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大学院で研究に没頭していた過去から一転、アーティストとしてのキャリアを切り開いたSkaaiさん。某テレビ番組での鮮烈な登場以降、既存のヒップホップシーンの文脈に寄りかかることなく、自らの立ち位置を更新し続けてきた。その在り方を、彼はこう言葉にする。
ヒップホップは、
古典的な価値観が継続して求められ、
リアルかどうかが重要なポイント

「典型的なラッパー像からは外れていると思っています。だからといって、ヒップホップシーンから拒絶されるいわれもなく、結局は精神性ですよね。ヒップホップは、数ある音楽ジャンルの中でも、特に古典的な価値観が継続して求められ、リアルかどうかが重要なポイント。それで言うと、俺はめっちゃリアルです。貧困やストリートのバックグラウンドはないけれど、それとは別ベクトルの葛藤があり、自分のアイデンティティに悩み、心の深淵を見つめていた時期も長かった。それを経た表現は、ヒップホップの在り方と親和性が高いはずです。もちろん、シーンの中で熟成された独自の魅力は大好きだしカッコいいですが、俺には俺にしか言えないことがある。誰も踏み込んでいない表現で世界を震撼させられるなら、俺はその道を選びます」
同じチームで、
どれだけ成功と失敗を繰り返せるか
トレンドや成功の形が多様化する中で、アーティストの在り方もまた細分化されている。その状況を踏まえたうえで自らの拠点を持つことにひとつの答えを見いだした。
「日本のヒップホップシーンは盛り上がるにつれて、スキル以前にタレント性で判断されがちな側面が大きくなっているように感じます。同時に、ラップ人口が増えたことで成功の形も多様化して、トレンドの移り変わりも早くなった。その結果、キャリアのつくり方や、誰を指標にすればいいのか、見失う時代が来る。だからこそ大事なのは、自分で拠点を築くこと。昨年、自主レーベル『FR WIFI』を立ち上げたのもそのためです。クリエイティブもメッセージもすべて自分たちでコントロールできるし、常に同じチームで動ける。外に委ねてばかりでは、クリエイティビティや経験を蓄積できず、どこかで天井を迎えてしまう。同じチームで、どれだけ成功と失敗を繰り返せるかだと思いますね」

最後に、メンズノンノ読者へ語られたのは、静かでありながら、確かな強度を帯びたメッセージだった。
「毎日の仕事や勉強がキツければやめるのも選択肢のひとつですが、その先を考えて必要があるとわかれば、自然と無理できると思います。そして、何かをめざすとき、自分に才能がないと思っても、たとえクオリティが低くても、楽しいのであれば絶対に続けるべき。続ける人が一番偉くて、その先にしか見えない景色があります。僕なりの優先順位は、楽しいが一番。楽しくないのであれば、目的を探して従うのが二番。今、楽しめてますか?」
Photo:Taku Tsutsui Interview&Text:Riku Ogawa
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