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三軒茶屋で、パンツを探しに行く古着屋といえば。スタイリスト目線のジャンルレスなセレクトも人気!【プロが推す東京の古着屋㊴三軒茶屋 PULP VINTAGE(パルプ ヴィンテージ)】

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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載。今回は4月に独立したばかりのスタイリスト竹前悠大さんが、今年引っ越した三軒茶屋界隈で見つけたパルプ ヴィンテージを案内してくれた。奇遇にも前回同様、オーナーはスタイリスト!

 

三軒茶屋 PULP VINTAGE
(パルプ ヴィンテージ)

今回のお店を訪ねたのは...

スタイリスト

竹前悠大 さん

大阪府出身。大阪文化服装学院を卒業後、スタイリスト井田正明さんのアシスタントを4年間務めて独立。新進ブランド、シキヤ(SIKIYA)のルックをはじめ、ファッションメディアを中心に活動の幅を広げている。休日の古着店&洋服屋めぐりは今も変わらず。古着を選ぶポイントは“心が躍るか?”。最近は“古着に見えない”クリーンな古着を買うことが増えた。

【お店の注目ポイント】
組み合わせたときに化学反応が楽しめる
ジャンルに縛られない古着をセレクト

パルプヴィンテージの看板

パルプ ヴィンテージは2021年2月に、三軒茶屋の茶沢通り沿いにオープンした。田園都市線の駅から下北沢方面に向かって徒歩6分ほど。遠くからも「PULP VINTAGE」の四角い看板がよく見えて、わかりやすい。もともとはガレージだった建物を改装した白いロッジ風の外観が目を引く。


海外で “店主好みの古着”を幅広く

古着店パルプヴィンテージ 外観

オーナーの新井ケンタさんは新潟県出身。バンタンデザイン研究所のスタイリスト科を卒業した後アシスタトを経て独立。スタイリストとして活躍する一方、古着好きが高じて若干23歳で地元・上越市に古着店、エトセトラ(etcetera.)をオープンした。4年後に2店舗目としてこのパルプ ヴィンテージ、さらに2023年には上越市にミント ユーズド クロージング(MINT. USED CLOTHING)、2025年にも金沢市にイロ(iro)を出店。現在は4店舗を展開している。

パルプヴィンテージ 内観

4店舗それぞれコンセプトは異なるものの、買い付けはすべて新井さんが担当。年に4回、エリアは企業秘密ながら、海外で古着をピックアップする。特定のジャンルにこだわらず、新井さんが好きなものを軸にアメリカ、ヨーロッパ、そして日本のブランド古着まで幅広くラインナップ。90年代から2000年代がボリュームゾーンだ。

スタイリストという仕事柄、日頃から大量の服を見てきた新井さんが選ぶのは「こんな服、見たことないよね」という少しクセのあるデザインや、「前はよく見たけど最近見ないよね」という時代に取り残されたような服。単体で見るよりもコーディネートしたときに光る古着が多い。素材やシルエットを重視しつつ、マルタン マルジェラやドリス ヴァン ノッテンなど、新井さん好みのブランド古着も並ぶ。


パンツの品ぞろえには自信あり

パルプヴィンテージ 店内のラック

店内は大まかに色で分けて陳列されているが、入口すぐの中央のラックは新井さんの“今の気分”を反映した存在感の強いアイテムを、トップス、アウター、パンツとコーディネートを組んだように並べているのが特徴。シューズ類はスニーカーではなく、ビットローファーやモンクストラップシューズなどの革靴が推し。

左壁側には、黒いアイテムをまとめたラックが存在感を放ち、このあたりにも新井さんのスタイリスト的な視点が垣間見える。

パルプヴィンテージ 店内の壁にかかったアイテム

壁面にはポンチョ風トップス、ヴィンテージシャツ、テーラードジャケット、光沢素材のモッズコートなど多彩なアイテムが並び、パルプ ヴィンテージの“縛りを設けない”姿勢が自然と伝わってくる。スタイリストの竹前さんもパルプ ヴィンテージの、「系統が定まっていない」商品構成に魅力を感じたひとり。


