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服好きたちの私物のなかでも、とくに思い入れの強い「人生のベストバイ」を教えてもらう連載。ひとつには絞りきれないって? なら、3つ教えてください!
人生のベストバイ、3つ教えて!

今回の服好きゲストは、L’ECHOPPEでプレスを務める式部碧斗さん。
1.〈Herve Chapelier〉のボストンバッグ

「コム デ ギャルソンの川久保怜さんをはじめ、著名人が愛用していることでも知られるエルベシャプリエですが、これはアメリカ製で、あのアウトドアプロダクツ社が生産しているもの」

「フランスのブランドですが、90年代に、一部アメリカでつくられていた商品があるんです。フレンチブランドだけどアメリカっぽいとか、そういう掛け合わせに、僕はすごく惹かれるところがあって。なかでもこのボストン型は、『アウトドアプロダクツ』でしか展開されなかったモデル」

「ベルトであったりショルダーパーツであったりも、アウトドアプロダクツ社のパーツが使われています」

「レショップに異動する前はエディフィスにいました。僕のなかでは、そこで得た感覚がファッションの根元にあって、アメリカものは好きですが、ストレートに着るよりちょっと小綺麗に着るとか、そういう心がけもその頃の影響です」

「『アウトドアプロダクツ』シリーズは、よく行く高円寺の古着屋にたまに置いてあったりして。このタグを見つけたら、反射的に買うようにしてます」
2.〈renoma〉のテーラードジャケット

「たしか19歳の頃、『構築的なジャケットがほしいな』とフワッと憧れていて。それで買ったのがこのレノマのジャケットでした」

「クラスのデザイナー・堀切さんがデザインしたものですが、本当は、同じシーズンに出ていたウール地のブレザーを買うつもりだった。でも、隣にあったこのジャケットを見て、すごくファッショナブルだし、これなら挑戦しやすいかも、と思ったんです」

「堀切さんはもちろんオーセンティックなものにもものすごく詳しい方ですが、そうした洋服を、ある種現代的に編集していくのが得意だと感じます。このジャケットはそれが顕著で、シルエット感や、脇下のあたりのシェイプの効き方、ラペルの形、お尻が隠れるほど長い丈など、フレンチらしいデザインに、ウルトラスエードを掛け合わせてある。すごくデザイナーズブランドらしいですよね」

「僕が服を着るときも、ファッションとは別の用途のために作られた洋服にデザイナーズブランドを合わせる、そういうのがすごく好きなのですが、それを1着で表現しているのが、このジャケットだと思います」

「これを機に、こうしたテーラードジャケットをよく着るようになって、いまだに一番好きなカテゴリーと言えます」
3.〈F.LLI Giacometti〉の革靴

「レショップ青山店での初めての買い物が、この靴でした。持っていたコム デ ギャルソンの服をほぼ売って、現金を握りしめて買いに行った、思い出の品」

「当時はまだ革靴をそんなに持ってなくて、レショップやマンホールのインスタを見ながら、『(フラテッリ)ジャコメッティ、格好いいな......』と憧れていました」

「レショップで革靴ブラントというと、レ ユッカスのイメージかもしれません。ただ、割とオーセンティックでクラシカルな見た目のモデルが多くて、僕は当時、もっとファッションしている靴が欲しかった」


「ジャコメッティに関して言うと、当時はかなり多種多様なモデルが置いてありましたが、そのなかでもこれは異様に目立って見えました」

「機能面にも惹かれました。僕は北海道出身で、地元の土地柄に合う革靴を探していたんです。これはエレファントレザーなので水に強く、かつノルヴェジェーゼ製法にヴィブラムソール、と雪道でも問題なく履ける仕様」

「ジェイエムウエストンやクロケット&ジョーンズも好きですが、レユッカスとかジャコメッティは、日本ならではの“ファッションの革靴”だなと感じます。この2ブランドは、僕にとってちょっと特別な存在ですね」

L’ECHOPPE プレス
式部碧斗 さん
2002年生まれ。24年ベイクルーズ入社、EDIFICE勤務を経て、現在、L’ECHOPPEのプレスを担当する。趣味は、洋服と同じくらい好きなアニメを鑑賞すること。
Photos: Shintaro Yoshimatsu Composition&Text: Masahiro Kosaka[CORNELL]
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