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是枝裕和監督が描く実写映画『ルックバック』(9月11日公開)で鮮烈な印象を残す2人のミューズ・出口夏希と蒔田彩珠。夢に向かってひたむきに努力する少女を演じた2人が自由に旅をするなら? 圧倒的な存在感を放つ彼女たちがまとう、洗練された旅のスタイルスタディ。
出口夏希と蒔田彩珠が
〝もしもの世界〟 で出会うとき
秋のはじめの逃避行

心地よい秋の風を受けて、颯爽と駆け抜ける2人。ルールに縛られない自由なスピリットを宿して、どこまでも。
[右/出口]シックなブルーのコットンシャツに、なめらかなウールを用いたショートパンツを合わせた軽快な装い。
シャツ¥198,000・ショートパンツ¥209,000・スカーフ¥88,000
[左/蒔田]動くたびにフリンジが揺れるショート丈のスエードジャケットに合わせたのは、サンドベージュのデニムパンツ。洗練された印象を与えるトーンオントーンスタイルが完成する。
ジャケット¥1,210,000・パンツ¥176,000[すべて予定価格]/セリーヌ ジャパン
俳優
出口夏希

『舞妓さんちのまかないさん』(23年)以来の是枝監督作品の出演となった出口夏希。今作で印象的だった出来事について語ってくれた。「物語の終盤で京本の部屋に入る場面の撮影は印象に残っています。シーンと静まり返った部屋の場面なんですけど、原作を読んだときに受け取ったイメージでお芝居ができたし、藤野という役にぐーっと入れた感覚がありました。そんなふうに感じられたのは初めてかも。とてもいい経験でした。いい経験といえば、飛び蹴りもそうですね。これがまた難しくて! 次の日、筋肉痛になってしまったんです(笑)」(出口)。
出口がまとったルックはロエベの2026秋冬コレクション。グリーンのハイネックトップスに配した小花柄のアートワークは、ドイツを拠点とするアーティスト、コジマ・フォン・ボニンの作品にインスパイアされたもの。柔らかなコーデュロイ風パンツと合わせて遊び心のある装いに昇華した。
トップス¥200,200・パンツ¥1,028,500/ロエベ ジャパン クライアントサービス

ミニマルなクレージュのドレスに、重厚感のあるダークブラウンのビニールトレンチコートをさらりとはおって。ホルターネックのディテールが、首もとをさりげなく彩り華やかな佇まいに。ストイックな面持ちながらも、モダンなエッセンスをプラスしたレディーなバイカースタイルが完成する。
コート¥408,000・ドレス¥180,000(ともにクレージュ)/エドストローム オフィス ブーツ¥174,900/ジミー チュウ その他/スタイリスト私物
俳優
蒔田彩珠

是枝監督が原作を読んだ際に、「この作品を映画にできるならば、京本役に」と直々にオファーしたのが蒔田だ。これまでも監督作品に出演し、キャリアを積んできた蒔田が今作で印象的だったことは? 「思い出に残っているのは、藤野と遊びに行った帰りの電車のシーン。私が演じた京本はあまりしゃべらないキャラクターなんですけど、その場面は割とセリフがあって、お芝居も楽しかった。みんなで電車に乗ったのも面白かった。あとは、物語終盤の救急車のシーンも。藤野に向けて、結構声を張らなきゃいけない場面で、京本のキャラクター的にどれくらいの声量でいけばいいのか、最初はなかなかつかめなくて。難しかったなという意味でよく覚えています」(蒔田)。
引っ込み思案ながらも、重要な局面ではタフな一面を見せる京本を演じる彼女。そんな彼女の魂に共鳴するような静かなロマンチシズムを宿したクロエのルックに身を包んで。
ジャケット¥513,700・トップス¥212,300[参考価格]・パンツ¥311,300[参考価格]/クロエ カスタマーリレーションズ

