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【パフューマー・エイチ】「香りは、自分と大切な人のために」——調香師リン・ハリスが語るブランドの美学と、焦がした土と光が香る新作『オードパルファン・クレイ』

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ロンドン発のフレグランスブランドPerfumer H(パフューマー・エイチ)から、9月24日(木)にオードパルファン「CLAY(クレイ)」が発売される。

土と太陽の光から着想を得た今作。そのインスピレーションや、ものづくりに込めた哲学について、創業者であり調香師のリン・ハリス氏に話を聞いた。



五感に刻まれた記憶を辿って。
調香師リン・ハリス氏の原風景と
「パフューマー・エイチ」誕生の
物語

リン・ハリス氏 ポートレート

――香りの世界に惹きつけられた、“原点”となる体験について教えてください。

「私の香りの原点は、スコットランドの祖父母の家で過ごした幼少期の記憶にあります。

祖父母は大きな農場を持っていて、野菜を育てたり、ジャムを作ったり、お茶を淹れたり。祖父は大工(カーペンター)だったので、いつも木材を使って小物を手作りしていました。

朝起きると、祖母が作るパンやジャムの香りに、祖父が削る木材の香り、暖炉で薪が燃える香りが重なって、家中に漂っていたんです。自然とともに生きていた、あの温かい暮らしそのものが、私の香り作りの原点になっています。

特に好きだったのは、祖母が毎晩淹れてくれたレッドカラント(赤すぐり)やブラックカラント(黒すぐり)のお茶、そして祖父が扱う木材の香りでしたね」


――その頃から調香師を目指していたのでしょうか?

「いいえ、幼い頃は調香師になろうとは全く考えていませんでした。転機となったのは10代後半、フレグランスショップでのアルバイト。

歴史ある老舗メゾンの名香や、それを選ぶお客さまの優雅な佇まいに触れ、香りが人の感情を揺さぶる力に深く魅了されました。『私もこの美しい世界で生きていきたい』......そう心から思うようになったのが、私のすべての始まりです」



リン・ハリス氏 ポートレート

――これまでのキャリアを経て「パフューマー・エイチ」を立ち上げた背景には、どのような想いがあったのですか?

「『パフューマー・エイチ』を立ち上げる前は、別のブランドの香水を作っていました。ですが、過剰な商品展開やパッケージが溢れる業界のスピードに違和感を抱き、一度立ち止まることにしたんです。調香師として、もっとポジティブで責任ある貢献がしたいと考え、一度仕事を離れて、自分自身を見つめ直すことに。

その後、ロンドンのメリルボーンにある古いレコードショップの跡地に、ラボとショップを開きました。目指したのは、ビジネスの拡大ではなく、目の前のお客様と丁寧に向き合える場所。手吹きガラス作家のマイケル・ルー氏との出会いにも恵まれ、自分の好きを追求する小さなチームから始まったお店が、少しずつ形になっていきました」


リン・ハリス氏 ポートレート

――ブランドを続けていく中で、変わらず大切にしている信念はありますか?

「感性を共有できるアーティストやクリエイターと、妥協なくものづくりを続けること。

創業当初から一緒に歩んできたグラフィックデザイナーや建築家など、お互いの感性に共鳴し合える仲間との経験を、何より大切にしています。

私自身の創作プロセスは、とてもシンプルで芯の通ったものです。だからこそ、感性を共有できるクリエイターたちと一緒にものづくりをすることで、香りにさらなる深みが生まれ、そこから素晴らしい世界観が広がっていくのだと信じています」




モロッコの大地を肌にまとう。
新作オードパルファン「クレイ」

新作フレグランス「CLAY」 ビジュアルイメージ

――――新作「クレイ」のキャンペーンビジュアルは、ジョアン・デ・ソウザ氏と訪れたモロッコのハウズ渓谷やアトラス山脈で撮影されましたね。現地で目にした景色や光の中で、特に“これがクレイの香りをそのまま映し出している”と確信した決定的な瞬間はどんな場面でしたか?

「11月下旬にモロッコを訪れ、旅のすべてが『クレイ』の香りそのものでした。訪れたモロッコワルザザードの北側、アトラス山脈の標高の高い地域で、砂漠に近い広大な大自然の中を旅したんです」

新作フレグランス「CLAY」 ビジュアルイメージ

新作フレグランス「CLAY」 ビジュアルイメージ

「そこでは、常に大地の息吹を感じることができました。特に印象に残っているのが、夜明け前の澄んだ光や、夕暮れ時に刻々と移ろう光。モロッコは私にとって本当に特別な場所で、オレンジの花やシダーウッド、ジュニパーなど、素晴らしい香りを放つ植物にも満ちています。

“すべての生命を生み出す源である『大地(土)』を表現した『クレイ』。実際にモロッコの大地を目の前にしたとき、自分が表現したかった世界が、まさにここにあると改めて感じました」


――「クレイ」の核となる「ベイクド・クレイ・アコード」は、具体的にどのような香りなのでしょうか?

