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編集部が気になる人に会いに行く連載「WEEKEND INTERVIEWS」。第63週は、今年4月にユニバーサルミュージックとのグローバルパートナーシップ契約を結び、メジャーデビューを果たした6人組バンド「Billyrrom(ビリーロム)」が登場。メンバーが紡いだ物語を軸に制作した最新アルバム『P ‘I’CTUS』と現在公演中のツアーについて聞いた。
結成6年で世界へ羽ばたく
友達6人による注目バンド

──まずはじめに、ぜひ自己紹介をお願いします!
Mol ボーカルのMol(モル)です。よろしくお願いします。
Rin ギターのRin(リン)です。
Leno キーボードのLeno(レノ)です。お願いします。
Shunsuke ドラムのShunsuke(シュンスケ)です。
Taiseiwatabiki ベースのTaiseiwatabiki(タイセイワタビキ)です。
Yuta Hara DJのYuta Hara(ユウタ ハラ)です。よろしくお願いします。
──皆さん町田市出身ですが、もともとお友達だったのでしょうか?
Rin 最初、僕がバンドを組もうと大学の音楽サークル仲間のMolと組んだんです。
Shunsuke その後、本格的に音楽活動をすることになって、Rinと中学が一緒だった僕ShunsukeとTaisei(watabiki)が誘われて、バンドの形になって。
Rin そこから共通の友達を介して、LenoとYuta(Hara)を紹介してもらっていまのBillyrromができました。結果、みんなが町田市出身だったという。
──お友達の繋がりで生まれたんですね。バンドメンバーとして「育った街が同じでよかったな」と思うことは?
Taiseiwatabiki 会話のテンポ感はみんな似ていて、ゆっくり喋るし、普段はローテンションな感じで。たしかに、コミュニケーションを取りやりすいし、楽なのかも。
Yuta Hara あと僕たち関係なく、町田の人の独特なバイブスがあるというか。この前、町田市のインタビューに出たときにたくさんの方とお会いするなかで、「あ、この人は町田の人だ」って一発でわかった(笑)。
Mol あれ、何なんだろうね。町田市の人や町田近辺の人の温度感なのかな。
Leno ボケ方、ツッコミ方にも独特なリズムがある気がするな。ぜひ町田に来て確かめてください(笑)。
自分たちのベストを実現するために
“素直でいること”を表現したかった

──この度、メジャーデビュー後、初のアルバム『P‘I’CTUS(ピクタス)』をリリースされます。どのような過程を経て生まれた作品なのでしょうか?
Rin 僕たちは町田の友達だけど、そもそも違う環境で育ってきた人間が集まって一つの作品を作るってなったときに、改めて「どうすればこのバンドが100パーセントの力を発揮できるのだろうか」と考えていたんです。自分たちに合うベストな形をずっと模索していたというか。
Leno 毎回作品を作る前にみんなでブレインストーミングをするのですが、今作では、いまの自分たちはどんな立ち位置にいるのか、今後何をしていきたいか、どうなりたいかを書き出していったんです。それまでみんな無自覚だったと思うんですけど、いろいろなイメージが湧いてきたり、「世の中のこれは嫌だから、じゃあ俺らはこうしていこう」という意見がどんどん出てきたり。そういう自己理解を深めていって、最終的にたどり着いたのが「素直」という言葉で、みんな気持ちが一致しました。
Rin 結成6年間、いろいろな経験を通して学んだことが、結局「素直」に集約されていたと思いました。メンバーは聴いてきた音楽もルーツも違うからこそ、一人一人が自分のやりたいことを、素直に、嘘偽りなく100%作品に反映していくことが、自分たちにとってはベストだとなったんです。
