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新しい潮流を生み出し続けるファッションデザイナーたち。“トレンド不在”と言われて久しい今、彼らは服づくりとどう向き合っているのか。今回は国内外で注目を集めるHOMMENA デザイナーの加藤大地にに語ってもらった。
BRAND:HOMMENA

クラシックな要素を起点に、自身が経験した感情や幼少期から大切にしているときめきをデザインに落とし込んだコレクションを発表する。
基本を知っているからこそ、
違和感を美しく表現できる
「コレクションを考えるときは、テーラードジャケットやトレンチコートなど“語れる服”をまず中心に置き、そこへ現代的なエッセンスやほんの少しの違和感をちりばめていく感覚でつくっています」。オムナのデザイナー、加藤大地がデザインの出発点にしているのは、ワークウェアやミリタリー、アンティークシャツなど歴史的・文化的背景のある服だ。

「正解だと認識されているルールそのものに疑問を持っていて。正しい要素があるからこそ、ズレたときが美しい。そこを大切にしています」。服づくりはまず言葉で自身の頭の中を整理するプロセスから始めるのだという。「前のシーズンが終わって少し時間を置いて、体や頭をリセットした後に残る感情を書き出すことが多いです。テーマから連想させる単語を連ねたり、ファブリックや部分的なディテールをつくったりして、少しずつ形にしていきます。あと大切な要素はときめき。かわいいものは幼い頃から好きで、そういう感覚は自然とデザインに反映されていると思いますね」

2026年春夏コレクションで掲げたテーマは“Je ne corresponds pas”。フランス語で“私は完全に一致しない”という意味だ。「人とのズレや違いを、誰かに承認してほしい気持ちってあると思うんです。でも最終的には自分で受け入れていく。その感覚を服として表現したいと思いました」。その発想の背景には、フランスで暮らした経験もある。「パリに滞在して数年たった頃、友人から“もうパリジャンだね”って言われたことがあって。言葉も完璧じゃないのにそう言ってもらえたのがすごくうれしくて。フランス人になったわけじゃないけれど、街の一部として受け入れてもらえた感覚があったんです。その気持ちを振り返ったときに、ズレや違いを受け入れることがテーマとして浮かんできました」


ブランドを始めてから、トレンドを起点に服を考えることは少ないという。
「今の流行がこうだから作る、というより、自分が表現したいことを形にすることのほうが多いですね。全国各地のセレクトショップでポップアップショップを行うことがあるのですが、そういった場所でさまざまな世代の方々と接する際に、その手応えを感じました。年代や性別、スタイルもバラバラで。でも皆さん、ファッションに対する熱量がとても高いんですよ。服をただ選ぶだけじゃなくて、ブランドが伝えたいことまで知ったうえで着てくれる人がいる。それが何よりもうれしかったです。トレンドがひとつじゃないからこそ、自分の好きなものを信じて選びやすい時代だと思います。流行りをつくろうとするより、自分が伝えたいことをしっかりと形にする。それが誰かにとっての新しい選択肢になるんじゃないかなと考えています」
Photos:Yudai Emmei Composition&Text:Minori Okajima

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