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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載。今回はアーティストの衣装や広告分野で活躍するスタイリスト・ミキ トヨカワさんが、友人でもあるスタイリスト・石川 淳さんがオーナーのソルトをレコメンド。そこはまるで、衣裳部屋のような空間だった!
代々木上原 SOLT(ソルト)
今回のお店を訪ねたのは...
【お店の注目ポイント】
今のスタイルに合う“モードブランドの
アーカイブ”をスタイリスト目線で

ソルトは2025年3月10日、代々木上原にオープンした新しい古着店。代々木上原駅の南口2出口から徒歩3分ほど。上原3丁目の交差点際のレオタックスビル4階に位置する。井の頭通に面したガラス面に大きく店名が書かれ、1階には立て看板代わりに「SOLT」と書かれたコーンが置かれている。

階段を上って店内に足を踏み入れると、自然光が注ぐモダンな空間に洋服が整然と陳列され、螺旋階段と赤い絨毯が衣裳部屋のような雰囲気を演出している。入って左手のガラス面側がメンズ、右手の壁側がレディースのコーナー。カットソーやシャツ、ジャケット、ボトム、シューズが一定のリズムで配置され、コーディネートを組んだかのように並ぶ。
仕事のプラスになる仲間が集まる場所に

オーナーはスタイリストの石川 淳さん。そう聞くと洗練された空間構成や、独特のディスプレイも納得できる。石川さんはアーティストの衣装やブランドのルックなどファッション分野を中心に活躍する。
スタイリングに古着を使うことも多く、デザイナーズブランドのアーカイブが古着なら1~2万円の手頃な価格で買えることにも魅力を感じていた。「自分の仕事にもプラスになる古着を集めた店をつくれば、仕事仲間や友人が集まる場所にもなる」と考え、出店を決意。上原で見つけたこの物件は、原宿から近く、デートコースとしても注目のエリアなど、思い描いた条件に合っていた。

ソルトで扱うのはハイブランドもヴィンテージも好きな石川さんが「自分のワードローブと違和感なく合わせられる」古着。国内外のデザイナーブランドのアーカイブを中心に、スポーツやアメカジ系のレギュラー古着、ときにはヴィンテージもピックアップする。年代にはこだわらないそうだが、主力は80年代から2000年代のもの。
衣装的なアイテムとリアルクローズが共存

スタイリストのミキさんは2024年に東京ファッションウィークのショーで、スタイリングを石川さんと共同で担当したことがきっかけで親交を深めた。ソルトのオープン直後に足を運び、スタイリストならではの視点でセレクトされた商品構成に感銘を覚えたという。
「衣装として使いやすい華のあるアイテムと、私服に落とし込みやすいリアルクロージングの両方があります。個人的に好きなアントワープ系のデザイナーが充実していて、裏原系もピックしているのがツボでした」と、ソルトの真髄を語る。

買い付けは石川さんが担当していたが、現在は2名のバイヤーと共同で行っている。また男女7名の店舗スタッフの意見や提案をバイイングに取り入れ、より等身大のアイテムをラインナップできるようにしている。
ちなみにメンズでは最近、カジュアルなスタイルを上品に見せることができるポインテッドトゥシューズ(つま先の尖った革靴)がスタッフの間でブームになり、複数買い付けたというエピソードも。

石川さん自身は90年代のアニエスベーやA.P.C.となど「洒落ているけれど洋服が主張しすぎない」フレンチベーシックが気になっていて、仕事のスタイリングにも使えそうなアイテムを強化しているそうだ。「スタイリストがやる以上、何か面白みのある提案ができれば」と、控えめながらソルトへの思いを語ってくれた。
【スタッフはどんな人?】
シンプルな着こなしの中にセンスが光る
石川さんのアシスタントが店長を兼任
石川さんは大学時代にアメリカに留学したことがきっかけでファッションの道を志したいう経歴の持ち主。帰国後に文化服装学院で学び、卒業後はデザイナーの友人のブランド運営を担当。2018年からスタイリストとして活動を始めた。出店の準備期間に世界一周を敢行してイメージビジュアルを撮影した際、どんな国でも通じる「SALT(ソルト/塩)」を店名に決めたという。

