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大人めアメリカンヴィンテージに開眼! 今年らしい短丈ブルゾンにひと目惚れ【プロが推す東京の古着屋㊶三軒茶屋 LECHENKO(ルチェンコ)】

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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載。前回に続き、本記事ではスタイリスト根本航輔さんが三軒茶屋のルチェンコを案内する。

三軒茶屋
LECHENKO(ルチェンコ)

昨年9月にオープンしたルチェンコは、ドーバー ストリート マーケット ギンザ出身のオーナーが欧米で買い付ける感度の高い古着が魅力。ヴィンテージとアーカイブを柱にした商品構成を、ショップマネージャーの解説とともに根本さんは改めて確認した。

今回のお店を訪ねたのは...

スタイリスト根本さん顔写真

スタイリスト

根本航輔 さん

埼玉県出身。大学卒業後、スタイリスト井田正明さんのアシスタントを4年間務め、今年4月に独立。アーティストやブランドのルックブックのスタイリングを中心に、仕事の幅を広げている。ファッションのルーツはヒップホップ寄りのストリート系ながら、モードカジュアル、シティカジュアルを経て、現在は落ち着いた配色を軸にしたベーシックスタイルへとシフト中。

     

【お店の注目ポイント】
ショップマネージャーとの会話を通して
ヴィンテージの魅力に目覚める

ラックを見る根本さん

根本さんがルチェンコを知ったのは、オープン当初にインスタで見かけたのがきっかけ。今年に入って店に足を運ぶと、ハイブランドのブティックのような空間づくりにまず感動。アメリカ古着だけでなくヨーロッパ古着も充実し、プラダなどハイブランドのアーカイブが多い商品構成にも惹かれ、通うようになった。

取材の日に着てきたゼニアのブルゾンは、ルチェンコで18,000円ほどで購入したお気に入りだ。「商品がとにかくきれいで、アーカイブも含め、全体的に買いやすい価格設定という点も魅力なんです」と語る。


楠原さん

取材の日はショップマネージャーの楠原誠太さんが出迎えてくれた。オーナーの深沢謙太さんはバイイングを担当し、年中欧米へ買い付けに出ているため、店舗に立つことは少ない。店舗の運営は立ち上げにも携わった楠原さんに一任している。

楠原さんは大学在学中からセレクトショップに勤め、モデルとして活躍したこともある経歴の持ち主。根本さんが訪れたときは別のスタッフに当たることが多く、この日が初対面だったが、人当たりがよく、好みが似ていることもありすぐ打ち解けた。

カラーアイテムについ手が伸びる

赤いアウターを体に当てる根本さん

入り口すぐのラックからじっくり見ていくのがルーティン。“カラー好き”な根本さんだが、最近はグレーやオフホワイトなどモノトーンでまとめることも増えた。とはいえ嗜好は健在で、そっさく鮮やかなアウターに手が伸びる。

「この色、めっちゃ好きなんですよね」(根本)「先月のアメリカ買い付けで入荷したパタゴニアの90’sバックボウルアノラックです。パタゴニアの古着は人気が高く価格が高騰していますが、僕たちはファッションの視点で“いい”と思ったものだけを選んでいます」(楠原)「原色が好きだからこれは気になります」(根本)「気分が上がるし、おしゃれするうえで大事ですよね」(楠原)。会話が弾む。


ラックを漁る根本さんを見ている楠本さん

ルチェンコはアメリカとヨーロッパで買い付けを行い、入荷のタイミングでその割合が変わる。この日はアメリカ買い付け直後ということで、アメリカ古着が優勢。来店するたびに商品の内容が変わるためリピーターが多い。「何度足を運んでも飽きないように、商品の入れ替えは1週間おきぐらいにしています」(楠原)。

