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今すぐ使えるコーデテクを教えてくれた!N.Y.のスタイリスト、クリストファー・スミスさんWEB限定ロングインタビュー

今すぐ使えるコーデテクを教えてくれた!N.Y.のスタイリスト、クリストファー・スミスさんWEB限定ロングインタビュー

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僕たちにいつも最高にカッコいいファッションを紹介してくれてるスタイリスト。おしゃれを刺激してくれる存在として、また頼れるアニキとしても憧れの的だ。ところで、世界のスタイリストってどんな感じ? どんな一日を過ごしてる? メンズノンノ本誌では、3都市からの濃いレポートを紹介!

メンズノンノウェブでは、本誌に掲載しきれなかったロングインタビューを特別に公開。2回目に登場するのは、モデルからスタイリストへと転身したN.Y.のクリストファー・スミスさん。東京⇆N.Y.の時差を乗り越え、リモート取材を敢行!

ソウル、パリ、N.Y.から、
こだわりのTipsをお届け

3都市スタイリストの、おしゃれの秘密!

SPECIAL LONG INTERVIEW

<クリストファー・スミス>

MN:おはようございます! あ、そちらは夜ですね。

クリストファー(以下C):こんばんは、元気ですか?

MN: メンズノンノの8・9月合併号で、ソウル、パリ、N.Y.のスタイリストさんにご登場いただいた『3都市スタイリストの、おしゃれの秘密!』という企画がありました。そちらで紹介しきれなかったお話をメンズノンノウェブで掲載します。

C: はい、よろしくね!

モデルからスタイリストへ

友人の誘いからキャリアをスタート

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MN: クリストファーさんはもともとモデルとして活躍されていたみたいですね。そこからスタイリストになりたいと思ったきっかけを、まずは教えていただけますか。

C: 服はずっと好きだったよ。僕はニューヨーク出身なんだけど、ある時なんだか喧騒のなかで生きている感じがしてしまって。それでちょっとそういう環境と距離を置いて、一度自分を客観的に見ようと思った時期があるんだ。そうやって街を離れた時に、ふと自分のノートブックを見返したら、服に関するアイデアみたいなものがたくさん書かれていたんだよね。どの服にどのシャツを合わせて、そしてどのパンツを合わせるのか、みたいなことがたくさん書き留めてあるのに気づいたんだ。誰に頼まれたわけでもなくそれをずっと趣味というか、遊びみたいな感じでやってたんだけど。それを見て、“あぁやっぱり自分はこういうことが好きなんだ”と思った。そんな時に友達のカメラマンからスタイリングをしてみない? って撮影に誘われて、それがきっかけになって今につながっているという感じ。

MN: 師匠についてからスタイリストデビューするということが多いと思うんですが、なかなかイレギュラーなパターンでしょうか。

C:ニューヨークはあんまりそんなことなくて、面白そうだと思った人をインスタでスカウトしたり、知人が連れてきた才能がありそうな人をキャスティングということもけっこうあるかな。僕はモデルをやっていたことでクリエイターとの繋がりがあったので、運がよかったのもあると思うけどね。

MN: でもそれはそれで、厳しさがありそうですね…。

C: うん、自分自身の発信力は必要だね。もしニューヨークでスタイリストになりたかったら、まずはテストシュート(編集部注: 作品撮り)してみるのがいいんじゃないかな。年齢とかキャリアとか、自分と同じくらいのレベルの人と。そういう人たちと一緒に伸びていくっていうスタイルがいいんじゃないかって思う。

MN: デビュー前にたくさん自分の作品をストックしておく、というのは東京の場合でも重視されますね。

C: そうだよね。ちなみに僕自身は別に誰かのアシスタントにつくっていうことに対して反対っていうわけじゃなくて、なんならこれから誰かのアシスタントをやってもいいなって思っているくらい(笑)。僕は最初から自分でスタイリングができるチャンスを得たし、モデルという顔を持っていたから、別のアプローチでいろんな現場で経験を積んでいたのはよかったと思っているけど、師匠から弟子へ、みたいなことで継承されていく伝統のようなものを持つのはすごくいいことだとも思っているよ。