ニューヨークを拠点とするデザイナー、エミリー・アダムス・ボーディが手がけるBODEのジャケットとワンピース。世界各地で手に入れた色鮮やかなアンティークのキルトや、サテンなどをパッチワークしたジャケットに刺しゅうを施した。一つ一つ愛情を込めて作られたジャケットの下には、可憐なコットンドレスを合わせてキュートな佇まいに仕上げて。
ジャケット¥298,100・中に着たドレス¥224,400(ともにBODE)/ボーディ トウキョウ
ふたりが猛特訓したこと
今回、実写映画『ルックバック』で若き漫画家・藤野キョウを2人で演じるにあたって、猛特訓したのが“漫画の描き方”だ。
出口「今回はかなり絵を描く練習したよね!」
蒔田「めっちゃ練習したよね。絵をうまく描けるようにする、というよりは、藤野と京本は2人ともずっと絵を描いてきているから、その描き慣れている感じを出すための練習だったと思う」
出口「ひたすら描き続けてた。今はもう描けないと思うけど(笑)」
蒔田「実は私、油絵が好きで自分でも描いたりするんだけど。漫画はまた全然描き方が違うから、手が痛くなったりしたんだよね」
出口「最終的には、ペンだこみたいなのできたよね。物語の後半になると、デジタルで漫画を描くようになるんだけど、あれは革命だったなぁ。アナログだとず〜っと塗り続けていたようなところも、ちょんとクリックしたら全部に色がつくんだよ。すごくない?」
蒔田「本当に! 便利な時代になりました(笑)」

2人で気ままに旅をするなら、モダンなカウガールのような装いで。馬術場でコレクションを発表したステラ マッカートニーのルックをまとえば、心も軽やか。
[右/蒔田]チェック柄のシャツとビビッドなパンツを合わせたスタイリング。
シャツ¥195,800・パンツ¥156,200
[左/出口]デニムとコーデュロイ素材をコンバインしたセットアップ。GOTS認証のオーガニックコットンを使用し、環境にも配慮したサステナブルな1着。
ジャケット¥254,650・パンツ¥156,200/ステラ マッカートニー ジャパン
2人が考える、
もしもの世界とは?
実写映画『ルックバック』で主人公の藤野と京本を演じた2人。劇中の藤野と京本は漫画と出会い、なりたい夢を見つけるが、2人が今なりたいものは?

出口「小さい頃からそうだったんですけど、特になりたいものってないんですよね。今も夢とか全然ないです」
蒔田「そうなの? 私は、小さい頃は犬と忍者になりたかった。今は猫になりたい」
出口「なんで猫なの?」
蒔田「猫と暮らしているんだけど、一緒になって一日中ゴロゴロしてたい」
出口「えー、そういうことでいいんだったら、私はナマケモノになりたい。ナマケモノになってずっと寝てたい」
蒔田「2人ともただ寝てたいだけじゃん(笑)」
出口「ほんとだね。でも、彩珠は趣味がいっぱいあるよね」
蒔田「好きなものは多いかな。編み物とか読書とかバイクとか粘土細工とか」
出口「すごいよね。私はなくて模索中。あ、でもね、夢はまだないけど、もしもの世界を想像することはあるよ」

蒔田「もしもの世界って?」
出口「もしも時間が止まったらとか。私以外はみんな止まってる状態なの」
蒔田「それで何するの?」
出口「人の目を気にせず走り回りたい(笑)」
蒔田「えっ、それだけ!?」
出口「あとは、道路に寝っ転がったりして、お買い物もしたい。もちろん、お金はちゃんと置いておくよ」
蒔田「どれも時間を止めなくてもできそうな気がするけど(笑)」
出口「彩珠はもしもの世界を考えたりすることってある?」
蒔田「あるよ。私の場合、子どもの頃からこの仕事を始めたけど、それって言ってしまえばお母さんの意思だったから、もしお母さんがそうしていなかったらどうなっていたんだろうってことは割とよく考える。自分は何を選んでいたんだろうって」
出口「どうなっていたのかな? 彩珠は落ち着いてしっかりしているところもあるけど、面倒くさがり屋だからね」
蒔田「それは夏希も一緒でしょ」
出口「うん(笑)。だから、気が合うんだろうね」
Models:Natsuki Deguchi Aju Makita Photos:Saki Omi[io] Hair:Koichi Nishimura[VOW-VOW] Make-up:Asami Taguchi[Home Agency] Stylist:Kayo Yoshida Artwork:Lee Izumida Interview&Text:Masayuki Sawada Cooperation:BACKGROUNDS FACTORY ARCHES RENTAL BIKE MEGURO EASE PROPS NOW

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