「私にとって大地は、本当にかけがえのない存在です。私が香りを創作するために使っている素晴らしい素材のすべてを、大地が育んでくれている。『クレイ』はまさに大地そのものを象徴する香りであり、このフレグランスを通してその恵みを讃えたいと考えました。そのために生み出したのが、主に4つの要素で構成された『ベイクド・クレイ・アコード』です」

新作フレグランス「CLAY」 ビジュアルイメージ

新作フレグランス「CLAY」 ビジュアルイメージ

「まず、焦がした木のニュアンスを表現し、アコード全体の揺るぎない土台となるのがサンダルウッド。そして、クレイ特有のミネラル感を表現しながら、空気をまとったような軽やかさを加えるのがアンブロキサンです。

さらに重要なのが、ごく微量だけ加えたマルトール。アコードにパッと火を灯すような役割を果たし、奥行きや質感を生み出すと同時に、クレイがキャラメリゼされたような、ひねりのあるニュアンスをもたらしてくれます」

新作フレグランス「CLAY」 ビジュアルイメージ

「仕上げに、クレイに降り注ぐ太陽の光を表現したオレンジフラワー・アブソリュートを加えました。これは言わば、この香りの”呼吸”のような存在。決して消えることのない光ですね」



新作フレグランス「CLAY」 ビジュアルイメージ

――土の荒々しさや重厚感と、オレンジフラワーやマンダリンの繊細な明るさ。その対照的な要素をひとつの香りにまとめるうえで、意識されたことはありますか?

「私は香りを創るとき、そこに常に“緊張感”を生み出すことを大切にしています。相反する素材同士の間に緊張感があるからこそ、香りに火が灯るように動き出し、美しい広がりが生まれるのです。

『クレイ』では、オレンジフラワーやマンダリンという果実や花の光に対して、サンダルウッドやシダーウッド、マルトールという深みのある要素を対比させました。

“光”と“焦がされ焼き締められた木”。
“太陽”と“大地”。

こうした対極にあるエレメントがひとつの香りの中で共存することで、独自のリズムが生まれます。そのリズムこそが、香りの物語や情景を肌の上に描き出すうえで、とても大切なプロセスなのです」



まずは、自分自身のために。
肌に寄り添い、自由に楽しむ
フレグランス



新作フレグランス「CLAY」 ビジュアルイメージ

新作フレグランス「CLAY」 ビジュアルイメージ

――「クレイ」は、現代を生きる人にどのように寄り添う香りだと考えていますか?

「『クレイ』は肌にまとった瞬間から柔らかくなじみ、使う人自身の肌と一体化していく“スキンフレグランス”のような質感を持っています。実は、20歳になる私の息子に1年間『クレイ』をまとってもらい、その変化を見ていたのですが、今では完全に彼自身の香りのようになっていて、毎日気に入って使ってくれています。

持続性がありながらも主張しすぎず、その人だけの肌の香りへと変化していくことが、この香りの一番の魅力。私はいつも、香りが肌にどうなじむか......ということを最も大切にして調香しています。

日本の人々が持つ“他人の空間を邪魔せず、控えめで繊細に香りを楽しむ文化”にも、『クレイ』は美しく、心地よくなじんでくれるはずです」



新作フレグランス「CLAY」 ビジュアルイメージ

――「クレイ」とレイヤリング(香りの重ね付け)を楽しむなら、パフューマー・エイチのどの香りがおすすめですか?

「『Ink(インク)』、『Rose With Insect(ローズ ウィズ インセクト)』、『Steam(スチーム)』、あるいは『Petitg rain(プチグレン)』......どれも『クレイ』と美しく響き合います。

私が世に送り出すのは、自分自身が心から愛し、ほかの人にもまとってほしいと思える香りだけ。そこには、“香りをどのようにまとうべきか”という、私自身の強い美学があります。

香りは、まず自分自身のためにまとうもの。そして、その香りを感じるのは、自分のすぐ近くにいる大切な人たちだけでいい。

それが私の考える香りのあり方であり、『パフューマー・エイチ』を始めたときから一貫して変わることのない、ものづくりの信念です。その日の気分やシーンに合わせて、自由に楽しんでみてください」





オードパルファン・クレイ



「自然界が持つありのままの美しさを、最も根源的な姿で香りへと写し取った『パフューマー・エイチ』の最新オードパルファン。大地への敬意と、そこに差し込む力強い光を描いた深みのあるアコードを楽しんでいただきたいです」


クレイ 50ml(スプレーボトル)
オードパルファン・クレイ 50mL(スプレーボトル):¥28,600
クレイ 100ml(リフィル)
オードパルファン・クレイ・リフィル 100mL ¥37,840

クレイ ハンドブロンガラスボトルセット
オードパルファン・クレイ オードパルファン&ハンドブロウボトルセット 100mL ¥116,710

焦がしたサンダルウッドなどの温もりがやわらかな甘さをもたらし、アンブロキサンのミネラル感と微量のマルトールが、焼き締められた土のような奥行きを演出。モロッコ産のオレンジフラワーが鮮やかな光と躍動感をプラス。落ち着きのある香調で、寝る前のひとときにもおすすめ。



Perfumer H
CLAY EAU DE PARFUM
2026年9月24日(木)発売


【商品】
Perfumer H オードパルファン・クレイ 50mL(スプレーボトル) ¥28,600
Perfumer H オードパルファン・クレイ・リフィル ¥37,840
Perfumer H オードパルファン・クレイ オードパルファン&ハンドブロウボトルセット(英国のガラス作家マイケル・ルー氏による手吹きガラスボトル展開) ¥116,710

【店舗】
Perfumer H 伊勢丹新宿店
〒160-0022 東京都新宿区新宿3-14-1 伊勢丹新宿店 本館3階 インターナショナルデザイナーズ
03-3352-1111 (大代表)

【公式サイト】
https://www.perfumerh.com/ja-jp
https://www.instagram.com/perfumerhlondon/

問い合わせ先

Perfumer H
03-6692-0253

Photos: João Souza Interview & Text:Maya Kondo

近藤

近藤

メンズノンノウェブ編集

メンズノンノウェブで主にビューティを担当。日本化粧品検定1級を所持。キラキラしたものに目がない。甘いもの・お鮨ラバー。

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