▼ WPの本文 ▼
「こんなに時間がゆっくり進むラブストーリーは、なかなかないと思います」
自身が主演を務める映画『モブ子の恋』について、木戸大聖さんはそう語る。同名漫画を実写化した本作は、スーパーでアルバイトをする二人の大学生が惹かれ合い、心を開いていく様子を、じれったいほど丁寧に描く。
それが“恋”かどうかより、
二人がただ過ごす時間を大切にした
温かい作品

「僕が演じる入江博基と、桜田ひよりさんが演じる田中信子は、どちらも優しくて口ベタ。そんな似た者同士が懸命に会話をして、距離を縮める。二人の関係が“恋”かどうかよりも、もっと大切な何かを描いた作品です」
少ない台詞の中で心の動きを表現した本作。「感情表現がストレートな人を演じることが多かった」という木戸さんの新境地といえる。
「監督に『“好き”が表情に出すぎている』とよく指摘されて(笑)。感情を抑えたり、あえて沈黙したりと“引き算”の演技を意識しました」
二人の繊細な空気をつくるためには、相手役の桜田ひよりさんとの会話も必須だったという。
「『こんなに喋ることは珍しい』と桜田さんに言われるほどお話ししました(笑)。お互いのパーソナリティを知れば知るほど感情移入がしやすいですし、自然体の演技ができますから」
この日も柔らかな口調で現場の雰囲気を和ませてくれた木戸さん。日頃のコミュニケーションで意識していることはあるのだろうか。
「失敗したら、カッコつけず素直に言うことですね。それで笑ってもらえれば、心の距離が縮まるきっかけになると思うんです。ちなみに最近の失敗は、クランクアップの日に現場に忘れ物をしたことです(笑)」
恋愛模様を描くだけでなく、組織における人間関係の難しさや「“何者か”になるとは」という問いにも迫った本作。改めて、その魅力は?
「誰もがモブ(=脇役)ではなく主役だということを教えてくれるところ。カッコつけなくても、自分のままでいてもいい。そして、つらいときは素直に誰かに話せばいい。そんなふうに生きることは難しいけれど、この映画で少しでも後押しすることができたらうれしいです」
ジャケット¥121,000・ベスト¥55,000・カットソー¥39,600・パンツ¥55,000/サブレーションズ 右手中指のリング[上]¥29,700・[下]¥44,000/ガルニ トウキョウ

映画『モブ子の恋』
「モブ」(脇役)という言葉に自身を重ね、別の人が輝く人生を遠くから眺めていた田中信子(桜田ひより)。ある日を境にアルバイトの同僚・入江博基(木戸大聖)に惹かれていき、「人とちゃんと関わりたい」と決意するが─。田村茜による同名漫画を、テレビドラマ『silent』や『海のはじまり』を手がけた風間太樹監督が実写化。全国の劇場にて公開中。
Photo:Rio Watanabe Hair&Make-up:Akihito Hayami[CHUUNi inc.] Stylist:Ayato Tomida[WhiteCo] Interview&Text:Koki Yamanashi

▲ WPの本文 ▲




