MN: よくわかりました。でも、自分次第ではあるけれど他の都市よりもいろんなチャンスがありそうな印象を受けました。

C: うん、そうだと思う。ストリートキャスティングも盛んにしてるから、肩書きがあるわけではない、いわゆる普通の人とプロが知り合うことができるっていうのは、この街のいいところ。だから僕みたいに、違う職業からでもファッション業界に入って、そこからスタイリストに…というのもいいと思うよ。


気になった人には

自分からどんどんコンタクト!

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MN: そうしてクリストファーさんは、今スタイリストして活躍しているわけですが、特にどんな仕事をしているのか紹介していただけますか。

C:ブランドのルックブックとか、広告が中心かな。インスタグラム(@christophersmith)ぜひ見てね(笑)。最近やったなかだと、ステューシーとか、サタデーズNYC、リーバイス®の仕事は印象に残っている。あとはNOAHともずっと仕事しているね。

▲モデルとしてもスタイリストとしても関わってきた「NOAH」。元シュプリームのデザインディレクター、ブレンドン・バベンジン氏が手がけ、N.Y.、ロンドン、日本に店舗を構える。https://noahny.com/


MN: 撮影のプロセスで、大事にしていることはありますか?

C: キャスティングかな。エディターサイドやフォトグラファーから声がかかるっていうことももちろんあるんだけど、僕ら世代だとさっき少し話したみたいに、インスタグラムとかで気になった人に自分をピッチして、っていうことが多い。知り合いじゃなくても、いいなと思った人にコンタクトを取って、“こういう仕事があって、あなたの作品のこういうところが好きなんだけど、一緒にやってみない?”って。特に同世代の子に声かけるっていうのをすごく積極的にやってますね、僕は。

MN:それはなんだかすごく、今っぽい感じがしますね。

C: 僕は日本の雑誌も好きだから、こっちでそういう仕事をやってる人だなってインスタグラムで分かると、すぐにコンタクトを取ったりもしてるよ(笑)。

MN: 今回のメンズノンノの企画で間に入っていただいたコーディネーターさんも、このお仕事以前にインスタでコンタクトを取っていたそうですね。

C: そうそう! そうやって自発的にコンタクトしていくのがスタイル。スタイリストからカメラマンに連絡したり、カメラマンからスタイリストに連絡したり、それは他のスタッフ間でもそうだけど、順番がなくフラットにやってるね、その辺は。

▲2016年にスタートしたブランド「Nothin’Special」
のスタジオを訪ね、デザイナーのクリスさんと話すクリストファーさん。ファッション業界の人とのつながりを大事に!


MN: ちなみに日本の雑誌が好きだと今お話に出ましたが、メンズノンノのこともご存知でしたか?(笑)

C: もちろん! ニューヨークの紀伊国屋書店で売ってるからね。すごくいいよね。

MN: それは嬉しいです! でも日本で買うよりちょっと高めですよね(笑)。

C: そうだよね(笑)。でも4日くらい前にも、メンズノンノ買ったよ!

スタイリストとしての仕事の基本を

疎かにせずにいたい

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MN: ありがとうございます。ちょっと話がそれましたが、仕事する中で一番やりがいを感じるのはどんな点ですか?

C: すごく具体的な話なんだけど、達成感を感じるのは整理整頓がすごくきっちりできた時!

MN: へぇ、整理整頓?

