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ナイキのブルゾン&スラックスコーデに、店主おすすめの“ド派手”レーシング柄シャツが映える!【プロが推す東京の古着屋㊵祐天寺 tonari(トナリ)】

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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載。前回に続き、本記事ではスタイリスト瓜坂拓海さんが祐天寺のトナリを案内する。

祐天寺 tonari(トナリ)

この6月10日に4周年を迎えたトナリ。瓜坂さんは店主とじっくり話すのは今回が初めてということで、提案に耳を傾けながら、自分のテイストとは異なるアイテムも試着。そのセレクトに納得していた。

今回のお店を訪ねたのは...

スタイリスト

瓜坂拓海 さん

島根県生まれ、愛知県育ち。スタイリスト森田晃嘉さんのアシスタントを経て2020年に独立し、現在はファッションメディアからアーティスト、広告まで幅広く活躍。モードから古着まで造詣が深く、リサーチ力の高さにも定評がある。“フェード感のあるアイテム”が気分で、私服はもちろん、スタイリングにも取り入れている。

     

【お店の注目ポイント】
店主のトークに耳を傾け
おすすめ古着も積極的に試着

オーナーの井上さん

祐天寺のトナリは、瓜坂さんがインスタでフォローし、実際に足を運んでみてその商品構成に共感した古着店。ファッション業界で15年間、PR・マーケティングとして活動した井上吉太郎さんがオーナーということで、店づくりからディスプレイまで、その感性がすみずみに行きわたっている。

稲荷社の鳥居の隣にあるからトナリというネーミングはもちろん、要所に和のテイストを取り入れた内装や、鳥居とカラーや素材をリンクさせた外観など、井上さんのセンスが活きる。


今の自分の気分に合う古着を選ぶ

店内に入ってすぐ、ブラウンのジップパーカを見つけた瓜坂さん。

「僕、けっこう感覚で古着を選ぶので、ブランドや年代を気にしないんです。デザインやシルエットが今の気分に合っていればOK。このブラウンのジャージも配色やパイピングが絶妙で、いい意味でイナタさがありますね」(瓜坂)。

「古着を仕入れるにあたり、僕が重視する大前提は着心地とシルエットです。その次にデザインやトレンド感がくる感じで。年代やブランドといった付加価値よりも、単純にモノとしてのよさを優先しています。そこを気に入っていただけたのは、めちゃくちゃうれしい」(井上)。

早くも意気投合したふたり。

試着すると「着心地いいですね。そして思ったよりも軽いです」と瓜坂さん。「これは生地が面白くて、コットン、ポリエステルにレーヨンが入っているんです。そのおかげでなめらかさがあって、着丈も短めだから開けても閉じてもサマになります」と井上さんが応える。

「店は僕のクローゼットに近い存在」と話す井上さんは、一点一点自ら試着して買い付けるので、生地感や着用感もしっかり解説してくれる。


デザインが完成された企業Tの魅力

続いて手にしたのは、白字にロゴグラフィックだけのシンプルなTシャツ。

「白ボディに黒とブルーだけのプリントというのが、単純にかっこいいですね」(瓜坂)「それはいわゆる”企業ロゴT”です。企業ロゴはデザインとして完成度が高いので、よく仕入れています」(井上)。ちなみにDIRECTVはアメリカの衛星放送サービス会社。

左右のラックはアイテムや色別ではなく、井上さんが「視覚的に気持ちいい順」で古着が並べられているが、Tシャツは白ボディと黒ボディが中心。バランスよく、数カ所に配置されている。

「グラフィックのいいTシャツが欲しい」と入店前に話していた瓜坂さんは、井上さんの解説に耳を傾けながらTシャツを吟味する。「Tシャツはレコードのジャケ買いに近い感覚で選んでいます」(井上)「年代や生産背景のようなフィルターをかけていないので、純粋に“いいグラフィック”がそろっていますね」(瓜坂)。


