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都市と自然が滑らかにつながるエナジェティックな街、韓国・ソウル。ランニングブームを牽引し、独自のスタイルで駆け抜ける彼らのパッションと哲学を紹介する。
wherever
ソウルの山と街、人をつなぐ
自由なランナーのための小さなアジト

本気で走りたい人にも、ここは応えてくれる。他のクルーセッションと比べても、韓国トップクラスのハイペースで走ることもあり、記録を伸ばしたいランナーも自然と集まってくる。運がよければ、ギウンさん(先頭)の愛犬ガビが伴走してくれるかも。

ソウルで最も高い北漢山をはじめ、仁王山、北岳山といった雄大な自然に囲まれた街、付岩洞。かつて多くの芸術家や文化人が居を構えた静かな街のメインストリートの一角に、whereverは位置している。
「何か特別な目的があるわけではなく、ただ走ることを純粋に楽しむ人々が自然と集まってきているんです。ラン・セッションに参加するための応募や抽選もありません。意図的にクルーやコミュニティをつくっているというより、誰もが好きなときにふらっと立ち寄れる、すべてのランナーに平等に開かれた場所でありたいんです」と、店主のキム・ギウンさんは語る。

音楽を聴きながらラックを眺める人、コーヒーを片手に座ってのんびり休む人。思い思いの時間が流れる。
「コーヒーを飲みにくる近所の方もいれば、2時間おしゃべりだけして帰る方も。いつの間にかコミュニティができていました」(ギウンさん)
ランニングの後、かたくなった体をヨガでほぐし、近隣のカフェで一杯を嗜むイベント「Run・Yoga・Coffee」、早朝便でソウルから済州島へ飛び、韓国最高峰の漢拏山の頂上まで駆け抜けて、夜にはソウルに戻る弾丸トレイルラン「WTFs in Jeju」など、さまざまなプログラムの運営もしている。
「実は、全部僕がやりたいことをただ企画にしているだけ(笑)。たくさん走ったら筋肉をほぐすヨガが必要だし、地元のカフェと組めば地域活性化にもつながる。僕が面白いと思う体験を、みんなで分かち合っているんです」
whereverが取り扱いを始めたことをきっかけに、韓国で一躍トレンドとなったブランドやアイテムは数知れない。その鋭い審美眼には、熱量の高いコアなファンが信頼を寄せている。

「実際に自分で試し、機能性に納得したものだけを厳選してセレクトしています。作り手自身がアクティビティを愛し、そのメンタリティがプロダクトに宿っているかどうかも重要な点ですね。芯のあるインディペンデントブランドをサポートし、韓国でどこよりも早く紹介してきた自負があります」
ECでの販売が売り上げの大半を占めるのが常識の韓国で、オンラインストアを持たず、あえて対面で話をしながらモノを選ぶ潔さと体験を何より大切にする姿勢も、彼らしい選択だ。
「カスタマーサポートや配送作業に追われるよりも、店に来てくれる一人ひとりに直接説明するほうが、僕にとっては、ずっと本質的なことなんです。ここで扱うのは単なる服ではなく、“装備”。なぜこのアイテムがいいのか、納得して手に取ってもらうから、返品や交換はほとんどありませんし、無理に売ることもありません」
山を媒介に、ランニングや自転車など自然と共に生きる楽しさを体現するギウンさん。whereverは彼に共鳴した人々が自然と集い、訪れる者のライフスタイルが自然と交差する場所だ。
Community File

ショップの開店前と閉店後に行われるランニングセッションWTFsには、誰でも参加可能。事前申し込み不要。水・木曜は11:00〜、金曜は11:00〜・19:30〜、土曜は9:00〜に開催される。ロッカー・シャワー完備。
住所:223, Jahamun-ro, Jongno-gu, Seoul
Instagram:@wherever.run
Photos:Siyoung Song Composition&Text:Moeno Itabashi

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