C:撮影がスムーズに進むように、きっちり自分のやるべきことが整えられた時、ってことかな。例えば靴をきれいに並べたり、ちゃんと撮影の順番通りに衣装が並んでいたりとか。当たり前のことだけど、シワのない状態で衣装が美しい状態でモデルに着せられるとか。その自分の作業が全て完璧にできたなっていう時に達成感を感じる。“現場でやるべきことができた”という時に。

MN:結果と同じくらい、撮影前や撮影中の自分のスタイリストとしての基本的なパフォーマンスを重視しているっていう感じですかね。

C: そう! もちろん同時に撮影をしているってこと自体ももちろん楽しいし嬉しいよ。でも目の前の自分の作業がやっぱり肝になるから、その基本的な部分が疎かにならずにしっかりできてると満足!

▲しっかりとスチーマーをかけて!

MN: ではこれまでやった仕事で、いちばんエキサイティングだったことはなんですか?

C: NIKEのエアマックスの広告の撮影があって、それはとても大きな撮影だったから興奮したよ。規模が大きいということだけど、そういう撮影はやっぱり気合が入る。あとは僕自身も愛用しているブランドだし。

MN: 送ってくださったクリストファーさんのクローゼットの写真にも、たくさんNIKEが写っていましたよね。

C: そうそう! あとはみんなにからかわれるくらいSupremeを着ている(笑)。

MN: たしかにSupremeを着たルックもたくさんありました。N.Y.の若い世代に今人気なブランドを他にも教えていただけますか?

C: 「ストレイ ラッツ」かな。けっこう前からアンダーグラウンドでは人気。前はマイアミベースだったんだけど、最近ニューヨークにも波がきている感じ。ストリート系が好きな人におすすめ。

▲この日のニットもSupreme。インナーのTシャツとパンツはユニクロUだ!


自分が持ってない色があれば

とりあえず買ってみる、がマイルール

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MN: やっぱりコロナのことがあって、服の選び方がちょっと変わったと言われていますよね。部屋着にもなるようなリラックスムードなものを着る人が増えたり、仕事がオンラインになってフォーマルな服装をする機会が減ったり。ニューヨークでは今どうですか?

C: うん、こちらでもやっぱり、ダウンタウンのエリアでもドレスダウンしたスタイルが増えているよ。パンツもバギーなものをよく見かける。あとは自転車に乗るとき用のスペックが搭載されたような、ギアっぽいというか、テクニカルな服装に夢中になっている人も多い。

MN:自転車需要自体が増えたっていうことですか?

C: すごい増えてる! コロナ禍がきっかけで自転車に乗り始めた人、本当に多いよ。だからそれに合わせて、そういう人が満足するようなウエアがこれからも充実していくと思う。

MN: なるほど! 行動パターンに合わせておしゃれも変わっていくというわかりやすい例ですね。ちょっと今の質問と重なるかもしれませんが、この夏注目しているファッションも教えてもらえますか?

C: そういうテックウエア以外で言うと、プレッピーに少しキュートな要素が混じったようなスタイルかな。例えば品のあるコーディネートに、ゴールドのネックレスだったりイヤリングだったり、そういうポイントを入れたような。自分が好きなカルチャーでも、そういうスタイルの人たちがいていいなと思っています。バスケットプレーヤーとかスケーターとか、あとヒップホップシーンとか。

MN: ご自身が服を買うときに大事にしていることはありますか?

C: 自分が持ってない色があればとりあえずそれを選ぶと言うこと!

▲この夏はとにかく“色”のアイテムがイチオシ!


MN: 同じような色ばっかり買っちゃう、みたいな人は多いと思うんですが、それは面白いですね。

C: ありがとう! 今着ているものが本当にフィットしているのかをいつも考えてるからかな。ちょっと前の自分の写真とかを見て“なんでこんな細いジーンズをはいてるんだろう”みたいな気持ちになることが多いんだよね(笑)。それで違うアプローチを探る意味でも、つねに違うものを買うようにしているって感じ。

MN: ご自身では、トレンドよりも自分にしっくりくるものを大事にしているってことですかね。

C: 仕事以外ではあまりトレンドをフォローしないようにはしている。偶然好きなものがトレンドだったりすることはあるんだけど、なるべく自分が本当に好きかっていうのを自分に聞いて買うようにしてるよ。

MN: 確かに送っていただいたルック、全部お似合いでした!