“古着ならでは”のおすすめを試着

“企業T”以外のおすすめアイテムを尋ねると「やはり古着でしか出会わない色や柄モノですね。例えばこのレーシング柄のプリントシャツ。現行のブランドなら二の足を踏んで絶対つくらない“攻めた”グラフィックですが、そこが古着の面白さなんです」と、熱が入る。

「僕も新品だったらこの柄は選ばないですね。クタッとした風合いのある古着だから手に取りたくなる」(瓜坂)。

「こういうレモン×グレーのストライプも、例えばラルフ ローレンではあまり使わないような配色じゃないですか。ちょっとズレたもの、イビツなものを意識的に選んでいます」(井上)。“古着ならでは”談義に花が咲く。


井上さんおすすめの派手なレーシング柄を試着すると「柄のパンチはありますが、トロミのある素材で着やすいですね。コーディネートのアクセントにも使えそう」と、瓜坂さんにも響いた様子。「ベースのチェッカー柄がしっかりときいているところもポイントです」(井上)。

奧の棚にあるキャップのコーナーで、瓜坂さんが気になるものをかぶって、鏡で見え方やサイズ感を確認していると、「キャップもTシャツ同様、ジャケ買いに近いセレクトをしています」(井上)。私服を見てもわかる通り、井上さんにとってもマストなアイテムだから、数も充実している。


店内をコの字型にまわり、反対側のラックへ。ここでもグラフィックTシャツに目が留まる。「アートイベントのTシャツだったと思います」と井上さんが説明すると、「フォント使いとカラーリングがかわいいですね」と瓜坂さんも惚れ惚れ。

パンツはスラックスだけを厳選

ラック中央にはスラックスがまとまって並ぶ。瓜坂さんは好みの色をピックアップ。

「スモーキーなパープルとグレーの中間みたいな色、好みです」(瓜坂)「パンツはスラックスに絞っています。きれいなスラックスとフェード感のあるトップスという組み合わせが好きで、ボトムはトップスを引き立てる存在と捉えているので」(井上)。


試着してみるとサイズもぴったり。

「カラーもいいし、シルエットも生地感もいいです」(瓜坂)「ある程度肉厚で、クリースがきれいに出る2タックのパンツをメインにピックアップしています。腰回りとわたりがゆったりとしたテーパードシルエットはスニーカーとも相性がよく、普段着としても使いやすいんです」(井上)。

「トナリに行けばいい色のスラックスが見つかる」と、顧客の間では評判なのだとか。店内をひとまわりした瓜坂さんは、井上さんの話を聞きながら、トナリに惹かれる理由を改めて実感した様子。

 

スタイリスト 瓜坂拓海さんが
「トナリ」で選んだ古着5選

年代やブランドに縛りはないものの、店主のセンスによって一本筋の通った古着が集まっているトナリ。「いいなと思うアイテムが多くて...」と悩みながらも、回遊中に手に取ったアイテムが並んだ。

1_ブラウン系ジップパーカ

90’s ジップパーカ¥12,800

ブラウン系カラーが大好物の瓜坂さんが、真っ先に目を付けたアイテム。「配色とパイピングに惹かれて手に取り、試着したらシルエットのよさに感動。井上さんも話していた通り、裾のリブの締まり具合もしっかりしていて、ルーマニア製という点もツボでした」(瓜坂)。


_AT&Tの企業ロゴT

1991年 AT&TのTシャツ¥9,800

アメリカの情報通信会社大手、AT&TロゴのバックプリントT。「企業モノは好きでけっこう持っています。無条件にカッコいいと思う白地にブルーの配色。ロゴマークも完成度が高くて、これは買いだと思いました」(瓜坂)。

フロントには「July 4,1991 Salute to the Troops(1991年7月4日 兵士への敬礼)」のプリント入り。7月4日はアメリカの独立記念日だが、1991年は湾岸戦争の帰還兵を讃える祝賀行事が行われた日で、それに合わせてつくられたTシャツと推測される。


3_スーベニアキャップ

年代不明 キャップ¥7,800

アメリカ・フロリダ半島沖にあるバハマの国旗と首都名NASSAU(ナッソー)の刺繍入り。「単純にデザインがよくて直感で選びました。リゾート地として有名なバハマらしい配色で、これをひとつ足すだけで夏っぽさが添えられると思います」(瓜坂)。

