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都内のみならず、撮影で地方を訪れた際にはその土地の銭湯にも足を運ぶなど、さまざまな銭湯を巡るのが好きな豊田。今回は湯空間建築家の今井健太郎さんと、氏がリノベーションを手がけた2つの銭湯を訪ねる。それぞれどのようなコンセプト・思いが込められているのか。
Vol.9 ── 銭湯デザイン
昔から大好きな銭湯。そして、最近興味が出てきたインテリアデザインや建築。美術館や展示を観に行く機会が増えるにつれて、最近は銭湯でも、壁面の絵や照明、空間のつくりに目がいくようになりました。今回は今井健太郎さんと一緒に銭湯を巡り、細部に込められた想いや、今井さんの視点を学ばせていただきました。モダンでいて、でもどこか懐かしさのある銭湯と、今井さんの熱気のようなものに圧倒された時間でした。建築から銭湯を選んでみる。そんな新しい楽しみ方も面白いかもしれません。
銭湯のリノベーションを手がけたのは...
中野温泉天神湯

コート¥97,900/ユハ ニット(キャッシュ アンド バルバ)¥38,500/テクスト パンツ¥49,500/ディフォー
コンセプトは「アノニマス(=作者不詳)」。誰がつくったのかわからない“古きよき銭湯”の型を残しつつ、リノベーションで新しさをプラス。どこまでが昔からあるもので、どこからがリノベーションなのかわからない絶妙なラインをめざした。昔のものと新しいものが混ざり合い、懐かしいのに新鮮。人によって異なる感じ方が生まれるのも魅力。


富士山の絵、魚のモザイクタイル、カニのイラストを配した排水口...これらはすべて、リノベーション前からあったもの。モザイクタイルが水面に映ると、魚が泳いでいるかのように見える。銭湯らしい水色と白の世界に大きな窓から光が降り注ぎ、気持ちのいい空間が広がる。


一方で、タイルやシャワー、照明などは新しいものに入れ替えている。シャワーと照明は、現在生産されている中で一番古いタイプをセレクト。昔ながらの雰囲気を持つタイルは、壁面によって並べ方を少しずつ変えることで、主張しすぎず空間に溶け込む、さりげないデザイン性を加えた。
中野温泉天神湯
住所:中野区中野5の10の10
五色湯

「五色湯」という名前は、江戸時代の「江戸五色不動」にちなむもの。そのうち「白」にあたる目白不動が近辺に祀られ、健康増進や病疫退散のご利益で信仰されてきた。そんな土地の歴史から着想を得て、コンセプトは「現代の湯治場」に。湯につかって体を癒し、元気を取り戻す場所になるようにという思いが込められている。

銭湯内に足を踏み入れた瞬間に目に入るのは、迫力満点の滝のタイル絵。「このタイル絵を生かしたい」というのが、オーナーからのリクエスト。レトロな内装からは想像できないが、実はタイル絵以外はすべてリノベーションしているそう。
ジャケット(ウル)¥181,500/エンケル Tシャツ¥33,000・パーカ¥47,100・パンツ¥37,100(すべてセブンス)/バウ インク

「湯治場」と聞いて想像するのは、暗めの空間に暖かい光が入る古民家や、おばあちゃんの家のような雰囲気。昔ながらのムードを感じられるように、レトロなモザイクタイルやダークな木調をセレクト。

水風呂では滝のタイルと、岩から水が流れ出る仕組みによって、まるで滝を受けているかのような臨場感が楽しめる。

五色の窓から差し込む、明るく柔らかな光。水面に映った光を見ていると、体だけでなく、心も優しくほどけてくるはずだ。
五色湯
住所:豊島区目白5の21の4
Photos:Elaine Lam Hair&Make-up:Yasushi Goto[OLTA] Stylist:Masashi Sho Model:Yudai Toyoda[MEN’S NON-NO model]
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