Mol 「素直」というワードが出てきたときに、稲妻に打たれたかのように衝撃を受けて、視界がクリアになりました。確かに思い返してみたら、みんなが素直になれているとき、誰かが誰かをコントロールしようとしてないとき、みんながお互いの自由を願い合えているときに、このバンドは最大火力が出ているなと。
メンバーも制作チームもずっと一緒にいるけど、周りや調和を考えるが故に気持ちを飲み込んだり、思っていても素直に言えなかったりしたときって、なんかつまずいていた気がします。でも、そんな小さいことの積み重ねがあったからこそ、いまここにたどり着けたわけですけど。
──『P‘I’CTUS』は、Rinさんが構想した青年ウィリアムと少年ピクタスが交流する物語に沿って構成されています。すごく興味深い試みです。
Rin 新しい作品をつくる上で何を大事にするか、今後どんなバンドになっていくかを考えながら、みんなと「素直」というテーマを導き出したときに、まずアルバムとしてちゃんと作品をつくりたいと強く思いました。サブスクで一曲一曲聴ける時代に、「アルバムをつくる意味って何だろう」と考えるなかで、やっぱり自分たちは、一枚でちゃんとひとつの作品になっているアルバムを聴いてきたし、それがカッコいいと思っているし、自分たちが歩んできた軌跡をアルバムに集約するなら、物語で表現するしかないなと。
内容や登場人物はもちろん違いますけど、ほぼノンフィクション。自分たちの気持ちや考えていることをそのまま反映して物語を書くことがいちばんかなって。かなり挑戦でもあったけど...。
Taiseiwatabiki Rinがみんなに小説書きたいって言ったとき、純粋にめちゃくちゃワクワクしましたね。自分はケンドリック・ラマーやピンク・フロイドがすごい好きなんですけど、彼らがつくってきた作品のように、楽曲単位じゃなくてアルバムでしか伝えられないメッセージが確実にあると思っているので。
Leno 友達が書く小説を読むのは楽しみだなと思うのと同時に、「本当にこいつ書けんのかな」って思ってて(笑)。
Rin (笑)。
Leno 半信半疑ではあったんですけど、送られてきた小説のプロットを読んだら「意外とちゃんと考えてる」って。
Mol そうだね(笑)。
Leno そこでけっこう食らいましたね。これまで作品をつくるごとにいまのスタンスを作品に投影しようとやっていたんですけど、今回それが物語になったことで、アルバムの流れが見えて、逆に何が足りなくて、何を足せば筋道が立つのかが透明化されました。作曲面ではやりやすかったと同時に、いままでの制作とはちょっと違う刺激的な感じがして面白かったですね。

Shunsuke 個人的には、物語で“写真”をテーマに取り扱うと聞いて、面白そうだなって。僕たちのアーティスト写真の撮影やMVの制作を同世代のチームでやっているのもあって、写真という媒体やクリエイティブに興味や関心があったので、どんな物語が出来上がるのが楽しみでした。あと、先輩方のアーティストが手がけたコンセプトアルバムを聴いて感動したことが何回もあったので、それに挑戦できるという期待感もありましたね。
Mol 自分はRinの創作を横で見ていて、すごく自由を感じました。僕たちはいわゆるバンドマンという枠組みの中にいるし、もちろん音楽で生活していきたいから音楽をいちばん大事にしているけど、もっともっと本質的なところをたどっていくと、別に音楽以外も興味があったらやっていいじゃんみたいな感覚になったというか。伝えたいことがあるなら、音楽以外にどんな手段を取ったって別に自由なんだよなって。
Yuta Hara そうだよね。人に何かを伝える上で、聴覚的にも視覚的にも、作品に対しての理解を深められるのは、すごくいいことだと思いました。『P‘I’CTUS』は、いい曲の詰め合わせというより、アルバムを通してちゃんと聴ける作品をつくりたかった。アルバムを聴いた上で小説を読むことで、一曲一曲にまた違う見え方を持つことができるのは、リスナーやファンの人たちはもちろん、これからBillyrromを知る人たちにとって、とてもいい入り口になるんじゃないかなと思っています。