店長を務める植田さんは大阪府出身。大学時代からスケートボードやサーフなど横乗り系カルチャーを通してファッションが好きになり、スタイリストを志して上京した。フリーでアシスタントをしているときに石川さんと出会い、現在は石川さんのアシスタントをしながらソルトの店長を兼任する。師匠のスタイルが好きで、私服やバイイングにも自然と “石川さんテイスト”が反映されてしまうという。
ショップで接客する機会も多い植田さんは、「服好きな20代から地元の年齢層が上の方まで、この立地ならではのお客さんとの出会いが楽しいんですよね。ソルトが尖った靴の提案をしたら、当時のようなピタピタのスリムジーンズ姿で来店される方もいらして。リアルな街のファッションに触発されます」と顔をほころばせた。
代々木上原 SOLT(ソルト)の
おすすめ古着5選
昨年は作品撮りを兼ねてベルリンで買い付けしたこともあって、ハイブランドのアーカイブが豊富なソルト。石川さんが注目しているフレンチベーシックなムードのアイテムや、スタッフの間で話題の「尖ったつま先」のシューズもピックアップしてくれた。ソルトの魅力が伝わる5選はこちら。
1_エンポリオ アルマーニの
バンドカラーシャツ

上質なコットンシルク素材のストライプシャツ。「ノーカラーのストライプ柄で、リゾートムードも併せ持つクリーンなシャツです。比翼仕立てながらスナップボタン留めという、抜け感のあるデザイン。ショーツを合わせてカジュアルに着こなしてほしい」(植田)。

ごく普通のスナップポタンが使われているあたりに、リアルクローズとしての90年代のブランドの立ち位置が垣間見える。羽織りとしても使いやすい。
2_ヘルムート ラングの
タートルカットソー

コットン100%の繊細なタートルネックカットソー。「“引き算の美学”を体現するヘルムート ラングのアーカイブです。コットンですが薄手で上質感があり、シンプルでも着てみるとただのベーシックではない存在感があります」(植田)。

2024年春夏シーズンからピーター・ドゥがクリエイティブ・ディレクターに就任し、アーカイブをオマージュしたコレクションを発表したこともあって、ラング本人期のものは価格が高騰中。90年代のコレクションは、かなり貴重だ。
3_リゾート感のあるストライプショーツ

ポロ ラルフ ローレンを彷彿とさせるショーツはノーブランドのもの。「アイビーやストリート文脈でもスタイリングできますが、ソルトでは“リゾート推し”でストライプショーツをセレクトしています。Tシャツではなくシャツ、足元にはエスパドリーユを合わせて着こなしてほしい」(植田)。
4_Lポケットのフレアスラックス

ヴィンテージに見られるL字型ポケットのスラックス。色みはトレンド感のあるブラウン系カラー。「センタークリース入りで、裾が少しだけフレアになっています。ルメールやアワーレガシーの空気感にも通じる、“きれいすぎずモードすぎない”一本で、合わせやすいと思います」(植田)。
5_ポインテッドトゥシューズ

ドレッシーなポインテッドトゥだが、スリッポンタイプの履きやすいデザインでイタリア製。「ウィリー・チャバリアが提案しているようなチカーノスタイルにもマッチする一足です。ディッキーズに合わせるだけで、“それ風”の着こなしが完成するパワーッシューズ。カジュアルを少しきれいめに見せたいときも重宝します」(植田)。
次回は、スタイリスト ミキさんが
気になったアイテムやコーディネートを紹介!
SHOP DATA
住所:東京都渋谷区上原1-25-7 レオタックスビル4F
営業時間:13:00〜21:00
定休日:水曜日
Instagram:https://www.instagram.com/solt_tokyo

Photos:Kaho Yanagi
Composition & Text : Hisami Kotakemori
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