C: 嬉しい!

MN: ベーシックなアイテムもありつつ、その中でもパンチの効いたアウターを着ていたり、そのバランスがおしゃれでした。

C: そこはすごく大事だよね。ただ目立つものを着るんじゃなくて、それをどう効かせるか。たとえば、挑戦したいけどちょっと難しいなという色があったら、靴とか帽子とか小物だけ試すところから始めるとか、プレーンな白Tを合わせるとか、そんなふうにちょっとずつ取り入れてみるのがいいんじゃないかな。

▲「とにかく使える、ベスト白T!」というユニクロUのTシャツを使った3コーデ!


日本の雑誌が本当に好き!

スポーツMIXなスタイルを提案してみたい

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MN: すごく具体的なアドバイスをありがとうございます! 他にも送ってもらった写真には、素敵なお店とか、美味しそうなご飯屋さんなどがたくさん写っていて、見ているだけで楽しかったです。コロナが落ち着いたらメンズノンノの読者に是非訪れてほしいというスポットを教えてもらえますか?

C: 僕はダウンタウンに住んでいるんだけど、その中でもウエストビレッジっていうエリアがおすすめ。閑静で、マンハッタンと聞いてイメージする世界とはちょっと違うと思う。すごく昔からある本屋とか、昔ながらの建築がそのまま残っているカフェとか、すごくいい感じ。写真を送った『タイダイナー』も、本当に美味しいよ! スタッフともすごく仲良しだし、おしゃれな人が集まってる。さっきの話じゃないけど、自転車でぐるぐる街を回るといいんじゃないかな。

▲『タイダイナー』のパッタイ。美味しそうすぎる…!https://www.thaidiner.com/

MN: あぁ、楽しそうです! 

C: ブルックリンにある、『フォートグリーンパーク』っていう公園に必ず行ってほしいな。『グリーングレープ』っていう店でサンドウィッチを買ってね!

MN: ファッションだけじゃなくて、ご飯にも詳しいんですね(笑)。

C: ターキーが入ったサンドウィッチが絶品なんだよね。

MN: めちゃくちゃ詳しい(笑)。

C: ファッションスポットで言うと、日本人がやってるヴィンテージショップがおすすめだよ。ウィリアムズパークの『テンフィート シングル』っていうところと、ダンボにある『フロントジェネラルストア』 の二軒。調べてみてね! 僕も来年には日本に行けたらいいけど…。

MN: 日本のファッションに対してはどのようなイメージがありますか?

C: ボタンダウンのシャツ?(笑)

MN: ははは!

C: シャツはさておき(笑)、すごくオーバーサイズのものが多い印象かな、今は。まぁちょっとスケータールックみたいなのって、ニューヨークでもよく見られるんだけど、日本の雑誌をめくっていてもよく見かける気がする。日本の雑誌で撮影したいな。

MN: それは楽しそうです!

C: 日本の雑誌が本当に好きでよく見てるから、ぜひやってみたい。スポーツブランドのMIXスタイルとか提案してみたいな。

MN: クリストファーさんが日本にくるのを楽しみにしてますね!

C: うん、また会いましょう! 今日はありがとう!


クリストファー・スミス/Christopher Smith

ファッション業界でのキャリアスタートはモデルという経歴の持ち主。NOAHやGAP、トム ブラウンでモデルを務めたのち、スタイリストとしてHYPEBAEの撮影に参加。その後、サタデーズNYC、ステューシー、リーバイス®などADを中心に活動中。キャスティングを担当することも。
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HP:www.christsmiths.com
Instagram:@christophersmith

Photos:Omi Tanaka Momoko Ikeda[Seitousha LLC]

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