Rin そうなるといいな。
Yuta Hara 人が本気になってやったものって素敵。普通に、メンバーが死ぬ気で書き上げたものってすごく楽しみですよね。あとあまり関係ないふざけた話かもしれないですけど、今回のアルバムのアレンジをしているときに、Rinが「Yutaが飼っている犬の名前を物語の中で使っていいか?」って確認してきた。「うわ、こういうとこまで拾ってくるんだ」って。
Rin 全然関係なくないよ(笑)。
Mol 全然ふざけてもいないよ。めっちゃいい話じゃん(笑)。
Yuta Hara メンバーが故の寄り添いも感じられて、物語を読むのがすごく楽しみ。ちなみに、僕の愛犬はモコという名前です。
Mol ビション・フリーゼのモコ。かわいい。
──モコちゃん、楽しみです。物語があると、また違った聴き方や楽しみ方ができますね。
Leno 歌詞がRinから共有されるタイミングで、毎回その説明も来るんですけど、「実はこういう意味も含まれてたんだ」と、物語を読むとより一層深みが増すんですよね。物語を落とし込んだ一枚のアルバムにしているけど、物語を抜きにしても曲として成立もしているから、一つ越えたところの楽しみがあるというか。「こんな裏のテーマがあったんだ」「この言葉の使い方にはこういう意味もあったのか」みたいなことを知れるのが楽しいです。
自分、そしてメンバー本来の魅力を
改めて知ることができた制作期間

──『P‘I’CTUS』の楽曲制作において、新しく実践したことや挑戦したことはありましたか?
Mol 最近の曲づくりでは基本的にRinかLenoか僕が、最初のデモのワンコーラスをいくつかつくってきて、みんなに好感触だったものから着手していきます。このアルバムは「素直」というテーマがあり、ギターはギターが考える、ベースはベースが考える、ボーカルはメロディも僕が考えるみたいな感じで、一つのデモに対して全員が介入していくっていうスタイルで進めました。
それぞれが家で考えてきたものをオンラインの打ち合わせに持ち寄って、吟味して、持ち帰っての繰り返しでしたね。トライ&エラーをずっとやって、最終的に全員で「これいいね!」ってなったものを正解とする、という流れでつくっています。
Yuta Hara 「素直」がテーマなので、自分のルーツやいますごく好きな音楽のエッセンスを曲に反映させていきました。パーカッションが入っている音楽が好きで、ブラジルなどのラテン系の音が気分です。DJの役割は楽曲に対してスパイスみたいなノリだと思っていて。家系ラーメンに例えるなら...。
一同 え?
Yuta Hara この曲は硬め、濃いめ、脂多めで、みたいな。
Leno だからイントロは“ねぎチャ”にしたり?
Yuta Hara この曲はこいつが結構主役みたいに出てるから、僕はあえて控えめにして、それを映えさせるようなものを入れようとか、逆にこの曲は主役っぽいやつがいないから、僕が声ネタとかを入れて軸になるものをやろうとか、その曲によりけり、バランスを見て今回はやったっていうか、それもありますし、より今回のアルバムで自分のポジション取りみたいなのが上手くなったような気がします。 っていう感じ。
Leno なるほど。家系の例え、合ってた?(笑)
Rin (笑)。僕たちの曲をいろいろな人に聴いて欲しかったし、街中でもかかってほしいと考えたときに、音楽って自分の部屋でじっくり聴くだけじゃないよなと改めて思って。だから、移動中とか日常の中で曲を聴いてみて、そのときギターはどんなポジションを取っているか、どんな歌詞が合うのかを意識して組み立てていきました。歌詞は電車で書いたり、曲を日常の生活の一部に取り入れてつくっていったのは、けっこう新しい試みでした。

Taiseiwatabiki もちろんメンバーと一緒にベースライン考えることもあったし、自分だけで考えることもあったんですけど、ベーシストとして「いかにシンプルなベースでどんだけかっこよくできるのか」をずっと追求していました。どうやって無駄をそぎ落として、かつどうやってベースラインを聴かせるかみたいなことは、アルバム制作中ずっと頭に置いていましたね。
