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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載。今回はスタイリスト根本航輔さんが、最近通う三軒茶屋のハイエンドな古着店ルチェンコを案内してくれた。ドーバー ストリート マーケット ギンザ出身のオーナーが選び抜くヴィンテージとアーカイブのラインナップに心が躍る!
三軒茶屋
LECHENKO(ルチェンコ)
今回のお店を訪ねたのは...
【お店の注目ポイント】
ヴィンテージも買いやすい価格で
リアルクローズとして提案する

ルチェンコは三軒茶屋駅・南口Aを出てすぐ目の前、ミスタードーナツ、コメダ珈琲店が入るビルの6階に昨年9月にオープンした。オーナーはドーバーストリートマーケットギンザで経験を積んだ深沢謙太さん。青山のセレクトショップ・乱痴気セントリューム(2025年8月に閉店)で働いていた楠原誠太さんをショップマネージャーに迎え、ふたりでアメリカ・ヨーロッパへ買い付けに出かけ開業の準備をした。
ルチェンコ(LECHENKO)という店名は、ウクライナ語で「~の子ども(息子)」を意味する「chenko(チェンコ)」にフランス語の男性名詞の定冠詞(英語のtheにあたる)「le(ル)」を付けた造語。少年のような心を忘れず、いつまでもファッションにワクワクしていたいという思いが込められている。

三軒茶屋に出店したのは、駅前ビルの6階という好立地なこの物件に出合ったから。遊んでいたエリアとしてもなじみがあったうえ、70㎡の広さと窓から陽ざしがたっぷりと入る明るい空間に惹かれたそうだ。看板などはなく、ドアにLECHENKOのシールが貼られただけのシンプルな入り口。ドアを開けるとそこには広々とした店内が広がる。
「私服で着たい!」古着を厳選

店内右手の壁一面に並ぶ古着は圧巻だ。ルチェンコでは欧米から「自分たちが好きな古着だけ」を集める。具体的にはアメリカ古着ならオープンカラーシャツのような1950~60年代のヴィンテージ、ヨーロッパ古着はジョルジオ アルマーニ、C.P.カンパニーなどハイブランドの80~90年代のアーカイブといった具合。
商品構成はそのときどきで変わり、取材に訪れた6月下旬はアメリカ古着が多かったが、ヨーロッパ古着が優勢になることもある。商品は約1週間ごとに入れ替わり、訪れるたびに新鮮な気持ちで楽しめる。陳列にアイテム別、色別、ブランド別といったルールはなく、並べたときの「気持ちのいいバランス」を重視する。

夏場はアメリカの古着Tシャツにも力を入れている。「グラフィックTの中から『感覚的にいい』と思ったものだけを厳選しています」と楠原さん。 どこか色気のあるイラストTが多く、アメリカ買い付けでも“ザ・アメカジ”なアイテムは選ばない、ルチェンコならではの視点が光る。
オリジナルの視点もユニーク

アクセサリーをディスプレイするショーケースには、ヨーロッパの倉庫で見つけたフランス「selecta(セレクタ)」の1960年代のデッドストック眼鏡がズラリと並ぶ。最上段にはオリジナルのサングラスも。「僕も深沢もサングラスをよくなくすので、9,900円と『なくしてもすぐまた買えるテンション』でつくりました」(楠原)。オリジナルに対する考え方もユニークだ。
気鋭の日本ブランドの新品も並ぶ

深沢さんも楠原さんもハイファッションに造詣が深く、キャリアの入り口がセレクトショップだったこともあり、ルチェンコでは新品も扱う。店舗の奥がその一角だ。
テーラー出身のデザイナーによる「アドヴェント(Advent)」、広島の山陽染工が立ち上げたアトリエブランド「kiivu(キフ)」、デニムに定評のあるパンツ専業ブランド「C.M.P,Y.」など、まだ広く知られてはいないものの、確かなクオリティとオリジナリティを持つ日本ブランドをピックアップ。

中でも近年バイヤー界隈で熱く語られる「オイラ(oira)」は、デザイナーの髙橋雄飛さんが深沢さんの文化服装学院時代の同級生ということもあり、つながりが深い。ルチェンコでも人気が高く、この日は編地の異なるデザインニットがガラス台に鎮座していた。
空間づくりにもこだわりが

