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『坂道』の重版分がやっと書店に並びました。メンズノンノウェブではスペシャルブログを開設して、数か月に渡って情報をお届けしてきましたが、私もここで『坂道』について書いてみたいと思います。
みなさんもご存知のとおり、メンズノンノの「顔」として、人気と実力をどんどん確かなものにしていった坂口健太郎。彼を主役にした企画も数多く作られました。1年前くらいから、編集会議のたびに「付録に坂口本を付けたらどうか」などの意見が相次ぐようになりました。
付録もいいけど、どうせやるなら増刊や単行本を出してみたい、と私は思うようになりました。ですが今の時代、定期刊行物として私たちが作っているメンズノンノ本誌のほかに本を出す、というのは簡単なことではありません。売れなくては意味がない。売れるためには、ファンの方たちに100%満足していただけるような内容でなければなりません。もちろん坂口本人も納得できなければ、いい本にはならないだろう。
私と副編集長、担当のY崎で、まず写真のテイストや、内容の方向性についてじっくり話し合いました。それと平行して、坂口本人と所属事務所にムック本の刊行についてオファーをしていたのですが、本人もブログで書いていたように、まず彼自身を説得するのが意外に大変でした。「自分にはまだ早い」と。
その気持ちも分かりますし、そんなところが坂口健太郎らしさでもあります。坂口の気持ち、意向、やりたいことなどを丁寧に汲み取ってあげて、それを形にしていこう。
そうして、やっとスタートを切れることになったのが、今年の6月くらい。そのころから俳優の仕事で加速度的に多忙になった坂口のスケジュールを粘り強く待ちながら、担当のY崎が最大限の愛を持ってひとつひとつ、ページを作っていったのです。
真夏の台湾撮影からは、あっという間。もう少しでついに出来上がり、というときに坂口が編集部にやってきて、手書きで「前書き」部分を書いてくれました。そこには私とY崎への感謝のことばもあって、それを見たときには編集者としてこんなに嬉しいことはないな、と感激もひとしおでした。
出来上がった『坂道』は、坂口らしい、そしてメンズノンノらしい本に仕上がったと思うのですが、いかがでしょうか?
台湾の旅をはじめ、ファッションストーリーやアーカイブの写真も魅力的なものだったのではと思いますが、私のおすすめはアンソロジーのページ。穂村弘さんとの短歌を巡るやりとりで、彼の文章に対する新たな才能を発見しましたし、栁 俊太郎との対談での「鈍感。俺がカノジョだったら怒ってるよ」という柳のことばも、かなりおもしろかった。かっこいいだけではない、坂口の内面の魅力がアンソロジーのページには詰まっているのです。
私たち編集部にしか分からない、彼のいろいろな顔。何度も読み返していただきたい特別な本に仕上がったと思います。ぜひ家に連れ帰って、ゆっくりと読んでいただければこんなに嬉しいことはありません。


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