるプロフェッショナルさ、うまく両立できるようになれたら一番いいですよね。ビューティでも通用するような光のコントロール力はぜひ鍛錬していきたいですが...そうなれるのか......GAROU、まだまだ続く!っていう感じですかね(笑)。幸い好奇心は旺盛なので、ひとつのジャンルにとらわれず、いろんなものが撮れるようになりたいです。その方が絶対楽しいし!」

 

Photos:Masashi Ikuta[hannah](portrait) Teppei Hoshida(repo) Hair:Yasushi Goto[OLTA] Make-up:JIMI FUJIU Stylist:Tatsuya Matsumoto Model:Yuto Nakajima

[プロセスカット]シャツ(オーバーコート)¥64,900/大丸製作所3 Tシャツ(スリフティールック)¥7,700/セルストア 肩に掛けたシャツ¥42,900・パンツ¥49,500/エイトン青山 靴(ナイキ スポーツウェア)¥23,200/ナイキ カスタマーサービス [メインカット]シャツ(シュタイン)¥39,600/エンケル 中に着たシャツ¥31,900/ザ リラクス ネックレス[チャーム付き]¥497,200・ダブルフィンガーリング¥83,600/ヒロタカ 表参道ヒルズ バングル¥9,900/ブルーナボイン代官山店 リング[人差し指](ミラ)¥17,600/スタジオ ファブワーク

 

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中島裕翔 プロフィール画像

Profile

中島裕翔(なかじま ゆうと)
1993年8月10日生まれ。東京都出身。2017年6月号より2025年12月号まで、1号も欠かすことなくメンズノンノレギュラーモデルを務めた。この写真連載「GAROU」とともに、メンズノンノとの友情はこれからも続いていく。1st写真集「Hue I am」(集英社)が大好評発売中。現在は、今夏開催の自身初となる写真展の準備に邁進している。

INFOMATION

舞台『セールスマンの死』

舞台『サラリーマンの死』

舞台『サラリーマンの死』

アメリカ現代演劇の旗手、アーサー・ミラー氏が1949年に発表した戯曲。主人公は、消費主義のアメリカ社会のなかで必死にもがく老サラリーマンの、ウィリー・ローマン(イッセー尾形氏)。かつては敏腕セールスマンとして鳴らしてきたが、60を過ぎてかつての精彩を欠き、家庭崩壊の危機にも直面する。裕翔さんが演じるのは、いつまでも自立することができず、ウィリーの悩みの種となっている長男のビフ。世界共通の現実である社会システムの残酷さ、競争社会、家庭の崩壊、若者の挫折など、普遍性のあるテーマを現代を生きる私たちに問いかける。 詳しくはコチラ

『連続ドラマW シリウスの反証』

『連続ドラマW シリウスの反証』

冤罪の救済に挑む弁護士たちの戦いを描く社会派ミステリー。これがWOWOWオリジナルドラマの初主演となる裕翔さんが演じるのは、冤罪被害者の救済に取り組む団体「チーム・ゼロ」に所属する弁護士の藤嶋翔太。正義と真実をめぐる重厚なテーマに巧みな犯罪トリックを盛り込んだ骨太な作品に、裕翔さんが真っ向から挑戦!
詳しくはコチラ

メンズノンノ編集部

メンズノンノ編集部

集英社の男性ファッション誌『メンズノンノ』の公式サイト。20代の男性に向けて最新のファッション、美容、ライフスタイル、カルチャー情報などを毎日お届けします。

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