アルマーニのシャツに挑戦

シャツを試着する根本さん

普段はシャツをあまり着ないという根本さんだが、ルチェンコはシャツの品ぞろえが豊富で「挑戦したくなった」と入店前に話していた。いくつかチェックして試着したのは90’s アルマーニ コレツィオーニのストライプシャツ。

「ドレスシャツですが、ラフに着てほしいというのがルチェンコの提案です。アルマーニのシャツはパターンや縫製がとても上質で、着たときに気持ちよく体になじみます」(楠原)「“雑”に着てもカッコいいシャツですね! 価格も16,500円と買いやすい」(根本)。

アーカイブのドレスシャツはヨーロッパから、アメリカからはヴィンテージのオープンカラーシャツを中心にピックアップする。アーカイブの中でもジョルジオ アルマーニはルチェンコが力を入れているブランドだ。


アメリカンヴィンテージに惹かれて

チェックのブルゾンを手に取る根本さん

楠原さんがアメリカのヴィンテージシャツについて解説してくれた後にラックを見進めると、根本さんはチェック柄のブルゾンに目を留めた。すかさず楠原さんが「それは60’sのヴィンテージでリバーシブルなんです。レーヨンだと高額になりますが、コットンポリエステル素材なので価格も3万円台です」と説明。

チェックのブルゾンを試着する根本さん

試着してサイズ感に感動する根本さん。「今っぽいですね! 短丈のアウターは持っていないので、これ一着あったら便利」(根本)「今はいているような太めのパンツに合いますよね。ビッグ×ワイドはもうお腹いっぱいだから、ワイドパンツならトップスはジャストのほうが気持ちいい」(楠原)。


リバーシブルのブルゾンを裏返して着てみる根本さん

ネイビーの無地面はまた違った表情で「しゃれてますね!」(根本)。楠原さんは「このブルゾンはちょっとヨーロッパ古着のような雰囲気があります。ルチェンコはアメリカで買い付けをしていますが、“ザ・アメリカ”なアイテムは選びません」と商品選びのポイントを語る。

「単色とチェックって使い勝手が違うし、気分によって替えらえるからこのリバーシブル、最高です」(根本)「リバーシブルはお得感が強いので、皆さん『半額』といって喜んで買われていきます」(楠原)。

使いやすそうなチェック柄パンツを発見

チェック柄のパンツを手に取る根本さん

アウターやトップスが目立つ商品構成のところどころにパンツが差し込まれている。

「僕たち、パンツは新品が好きで、セレクトで専業ブランドなどを仕入れていることもあり、古着のパンツは少なめです。ただヨーロッパ製の古着スラックスはつくりがいいものが多く、ヒップまわりのシルエットがきれいに出るものを中心に買い付けています」(楠原)。

根本さんは何本かディテールやシルエットを見比べた後、気になる一本を試着することに。


ダークチェックのパンツを試着する根本さん

ダークチェックのパンツを試着し、ラックから合いそうなオープンカラーシャツをピックアップしてコーディネート。

「このシャツ、フェード感があって雰囲気がいい」(根本)「40’sのヴィンテージレーヨンシャツです。僕も深沢も体が大きいので、ヴィンテージもリアルクローズとして自分たちが着られるサイズで選んでいます」(楠原)「普段テーパードははかないんですが、このスラックスはワンクッション入るレングスもよくて今の気分に合います。一見無地のようなチェック柄も使いやすそう」(根本)。

ユーモラスなグラフィックTも豊富

グラフィックTのラックを見ている根本さん

ヴィンテージシャツについて楠原さんにレクチャーを受けた後は、根本さんが夏に欲しいアイテムのひとつでもあるグラフィックTシャツのラックへ。「アクセントになるようなちょっと変わったグラフィックが欲しい」と入店前に話していた。


馬が描かれたTシャツを手に取る根本さん

「馬のグラフィック、いいです。馬、好きです」(根本)「グラフィックTはオーナーの深沢が直感で選んでいますが、アメリカでは馬と牛のグラフィックTが意外と多くて、よく見つかります」(楠原)「色がきれいなイラストTはインナーとしても使いやすいですよね」(根本)。