「自分たちの部屋やクローゼットをイメージしています」と楠原さんが語る通り、内装はショップというよりもデザイナーのオフィスやアートギャラリーのような佇まい。レジスペースはカーテンで隠し、壁には大きな絵画、中央にはあえてガラスのダイニングテーブルを置くなど、洗練されていながらリラックスできる空間に仕立てている。
ハイエンドでありながら、古着の価格は「自分たちが気持ちよく買える」設定に。ヴィンテージもリアルクローズとして提案する姿勢も、ルチェンコの強みだ。スタイリストの根本さんも、足を運ぶ中でゼニアのブルゾンを18,000円ほどで見つけ、その価格に感動して虜になった。
【スタッフはどんな人?】
「好き」なものが伝わる
あたたかい接客で人々を魅了
現在はオーナーの深沢さんがバイイングを担当。アメリカとヨーロッパへ足しげく買い付けに出かけ、店頭に出ることは少ない。立ち上げメンバーでもある楠原さんがショップマネージャーとして店を切り盛りする。

28歳の楠原さんは千葉県出身。大学時代から青山のセレクトショップ、乱痴気セントリュームでアルバイトを始め、大学卒業後はそのまま就職。188cmという身長を活かし、モデルとして活動していたこともある。2歳年上のオーナーの深沢さんとは友人を通して知り合い親交を深め、ルチェンコ出店の際に声をかけられた。

楠原さんは深沢さんと同様にハイファッション、テーラリング、アーカイブ、ヴィンテージと好みの幅が広く、自分の“好き”をミックスして着こなす達人。この日も、20歳のときに当時5万円ほどで購入したコンバースの60’sヴィンテージスニーカーをさらりと合わせていた。
好奇心旺盛で知識も豊富。人懐こい笑顔とあたたかみのある接客で、ファンを着実に増やしている。
三軒茶屋 LECHENKO(ルチェンコ)の
おすすめ古着5選
ルチェンコが古着の2本柱とするアメリカンヴィンテージとヨーロッパのハイブランドのアーカイブに、夏の注力アイテム=Tシャツを楠原さんが選んでくれた。
1_ヴィンテージのオープンカラーシャツ

フロントのファスナーが斜めになった独特のデザイン。「王道のレーヨン素材でフロントがファスナー仕様という一枚。この時代のレーヨンは生地感がよくて、このシャツはヨークとボディがブラウンとベージュの配色になっています。オープンカラーシャツは、アメリカンヴィンテージの中でもルチェンコが一番力を入れているアイテムです」(楠原)。
2_アルマーニのシャツ

ジョルジオ アルマーニ系のブランドは積極的にピックアップする。アルマーニ コレツィオーニは、今はなきビジネス向けのライン。グレーのストライプシャツは、タイドアップの着こなしにも合う。
「アルマーニのシャツはパターンも仕立ても秀逸で、ボタンを開けて着たときの襟元の開き具合も絶妙。状態のいいものを通年で買い付けています」(楠原)
3_グラフィックTシャツ

“直感でグッとくる”グラフィックTシャツだけをピックアップ。「ブランドは気にせず、デザインの面白さで選びます。このTシャツは車とバイクが並んでいるイラストがよくて。背面に後ろ姿が描かれているのも気が利いています」(楠原)。

カリフォルニアのバークレーを拠点とする自転車クラブ「グリズリー・ピーク・サイクリスト」が毎年開催するイベント「Grizzly Peak Century」を描いたTシャツ。ナンバープレートに2003とあるので、2003年のものと推定される。イラストのタッチや配色も抜群だ。
4_ ヴィンテージドリズラージャケット

光沢のある生地にチェック裏地がオーセンティック。「ヴィンテージではありますが、新品と合わせやすい佇まいやサイズ感に注目して選びました。デニムではなくスラックスを合わせるような、きれいめのスタイリングがおすすめです」(楠原)。

ヴィンテージ好きにおなじみのヘラクレス(HERCULES)は、アメリカの大手百貨店「シアーズ(Sears)」のプライベートブランド。ギザギザの縁があるタグから60年代頃のものと推定される。
5_C.P.カンパニーのジャケット

リネン素材にコーティングを施したカバーオールスタイルのジャケット。「C.P.カンパニーも僕たちが好きなブランド。いわゆる “ザ・アーカイブ”な一着ではなく、ほかで見ないようなものを集めています」(楠原)。
一見普通のワークジャケット風ながら、独特の生地感やミリタリーのディテールを融合したデザインにC.P.カンパニーらしさが光る。
次回は、スタイリスト根本さんが気になったアイテムやコーディネートを紹介!
SHOP DATA
住所:東京都世田谷区三軒茶屋1-38-8 ステーションプラザロイヤル6F
TEL:03-4363-2981
営業時間:12:00~22:00
定休日:無休
Instagram: https://www.instagram.com/le_chenko/followers/mutualOnly

Photos:Kaho Yanagi
Composition & Text : Hisami Kotakemori
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