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毎号様々な読者のライフスタイルや趣味にフォーカスを当て話を聞く連載企画。今月のゲストはインテリアスタイリストの島さん。鎌倉時代の器から台湾の民族衣装、アフリカの遊牧民が使っていたペグまで、世界各国から集められたご自宅の民芸品とフォークアートのコレクションを見せてもらった。
島さん民芸品と
フォークアートのコレクション

「様々な家具や雑貨に触れてきましたが、特に好きなのは日本の古い民芸品や世界のフォークアート。木彫りの熊や、土の風合いが残っている古い陶器のようなものです。自然に囲まれた地域で育ったこともあって、どこか土くさいものが肌に合う気がしていて。デザイナーズ家具もすてきだとは思いますが、簡単には手が届かない価格のものが多い。その点、名もなき家具や手作りの雑貨は、蚤の市やリサイクルショップ、オンラインでも比較的手頃に見つけられます。そういったものに魅力を見出して、自分の家になじむように飾る、その過程に面白さを感じるんです。また、手仕事によるものには、人の想いやぬくもりが、形や質感に自然と宿っている気がします。自宅に人が来てくれたときに『なんか落ち着く』と言ってもらえるのは、きっとフォークアートのおかげですね」
トゥアレグ族が使っていた
テント用ペグ

天井や壁には世界各国から集められた民芸品がインテリアとして吊るされている。作られた時代も地域もまったく異なる中、どこか同じ温度を帯びて見えるあたりに、島さんの審美眼の確かさが表れている。
北アフリカ・サハラ砂漠を拠点とするトゥアレグ族が使っていたテント用ペグ。中心部の模様は家族の紋章。
木製の腰当て

李朝時代の朝鮮で、ミシン職人が使っていたという木製の腰当て。
「尻繋」と呼ばれる馬具

主に古墳時代の日本で使われていた、鞍や荷物が前にずれないよう、馬の尻尾の下にくぐらせて固定するための「尻繋」と呼ばれる馬具。
民芸品やフォークアートには、
人の個性と同じように生まれた土地の
空気が宿っていると思う

「日本の民芸品や世界のフォークアートには、人の個性と同じように、生まれた土地の空気が宿っていると思うんです。例えば長野で手に入れた雷鳥の置物(棚の上/左)は、その土地で育った白樺を削り出していて、羽根の一本一本までとてもリアル。職人気質な日本人の技術の賜物だと感じるような精巧さがあります。また、1930年代にアメリカで作られた熊の陶器(同/中央)からは、都市化や工業化が進んでいた当時にあっても手仕事を貫こうとする、職人の意地やプライドが感じられます。そうしたディテールには、時代や土地の暮らし、美意識が表れていて、魅力を感じずにはいられないんですよね」。
[壁中央]台湾・タイヤル族の男性用装束をリメイクしたもの。[棚の上/右から]妻の実家がある群馬・高崎の名産品、だるま。行きつけのフライフィッシング店のオーナーからもらった、ブラウントラウトの置物。熊の陶器は背中のコブがグリズリーの証。収集しているというファットラヴァ(50~70年代に西ドイツで製造された陶器)。


愛犬のルーちゃんは、観察眼の鋭いジャックラッセルテリア。家族で一番に愛されているのが島さんだそう。

[奥3つ]ファットラヴァ収集家の島さんが特に気に入っているというベイ・ケラミック社の花器。ファットラヴァによく見られる赤やオレンジではなく、珍しいエメラルドグリーンの釉薬と繊細な絵付けが特徴。[手前右]スタッキングして保存できるような形状になっているルーマニアのスープボウル。[同左]アメリカで作られた陶器。島さん曰くあだ名は「コーヒー豆」。

[壁にかけられた布]染色家・柚木沙弥郎氏の生誕100年を記念して2022年に販売されていたオリジナル作品。

[奥のスタンドライト]東南アジアから仕入れたという木製の間接照明。電球部分が壊れてしまい、今はマフラーや洋服をかけるためのラックとして使っている。[サイドテーブル上の陶器]口縁だけに釉薬が施されたウクライナの花器。寒冷地帯の限られた資源の中でも、少しでも美しいものを作りたいという職人の美意識がうかがえる。

[椅子の上]先輩から譲り受けたという北海道・八雲町の名産「毛彫り」の熊。先輩が幼少期に怪獣ごっこをして足が破損してしまい、補修が施されていた。

[右上から反時計回りに]約800年前の鎌倉時代に作られた陶器とファットラヴァの小さな花器。当時使われていた糸がそのまま残っているベルギーの糸巻き。ボコボコとした質感の白い釉薬が珍しいファットラヴァ。オーストラリア・アボリジニのトカゲの置物。
Photos:Akira Yamada Text:Sho Iwata[Sea LLC.]
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