Mol Lenoと似ていて、自分にないアイデアを持っていて、それを表現できるやつが他にも5人いると思えたことが自分的に大きかった。すごく刺激になったんです。物語に沿ってつくるアルバムだからこそ、一曲一曲に生まれる表情も、僕たちが伝えたいニュアンスも細かく違う。だから、ボーカルレコーディングで必要とされるメンタリティが、収録11曲それぞれで違うんです。
Shunsuke なるほどね。
Mol 例えば、今日めっちゃハッピーだけど、しんみりした曲を歌わないといけないなら、そこに自分を調和させていく作業が必要で。曲に深く入り込んで、僕という人間がその一部になるぐらいのイメージで取り組んだのは初めてでした。自分のこともいっぱい知れた機会だったので、楽しかったです。
Shunsuke 僕は、J-POP をつくることをより洗練させられた感覚がありました。その曲を自分たちが美しいと思いながら、同時に大衆に届かせるというバランスは、すごくいいポイントを狙えたんじゃないかなと感じました。あと、このアルバム制作していく中で、太鼓とシンバルでビートとフレーズを構成するドラムという楽器に対して、無限の可能性を感じたんです。そこからドラマーとしてのスタンスがすごく開けた感覚があって、「あれもできる、これもできる」って、もう次の制作が楽しみになっています。
Mol いいね〜
Leno 自分はBillyrromで主にアレンジを担当することが多かったんですけど、いままで主導権を持つとなると、やっぱり自分のエゴが強く出すぎる部分があったんだなと、今作をつくっていると思うことがあって。各々のパートをそれぞれが考えるようになってから、例えば(Taisei)watabikiが入れてきたベースを聞くと、自分にまったくない観点のベースラインになっているわけです。「watabikiがカッコいいと思って入れたってことは、めちゃくちゃカッコいいんじゃね?」と、各々が思っている“カッコいい”を知ることができたのが刺激になったし、アレンジにおいて勉強になりました。
それに、これがBillyrromの正解であって、アレンジャーとしては、彼らの感性をきれいにまとめ上げるだけでいいんじゃないかと思いました。 みんなのこと、もっと頼っていいんだと思えるようになりました。
Mol ツンデレなんだよな。
Rin あつぅ。言ってくれれば良いのに。
Leno なんか、恥ずかしいですね。
Yuta Hara 素直だなぁ〜。
Rin そこに繋がるんだね(笑)。あと、『P‘I’CTUS』には、僕たちとして改めて“踊る”というキーワードを強く意識しました。

──テーマの「素直」と深く関わっているのでしょうか?
Rin はい。Billyrromはコロナ禍に結成したのもあって、ライヴハウスでも演奏もできないし、ライヴを始められてもステージの前にはアクリル板があって、観客は周りを配慮してそれぞれの楽しみ方をするしかない。自分たちを含めて、みんなが思ったように表現できないタイミングだったと思うんです。だから必然的に、好きな音楽を聴いて自由に“踊る”ということを考えたんです。
“踊る”にはいろいろな意味があって、肉体的に体が踊ることも、精神的に心が踊ることも、その人の素直な反応ですよね。その人にとっての踊り方があるし、ライヴで同じ踊り方なんてしなくていいし、観客みんなが必ずしも一つになる必要はない。みんなが自分らしい踊り方を見つけられたらいいなと思ったし、この6年間ずっと“踊る”ことについて考えてきました。今回のアルバムにもそれを落とし込んでみたいなと。
Mol そうだね。僕たちにとって“踊る”と“素直”はイコールですね。踊ることが素直であることだし、自分を理解することだと思っています。
それぞれの思いがこもった
お気に入りの曲をセレクト!