パルプヴィンテージ 店内左奥のラック パンツがたくさんかかっている

アイテムの中でも特に力を入れているのはパンツ。ほかの古着店と比べてもパンツの物量が多く、ジーンズからドレッシーなスラックスまでバリエーションも豊富だ。店奥のレジ手前にはパンツだけのラックもあり、パンツ目当てで訪れる客も多い。ECでもパンツが一番人気だという。

“変化できる楽しさ”が伝わる古着

帽子が纏めて置かれた棚

店右側のクローゼット風の棚には折りたたまれたニットや、キャップ、バッグ、アクセサリー類が並ぶ。シカゴブルズのビーニーとコーチのキャップが同居する “無節操”なセレクトに心が躍る。


チェック柄のジャケットの前の什器に、ジーンズとシューズが置かれている。

パルプ ヴィンテージという店名は、“紙”の原料であるパルプに由来する。店のフィルターを通して選んだ古着を着ることで、「何色にでも変化できる楽しさ」を知ってほしいという思いが込められている。

パルプつながりで、店内には映画『パルプ・フィクション』のポスターをはじめ、新井さんが影響を受けた映画やバンドなどのビジュアルが額装され、カルチャーの香りが漂う。

壁面に飾られたオブジェ。スニーカーの中にドライフラワーが活けられている

木床に絨毯を敷き、机や椅子が置かれた店内は、長居したくなる友人の部屋のような居心地のよさ。天井や壁には、新井さんの友人アーティストによるオブジェも飾られ、スタイリストらしい空間づくりへのこだわりが感じられる。

 

【スタッフはどんな人?】
スタイリストのオーナーに加え
個性豊かなスタッフが接客

オーナーの新井さんは10代からファッション雑誌を読んでスタイリストに興味を持ち、自身のスタイルのお手本としてきた。ストリートカルチャーにも影響を受け、いろいろな要素をミックスできる古着に魅了された。今もいいと思ったものは積極的に取り入れつつ、ハイブランドと古着を掛け合わせたハイブリッドなスタイルをベースに。


オーナーの新井ケンタさん(中央)とスタッフの三輪路偉さん(左)と園田高也さん(右)。
オーナーの新井ケンタさん(中央)とスタッフの三輪路偉さん(右)と園田高也さん(左)。新井さんはロンドン発のブランド、エスカンダーのカシミアニットに、40’sヴィンテージペインターパンツ、ToS(トス)のカウヘアレザーウエスタンブーツを合わせた、こなれ感のあるミクスチャースタイル。三輪さんは90’sジップベストにポロ ラルフ ローレンの古着ニットをレイヤード。古着クロップドパンツにToSのファーサンダルでインパクトを添えている。園田さんはフィル ザ ビルのカーディガンに古着のコーティングジャケット&コーティングジーンズを合わせた、どこかロックミュージシャンのようなムードがクールだ。

三輪さんは大学生になってパルプ ヴィンテージに通ううちに古着に魅せられ、大学を辞めて2年前からスタッフに。園田さんは下北沢の古着店に11年間勤務したキャリアの持ち主。もともと新井さんの友人で、勤め先の閉店を機にパルプ ヴィンテージへ加わった。

店の運営を任せていたマネージャーが退職したタイミングということもあり、最近は新井さん自身も店頭に立つことが増えている。スタイリング提案をどんどんしてくれる新井さんに接客してもらいたいなら、今がチャンス!

カウ柄のシューズ

ちなみにこの日、新井さんと三輪さんが履いていたToS(トス)は日本のシューズブランド。「今いちばん気に入っていて、今シーズンから取り扱いできることになりました! 皆さんにもぜひ知ってほしい」(新井)。

「ToS -Thinking of Shoes-」というブランド名には、日本の靴業界のものづくりの環境を守り、未来へつなげたいという願いが込められている。職人の手仕事による靴は上質で、デザインもモダン。パルプ ヴィンテージで、ぜひチェックを!