4_レーシング柄シャツ

90’s レーシングプリントシャツ¥10,800

試着して魅了された、井上さん推しの”古着ならでは“シャツ。「ちょっとシュプリームっぽいなと思って気になっていたアイテム。レーヨン素材ならではのソフトな着心地で、グラフィックも気がきいています。ハードルが高い総柄シャツですが、ここまで振り切っていれば逆に何にでも合ってしまうと気づかされた一枚」(瓜坂)。


5_『スター・ウォーズ』Tシャツ

2000’s~ 『スター・ウォーズ』Tシャツ¥9,800

マニアックなファンも多い人気キャラ、ダース・ベイダーとストームトルーパーのフォトプリント。「『スター・ウォーズ』マニアではありませんが、フェードした写真の雰囲気と、襟のかすかなダメージ感がちょうどよくて。こんな風合いなら着てみたいと思います」(瓜坂)。


【古着でコーディネート】
派手なプリントシャツをトナリ流
スタイルのアクセントとして主役に

コーディネートの軸に選んだのはレーシングプリントのレーヨンシャツ。「“差し”で使いたい」と試着時に話していた通り、アクセントとして使う、主役にするの2通りの着こなしを提案してくれた。

90’s レーシングプリントシャツ¥10,800・2000’s ナイキのブルゾン¥14,800・2000’s 中に着たTシャツ¥9,800

まずはジャージ&スラックススタイルのアクセントとして使ったパターン。「単体で見ると派手ですが、着ると意外になじむことに気づきました。多色使いは、どんな色でも拾えるのが大きな利点。パンツは柄シャツを落ち着かせるためにブラックを選び、プリントの中から色を拾って、ナイキのブルーのブルゾンを合わせました。こういうインパクトのある柄が、ブルゾンの間からちらっと見えるのがクールなんですよね」(瓜坂)。


こちらはシャツを主役にしたパターン。「ブルゾンのときはタックインで柄の面積を調整しましたが、シャツをメインにするときは、タックアウトで羽織りとして活用します。中のTシャツは無地よりもグラフィックTのほうが、バランスよくまとまりました。黒ベースは重たく見えたので、白ベースのカラフルなグラフィックに。両方のよさが引き立ったと思います」(瓜坂)。

 

取材を終えて

20坪のほどよい広さの店内に、約130点の厳選された古着がゆったりと並ぶトナリ。「大きな古着屋さんで掘り出し物を見つけるのもいいけれど、 “厳選された古着店”ならではの魅力を改めて実感しました。店主の井上さんが実際に試着して買い付けているからこそのセレクトや、ブランドにとらわれずフィーリングでいいと思うものを選ぶ姿勢にも惹かれましたし、価値観が合う古着屋さんでした。初心者の方も見やすいと思うので、ぜひ足を運んでみてください」(瓜坂)。

 

【動画公開中】
店主の姿勢に共鳴する瓜坂さん。
トナリの魅力が詰まった動画は必見!

古着の付加価値に左右されず、モノのよさにフォーカスして“感覚”で選ぶ。店主との会話を通して、トナリに好きな古着が多い理由を改めて理解した瓜坂さん。「自分が選んだモノに共感してくれる」お客さんの存在に感謝する井上さん。スタイルは違えど、“服好き”ふたりの思うところは同じ。トナリの魅力が伝わる動画をお見逃しなく!

SHOP DATA

住所:東京都目黒区祐天寺2-8-1
営業時間:14:00〜20:00
定休日:水曜
Instagram:https://www.instagram.com/tonari.yutenji/


tonari と書かれた店舗のガラス扉

Photos : Kaho Yanagi
Movie : Yumi Yamasaki
Movie Edit : Yuki Hayashi
Composition & Text : Hisami Kotakemori

小竹森久美

小竹森久美

エディター

「デザイナーINTERVIEW」や「僕らの永久定番ファイル」などファッションテーマを幅広く執筆。

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