──バンドとして大切にしている思いも、このアルバムに込めているんですね。どれも大切な曲だと思いますが、個人的に好きな曲を教えてください。

Taiseiwatabiki アルバムのリード曲の「Mirror Ball」がお気に入り。サビのデモをMolがつくってきくれた曲で、レコーディングで弾いたときに「うわっ、これだ」と自分の演奏にフィットする感覚がすごいあって。いろいろなディスコソングを演奏していますが、これまでの楽曲と違って、Lenoの鍵盤と自分のベースがずっとユニゾンしてるような感じなんです。自分的に新しさを感じて、日常的に聴いています。
Yuta Hara 僕は、メジャーファーストシングルとして発表した「Boogie」です。曲をつくるときにけっこう難航して、めっちゃ悩んだ一曲。試行錯誤した結果、個人的にBillyrromとして一番バランスが取れている曲に仕上がったなと。それまでつくった楽曲の中でも、音を足しすぎてないし、必要なものがちゃんとそこにあるというか。
自分たちのルーツにあるディスコなどの、Billyrromなりのサウンド感がちゃんと表現できているんです。みんなが主役ぐらいの感覚もあるけど、均等に主張しているというか。出来上がったときはテンション上がりましたし、いつ聴いても「いい曲だな」と思います。
Rin 僕は「WGMM(わがまま)」です。最初にアルバムのブレストを進める中で、いまの時代のこういうとこが嫌だっていう意見がいっぱい出てきて、もうそれをそのまま入れようと思ったんです。改めてLINEで「いまの時代に対して嫌に思ってることを全部送ってくれ」ってみんなから募集して。そうしたらむちゃくちゃ返ってきた(笑)。
Mol 普段あんなにLINEの返信遅いメンバーが、その時だけ10分以内に全員が返信するみたいな。なんか溜まってたんですかね(笑)。
Rin で、それを結構そのまま歌詞に書きました。こういうのはアルバム曲だからできることだし、ちゃんとサウンドにもリンクさせていい作品として昇華できた実感もあって。よくできたなって(笑)。
Leno Yutaと完全に一緒で「Boogie」です。自分で言うのもおこがましいですけど、何回聴いても完璧だなと思う曲ですね。どこを切り取っても誰かが輝いてる。逆に、この曲を超えるものをつくり続けなきゃいけないのかとプレッシャーに感じちゃうぐらい。自分がBillyrromという存在を知らない人間だとしても、好きになるであろう一曲ですね。
Mol 全曲よくて選べないんですけど...「Bubble」です。僕はもともとサウンドで楽曲を聴く人間でした。それこそ歌はなくてもいいぐらい。でもこの曲で、歌詞、言葉の大切さを改めて感じましたし、最初のデモが上がってきたときのダークダブみたいな雰囲気も自分にハマって。ちょっと暗いんだけど、その先に希望がある感じというか。メンバーとして衝撃を受けました。
Shunsuke 僕は「Letter」ですね。いままでBillyrromのバラードはネオソウル的なアプローチをしつつ、そこにロックを混ぜて面白みを出すみたいなつくり方をしていて、J-POPバラードでありながらもいままでのJ-POPシーンとは違う唯一無二な楽曲でもある。自分で聴いていても気持ちよくて、自分が好きなバラードがつくれたという意味で選びました。

Yuta Hara でも100回ぐらい挫折しかけたんです。ある日、Lenoが日本のバラードを研究してきて、みんなにプレゼンしたんだよね。
Leno 行き詰まって、「うちらじゃ無理じゃね?」ってなったときに、とりあえず僕がいいと思う日本のバラード──売れているバラード、普通に名曲と言われているバラードをいろいろ聴きあさって、最終的に共通点を見つけて。説明が難しいので詳細は省略はするんですけど、その法則をみんなにプレゼンしたら、「そうかもね」みたいになって。それをもとに何時間かかんばったら、ボーカルのメロディラインができて。
Mol メロディラインの取り方の話でね。あの授業、助かったな〜。頭が凝り固まっていたときに、見つけた法則をわかりやすくホワイトボードに書いて説明してくれて。みんなで「あ、本当だ!」みたいな(笑)。
Shunsuke あれはアガったよね。
Leno 名曲ってこういうことか、と。そこで突破口ができました。その法則に則って「Letter」のメロディができました。
──その法則、気になりすぎます。
海外の熱量を感じたアジアツアーから
原点回帰となる国内ツアーへ

──今年は日本だけでなく、中国、インドネシア、タイ、チェコ、ドイツなどのフェスや韓国、香港、台湾などを巡るアジアのワンマンツアーを成功させましたが、そこで新たに得られたものはありましたか?