 

三軒茶屋 PULP VINTAGE
(パルプ ヴィンテージ)
おすすめ古着5選

“縛りを設けない”といいつつも、新井さんのスタイルやコメントを通して、パルプ ヴィンテージのテイストが自然に見えてくる。力を入れるパンツに加え、新井さんの今のスタイリング提案が伝わる5選がそろった。


1_ポリエステルスラックス

70’sポリエステルスラックス¥18,900
70’s ポリエステルスラックス¥18,900

リーバイスのスタプレなどでおなじみのポリエステル素材のスラックス。「よくあるベーシックカラーではなく、あまり見かけないグリーンのチェック柄でピックアップしました。無名ブランドでもシルエットがきれいなものを厳選しています。イージーケアだから自宅で洗えるし、夏は涼しくて快適です」(新井)。

2_レイヤードパンツ

2000’sレイヤードパンツ¥14,900
2000’s レイヤードパンツ¥14,900

カットソー生地と透ける生地を重ねたイージーにはける一本。「ウィメンズの製品ですが、ウエストがゴムでメンズでもはきやすいデザイン。夏向きだと思って買い付けました。2000年代に流行したようで、メーカーは違っても同じようなものが見つかります」(新井)。


2000’sレイヤードパンツの裾

カットソーとシフォンのような生地の二重構造で、ワイドシルエット。ラクなのにモード感もまとえるのが魅力。パルプ ヴィンテージでは、メンズ、ウィメンズを問わず、新井さんの琴線に触れたものを仕入れている。

3_メゾン マルタン マルジェラ
“ディアナ期”のスウェット

2000’sメゾン マルタン マルジェラのデッドストックプルオーバー¥44,000
2000’s メゾン マルタン マルジェラのデッドストックプルオーバー¥44,000

デザイナーの中でも新井さんが敬愛するマルタン・マルジェラの、リアルな古着加工が施されたスウェット。「1990年代から2000年代初頭にかけて、メゾン マルタン マルジェラのニットやカットソーを手がけたミス・ディアナ(ディアナ・フェレッティ・ヴェローニ)によるスウェット。リアルな古着加工が施されたデッドストックです」(新井)。


2000’sメゾン マルタン マルジェラのデッドストックプルオーバーの背面

袖がカットオフされたような半袖だが始末が美しく、ただカットしただけの古着とは違って、着続けてもホツレなどが出ない仕様がミス・ディアナの製品の特長。アタリや風合いは本物の古着のようで、希少なデッドストック。

4_エスカンダーのチュニック

2000’sエスカンダーのチュニック¥29,900
2000’s エスカンダーのチュニック¥29,900

エスカンダーは、トレンドに左右されず上質な素材を使ったオーバーシルエットで人気のロンドン発ラグジュアリーブランド。「ウィメンズブランドですが、ゆったりとしたサイズ感でメンズでも着られるアイテムが多く、中でもチュニックはシルエットの美しさに定評があります。こういうチュニックにワイドパンツを合わせたスタイルを、パルプ ヴィンテージでは提案しています」(新井)


5_ウィリス&ガイガーのサファリシャツ

90’sウィリス&ガイガーのサファリシャツ¥29,900
90’s ウィリス&ガイガーのサファリシャツ¥29,900

ヴィンテージ好きに響くレジェンド的アウトドアブランド。「“アウトドア界のエルメス”といわれるウィリス&ガイガーのサファリシャツです。ポケットのメッシュや斜めファスナーなど前衛的なディテールが玄人好み。僕も好きで、見つけると仕入れています」(新井)

90’sウィリス&ガイガーのサファリシャツ。ラベルのアップ。

現在はライセンス製品での展開になっているが、もともとは1902年にアメリカで探検家のベン・フィリスによって創業された。90年代の香港製は「クオリティが高く、古着を買い付けるときのひとつの指標になっている」(新井)のだそう。

次回は、スタイリスト竹前さんが気になった
アイテムやコーディネートを紹介!

SHOP DATA

住所:東京都世田谷区太子堂3-22-10前田ビル1F
営業時間:14:00〜21:00 
定休日:無
Instagram:https://www.instagram.com/pulpvintage_tokyo/


パルプヴィンテージの看板。カタカナで「パルプ ヴィンテージ」と書いてある。

Photos:Kaho Yanagi
Composition & Text : Hisami Kotakemori

小竹森久美

小竹森久美

エディター

「デザイナーINTERVIEW」や「僕らの永久定番ファイル」などファッションテーマを幅広く執筆。

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