ボーダーTシャツを試着する根本さん

グラフィックTを物色した後、目ざとくボーダーTシャツを発見。「夏はこのぐらいパキッとした色が着たいです」(根本)「ボーダーTシャツはもっとバリエーションがありましたが、売れてしまって...」(楠原)。その人気ぶりが伝わる。


新品とデッドストック眼鏡をチェック

新品のショーツを手に取る根本さん

ルチェンコではバイヤー界隈で注目を集める「オイラ(oira)」「アドヴェント(Advent)」「kiivu(キフ)」など気鋭の日本ブランドの新品も扱う。一部オリジナルも手がけ、この夏、根本さんが狙っている“ハンパ丈ショーツ”に近いものが、スラックスショーツとしてリリースされていた。

「古着でも新品でも見つからない“自分たちが着たい服”はつくろうということで、ショーツを出しました。ドレッシーなストライプ生地ですが、ウエストはゴム入りでイージーにはけます。シルエットが少し変わっていたり、ベルトループやタック、裾幅など細部にこだわっています」(楠原)。

根本さんも古着とのコーディネートを想像しながら興味津々。

サングラスを試着する根本さん

最後はデッドストックのフレンチサングラスが並ぶショーケースへ。楠原さんが根本さんにおすすめの一本を選び、かけてみる。

「ヨーロッパの眼鏡屋の倉庫で1960年代の『selecta(セレクタ)』のデッドストックが大量に見つかり、すべて買い付けました。4種類のフレームがあって、おすすめはこのオーバル形。ほどよく知的なムードで、かけはじめるとクセになります」(楠原)「意外とかけやすくて、今日のような服装にも合うんですね」(根本)。

楠原さんと店内を見て回り、ルチェンコへの理解を深めた根本さんだった。

 

スタイリスト根本さんが
「ルチェンコ」で選んだ古着5選

ハイブランドのアーカイブはもちろん、アメリカンヴィンテージの魅力を知った根本さん。ルチェンコの2本柱がわかる5点を選んでくれた。


1_グラフィックがいいTシャツ

80’s グラフィックTシャツ¥13,200
80’s グラフィックTシャツ¥13,200

ヘインズのビーフィーボディを使用したグラフィックTシャツ。「人物の絵が描かれたTシャツが好きです。夏に涼感を演出できるブルーボディで、1枚でもインナーでも活躍しそう」(根本)。

 

2_パタゴニアのアノラック

90’s パタゴニアのアノラック¥19,800
90’s パタゴニアのアノラック¥19,800

アメカジ古着ファンの間で人気を集めるパタゴニアの隠れた名品。「これは完全に色で選びました。1点投入して映えるアイテム。シェルジャケットやアノラックは意外と好きで、現行では見つからないような色に出合えるのも古着ならでは」(根本)。

 


3_チェックシャツ

60’s~70’sチェックシャツ¥25,300
60’s~70’s チェックシャツ¥25,300

フェード感強めのヴィンテージシャツ。「70’sスタイルの襟の形で、どこかトラッドなグリーンのミニチェックという組み合わせは、ありそうでない感じがしました。グリーンも好きな色で、つい反応してしまいます」(根本)。

 

4_リバーシブルブルゾン

60’sリバーシブルブルゾン¥36,300
60’s リバーシブルブルゾン¥36,300

今っぽい短丈で、リバーシブルという使いやすいヴィンテージ。「インナーにTシャツ一枚でもおしゃれに見えるのがいい。ショーツを合わせてストリート寄りに着ても子どもっぽく見えないし。ネイビー無地面とのリバーシブルで気分やコーディネートに合わせて選べるのも高ポイント」(根本)。

 