Shunsuke アジアツアーはすごく盛り上がりました。歓声がハンパなくて。アジアを知れたというのは言い過ぎですけど、いろいろな国の文化を肌で感じましたし、この国のもっと大きな会場でやってみたいという次の道も見えたんです。そこからヨーロッパやアメリカにも意識を広げられて、「じゃあ、あの国はどうなんだろう?」「あそこの人たちはどういう音楽の楽しみ方をするんだろう」という興味や欲が湧き出てきて、すごくエネルギーをもらえました。
Mol いろいろな国や地域を回らせてもらって、もちろんそれぞれ言語も食生活も文化も違うんですけど、共通点が僕の中で見えたツアーだった。「音楽に対して前のめりである」という根本の部分が、どの国に行っても同じに感じて。僕たちが思ったように表現したら、聴きに来ている人は素直に受け取ってくれる。アジア以外にチェコやドイツでもライヴをさせていただいたのですが、そこでもアジアツアーで得た“音楽の力”がずっと生きていましたね。より気負わずに音楽に向き合えるようになりました。
Taiseiwatabiki 二人が言ったように、「こんなに盛り上がるんだ」と、楽しみに来てくれる皆さんの気持ちをすごく感じました。今後バンドが伝えたいことがいっぱい出てくると思うんですけど、まずはお客さんを楽しませて、僕たちも一緒に踊って、そのうえで核となる部分を伝えていけたらいいなと、ツアーが終わって思いました。

──そして、最新アルバムとともに「Billyrrom Live Tour 2026-2027 P‘I’CTUS」がスタートしました。来年3月まで続きますが、どんなツアーにしたいですか?
Leno いままでBillyrromがワンマンツアーをやるときは、その空気感というか、Billyrromのショーをお客さんに提示するっていうことに重きを置いているものが多かったんですけど、今回は小説とアルバムがすごいコンセプチュアルなので、自分たちのその世界観みたいな部分はそこで楽しんでもらえばいいかなと思ってて。今回はもうちょいラフに、かしこまりすぎず、普通にみんな楽しくわちゃわちゃやってるみたいな方の力抜いたライヴがしたいです。
Rin やっぱりテーマが「素直」なので、僕たちは素直にライヴをするし、みんなに対しても素直に接するし、みんなもそれぞれの踊り方で素直に楽しんでくれたらいいなって。
また、今回は国内のライヴハウスを巡るので、原点回帰みたいなツアーになります。いままでたくさんやってきたライヴハウスでまたたくさんステージに立てるのはすごく楽しみですね。ライヴハウスの魅力を前面に出せるパフォーマンスにしたいなと思っています。
Yuta Hara 14の都市を回るのですが、その間も常に変わり続けていくと思うんです。ツアーをやっていく中で、僕たちがより素直になっていくとかもあるだろうし、ライヴをしながら、すでに来てくださったお客さんの感想を、SNSなどを通して受け取れることも楽しみ。「この曲はこういう風に受け取ってくれたんだ」と知れるのは、演奏する側としてはすごくうれしいですから。
メンバーによるメンバーのための
ライヴ衣装にも注目!
──みなさんのライヴやMVの衣装は、どのように決めているんですか?
