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第8回 アートにリバイバルはあるのか? #キュレーター髙木遊のアートってサイコー!!

第8回 アートにリバイバルはあるのか? #キュレーター髙木遊のアートってサイコー!!

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キュレーター髙木遊のアートってサイコー!!


アートにリバイバルはあるのか?

ファッションや音楽では2000年代のものが今またトレンドになり、いわゆる「リバイバル」が頻繁に起きています。ドラマでもそうですよね。僕は窪塚洋介さんが好きなんですが、『IWGP』の頃とか、めっちゃカッコいいなと思っています。では、現代アートでリバイバルということは起こるのでしょうか? 僕個人の考えでいえば、答えは「ノー」です。現代アートはまだ歴史が浅く、ファッションなどに比べて大量消費もされないので、一度トレンドが去ってまたやってくるリバイバルということが起こりにくいのだと思います。例えば、作品は美術館に所蔵されると、原則として永遠に生き続けます。さらに、アートはアーティストベースで考えられるもの。アーティストがその時点の世界に、どんなふうに向き合ったかという個人的な回答です。だから構造としてリバイバルはないと考えます。

リバイバルはないと思うんですが、アーティストの存在が再評価されることはままあります。その作品自体は変わらないけれど、世界が解釈を変えたり、作品のどの側面にクローズアップするかで見え方は変わってくる。例えば、戦後の現代美術を牽引(けんいん)した田中敦子さんというアーティストがいます。行為と物質性をテーマにラディカルな作品を作ったアーティストなのですが、今フェミニズムの文脈でも評価されています。作品に新しい文脈を接続して、今までと異なる見せ方をすることを、キュレーターとして仕掛けにいくことももちろんあります。去年、金沢21世紀美術館で『甲冑(かっちゅう)の解剖術―意匠とエンジニアリングの美学』をキュレーションしたのですが、これは「絶えずデザインや機能性がアップデートされていくという意味で、スニーカーは現代の甲冑」という切り口で、歴史的な甲冑とスニーカーを比較する視点を設定して展示しました。

僕個人のことでいえば、リバイバルというよりは好きなものはずっと好きでいるタイプ。近々で話題になった好きな作品といえばやっぱりジブリ! 以前の連載でもお話ししましたが、僕は宮﨑駿監督を最高のアーティストだと思っているんです。この夏公開された『君たちはどう生きるか』ももちろん公開初日に観に行きました。感想は…とても話したいですが、何を語ってもネタバレになってしまいそうなので控えます(笑)。とにかく劇場に足を運んでください! 僕にとって、ジブリの作品は人生そのもの。両親が初めてデートで観た映画が『風の谷のナウシカ』なんですよ。二人が結婚して、僕が生まれて初めて映画館で観た作品が『もののけ姫』。『ハウルの動く城』はデートで行ったなとか、フランスに留学する前に『風立ちぬ』を観たとか、ライフイベントにジブリの思い出が常にあるんです。本当は、自分の子どもと一緒にジブリの作品を映画館で観るという経験がしたかったけど、こればかりは仕方ないですね。

リアルタイムで監督がこういう環境で見てほしいと想定した中で観られるのは、とても幸せなことです。配信などでいつでもどこでも観られる時代ですが、「今ここで見ること」には大きな意味があると思います。誰と、どんな環境で見たかというのは、作品にとってとても重要な要素。だから、リバイバルもいいですが、リアルタイムで見られるものを大切にしてほしい。現代アートは、アーティストが存命なことが多く僕たちと同じ時代を見て、生きています。ぜひ、今しか味わえない作品のあり方を楽しんでほしいです!

 

『君たちはどう生きるか』

©2023 Studio Ghibli

『君たちはどう生きるか』

宮﨑駿監督が、引退宣言を撤回して約10年ぶりに長編アニメーションを監督。公開までほとんどの情報が伏せられていたことも話題になった。全国の劇場にて大ヒット上映中。

 

髙木遊

髙木 遊

1994年、京都府生まれ。東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科修了、ラリュス賞受賞。The 5th Floorキュレーターおよび金沢21世紀美術館アシスタントキュレーター。実践を通して、共感の場としての展覧会のあり方を模索している。

 

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