5_チェック柄スラックス

90’s チェック柄スラックス¥15,400
90’s チェック柄スラックス¥15,400

テーパードスラックスを見直すきっかけになった一本。「裾にかけてゆるやかに細くなるマイルドなテーパードが、しっくりきました。短丈のTシャツを合わせたらバランスがよさそう。“よく見たらチェック柄”というひかえめなチェックは万能だと思います」(根本)。

90’s チェック柄スラックスのポケット部分のアップ

「La VINDA FRANCE」のネームがフロントに付いているがMade in USAという変わりダネ。ブラック、ブルー、グリーン、イエローとコントラストの低い多色使いで、コーディネートする際も色を拾いやすい。


【古着でコーディネート】
ヴィンテージのチェックブルゾンに
新品ワイドデニムで“ルチェンコ”らしく

コーディネートの主役に選んだのは、自身のワードローブにはない短丈のジャケット。ネイビー、グリーン、レッドのミニチェックで、どこかアイビー風の雰囲気も漂うアメリカンヴィンテージという点が根本さんに刺さった。


60’s~70’sリバーシブルブルゾン¥36,300・90’s半袖シャツ¥9,900・新品C.M.P,Yのデニムパンツ¥33,000
60’s~70’s リバーシブルブルゾン¥36,300・90’s 半袖シャツ¥9,900・新品 C.M.P,Yのデニムパンツ¥33,000

いろんな可能性を秘めたアイテムだけに、何通りものコーディネートを試着して見極めた。そして、ベストだと思ったのがこの組み合わせ。

「ボトム選びで一番悩みました。古着のスラックスやオリジナルのショーツも悪くなかったのですが、コンパクトな短丈だからC.M.P,Yの股上の深いワイドシルエットのデニムパンツで“ルチェンコらしく”着るのがベストだなと。インナーはシャドーストライプの半袖シャツを、ラクに着たいと思ったのでタックアウトにしました」(根本)。

インナーは白でクリーンにまとめ、足元には私物のヴァジラ(VAJRA)のレザースリッポン。カジュアルでありながら品のある、モダンなスタイリングが完成した。

 

取材を終えて

ヨーロッパのハイブランドのアーカイブだけでなく、50’s~60’sのアメリカンヴィンテージも豊富にラインナップするルチェンコ。ショップマネージャーの楠原さんとは初対面ながら、そうは思えないほど息が合った。

「今、自分が着たいアーカイブのシャツ類はもちろん、今まで親しんできたアメリカ古着もルチェンコでは大人っぽく着られるものを厳選していて、新鮮な気持ちで見ることができました。通年でレザーアイテムも置いているので、次回は秋冬に向けて気になるレザーを見に来たいと思います。楠原さんはおしゃれの“頼れるやさしい先輩”。古着選びに迷ったら、ぜひ相談してみてほしいです」(根本)。

 

【動画公開中】
共感することの多い20代後半コンビ。
詳細なやりとりは動画をチェック!

オーナーの深沢さんが欧米で頻繁に買い付けを行い、商品の入れ替えサイクルが早いルチェンコ。訪れるタイミングでアメリカ古着寄り、ヨーロッパ古着寄りと商品構成が変わるのも魅力だ。アーカイブ狙いだった根本さんが、ショップマネージャーの楠原さんとの会話を通してアメリカンヴィンテージに目覚めていく! ルチェンコの真骨頂がわかる動画は必見。

SHOP DATA

住所:東京都世田谷区三軒茶屋1-38-8 ステーションプラザロイヤル6F
TEL:03-4363-2981
営業時間:12:00~22:00
定休日:無休
Instagram: https://www.instagram.com/le_chenko/


ルチェンコのロゴ

Photos : Kaho Yanagi
Movie : Yumi Yamasaki
Movie Edit : Yuki Hayashi
Composition & Text : Hisami Kotakemori

小竹森久美

小竹森久美

エディター

「デザイナーINTERVIEW」や「僕らの永久定番ファイル」などファッションテーマを幅広く執筆。

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