Mol 曲のテーマをもとにスタイリストさんにお願いすることもあれば、Yutaがスタイリングすることもあります。
Yuta Hara 今回のアルバムの曲だと、「SALTARE」のMVの衣装をスタイリングしました。
Mol 今回のツアーの衣装も彼が担当していて、いまはいろいろなところに買い付け行ってくれたんだよね?
Yuta Hara そうなんです。今回のツアーも「素直」をテーマにしているので、まずメンバーに最近の好みや気分を聞いて、自分なりに噛み砕きつつ、スタイリングに落とし込んでいます。例えば、Rinは音楽のルーツがヒップホップだから、例えばラッパーの誰々がやっているブランドを着せるのがおもしろいんじゃないかとか、それぞれ切り口を考えて、その人に合ったものを提案しています。
Mol 誰よりも一番近い距離にいるから、彼にしか見えてないものもきっとあると思うので、スタイリングしてもらうのはすごく安心ですよね。
──ちなみに、みなさんのいまの気分のファッションは?
Yuta Hara メガネやサングラスはずっと好きですね。ファッションに興味を持ち始めたのもサングラスとか小物類からまずハマって、そこからミュージシャンのファッションを見るようになったのもあって。うまくまとめてちゃんと話したいな。
Mol メンズノンノ読者にかましたれ!(笑)
Yuta Hara ちょっと、やめて...(笑)。スポーティなアイテムとクラシックなアイテムを、他のみんながやってなさそうな自分なりのバランス感を狙って合わせるのが好きですね。
Rin ここ数年で黒が好きになってパーカとかをよく着ていて、ゆったりめなワイドシルエットのパンツを合わせるのが、いまのスタイルです。

Leno 最近山登りを始めて、ゴアテックスのシェルなどのアウトドアアイテムを普段着にも使っていますね。靴はもっぱら防水仕様のティンバーランドのブーツ。昔は派手な色が好きだったけど、いまはアースカラーなど落ち着いた色味が好みです。
Taiseiwatabiki 帽子は好きでよくかぶります。というのも、電車で音楽を聴いているときに人とあまり目が合わないようにしたくて(笑)。あと革靴も好きで、サンダースを愛用しています。
Mol 僕は40年代から70年代ぐらいまでのヴィンテージが好きです。特に数年前まではすごくデカい襟のシャツを着たり、70年代のシルエット感をつくっていたりして。でも最近は、どこか一点にヴィンテージのアイテムを取り入れて、それ以外はカジュアルにして抜くような着こなしが気分。レザージャケットはずっと好きですね。
Yuta Hara スニーカーを履くようにもなったよね。
Mol そうそう。元々レザーシューズしか履かないタイプだったんですけど、最近はスニーカーも気に入っています。
Shunsuke 僕は髪型がこれなんで、もはや服は何でもいいというか...。自分で言うのもあれですけど、何着てもいけるなみたいな感覚です。最近スタイリストさんに三、四パターンぐらい衣装を用意していただくんですけど、どれでも似合う。最近はいろいろ着てみて、その変化を楽しんでいるかもしれないです。「この俺もいいな」「今日はこっちでいくか」って。
一同 カッコいい〜。
──ツアーの衣装を見るのもすごく楽しみです。最後に、メンズノンノ読者にメッセージをお願いします!
Leno 我々Billyrromは、町田という東京では「えー!」と言われがちな街に住んではいるんですけど(笑)。町田にもこんな面白くてカッコいいバンドがいるんだって思ってくれたら、ぜひ遊びに来てほしいです。
Rin 町田のPR!? 確かに、町田はいいところなので来てください(笑)。自分たちがやっている音楽のジャンル感、たとえばディスコやファンクは、もしかしたら読者の皆さんより上の年齢層の方がドンピシャだったりしますが、の若い世代が僕たちの音楽で踊っている姿をもっと見たいと思っています。ツアーでは直接僕たちがいろいろな場所にいい音楽を届け行くので、ぜひ聴きに来てください。
Shunsuke メンズノンノをきっかけにBillyrromに出会ってくれたとしたら、それがまず奇跡的な話だと思うんです。よかったらYouTubeでもサブスクでも聴いていただいて、さらに体力のある人はライブに足を運んでくださったら最高です。何かしらの形でちょっとでも自分たちの音楽に触れてもらえたらうれしいなって思います。
Mol この記事を読んで僕たちの音楽に触れて、少しでも共鳴してくれるところがあればうれしいです。僕たちとしては、それだけを求めて音楽をやってるので、すごく幸せです。
Yuta Hara どうしよう、言っていいのかな...。
Mol え、かまそうとしてる!? とりあえず言ってみよう。
Yuta Hara 俺、変なこと言っちゃうからな。
Shunsuke 一回言ってみて。
Taiseiwatabiki 大丈夫大丈夫。
Yuta Hara 僕たち、見た目で怖がられるんですけど、全裸の状態に服を着てるだけなんですよ。みんなと同じ人間だし、だから普通に会話したいです。見た目の先入観じゃなくて、普通にシンプルに何も怖がらずライヴに来てほしいですっていうのを言いたいんですけど、これをこのまま使うことはできますか?
一同 (笑)。

──素敵なメッセージなので、そのまま掲載させていただきます!
Yuta Hara 見た目の話題ってセンシティブだから、言ってもいいのかなって。
Mol そうだよね、言ってくれてありがとう、Yuta。
Leno よし、Taisei、締めを決めてくれ。
Taiseiwatabiki 難しいな...。飲みに行くくらいの気持ちで、もし時間があればライヴに来てほしいなと。
Leno 最後のメッセージなんだから、「絶対来いよ」って言いなよ。
Taiseiwatabiki 本当にもし時間があれば、でも厳しければ...、もしいいなと思っていただければ...という感じです。
Mol どんどん譲歩してるじゃん。みなさん、ぜひBillyrromのライヴに来てください!
メジャー1stアルバム『P‘I’CTUS』
UNIVERSAL SIGMA
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CD+Blu-ray ¥6,600円
[右から/Yuta Hara]ジャケット(ラングラー)¥38,500/エドウイン・カスタマーサービス パンツ¥69,300/パストルノヴァ サングラス(オークリー) ¥29,810/ルックスオティカジャパン カスタマーサービス アクセサリー/本人私物 靴/スタイリスト私物
[Rin]チェックシャツ(ブラームス)¥53,900/ワンダリズム キャップ(エディー・バウワー)¥4,950/ジョワイユ リング[左手人差し指]¥33,000・[右手人差し指]¥28,400(ともにヨンドシーオムプラス)・[右手薬指](ヨンドシー)27,500/エフ・ディ・シィ・プロダクツ ネックレス(アイブイエックスエルシーディーエム)¥234,300/ユハ 靴/本人私物 その他/スタイリスト私物
[Mol]レザーブルゾン¥13,200/原宿シカゴ原宿店 デニムパンツ(ラングラー)¥35,200/エドウイン・カスタマーサービス アクセサリー/本人私物 靴/スタイリスト私物
[Leno]ジャケット¥129,800/シーピーカンパニー 渋谷店 パンツ(ブラームス)¥50,600/ワンダリズム スニーカー(ホカ®︎)¥38,500/デッカーズジャパン アクセサリー/本人私物
[Taiseiwatabiki]ジャケット¥79,200・パンツ¥46,200(ともにウル)/エンケル タンクトップ(アンセルム)¥17,600/エーエヌシー ストア ブーツ(ブランドストーン)¥36,300/シードコーポレーション アクセサリー/本人私物
[Shunsuke]ブルゾン(ティンバーランド)¥30,800/VFジャパン スニーカー(ミズノスポーツスタイル)¥18,700/ミズノお客様相談センター その他/スタイリスト私物
Photos:Arata Suzuki[go relax E more] Hair & Make-up:Maiko Inomata(TRON) Stylist:Hiroyo Aoki Interview & Text:Hisamoto Chikaraishi[S/T/D/Y]
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