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上白石萌歌「妄想することが、演じることにつながる。カンナはちょっとオタク気質!」【『アキラとあきら』スペシャルインタビュー】

上白石萌歌「妄想することが、演じることにつながる。カンナはちょっとオタク気質!」【『アキラとあきら』スペシャルインタビュー】

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『半沢直樹』や『陸王』など、テレビドラマ化され、時代や年齢を問わず絶大な人気を誇る池井戸潤作品。その中で、己の情熱を信念に従い社会と闘う2人の若者の宿命を描く異色の人間ドラマとして注目を集める『アキラとあきら』が、ついに映画化される! 主人公の山崎瑛と階堂彬に並び、重要なキャラクターが彼らと同じ銀行に入社した新人の水島カンナだ。2人に憧れる新人銀行員であり、彼らの宿命の交差点に居合わせることになったカンナを演じた上白石萌歌さんに、初出演となる池井戸ワールドの魅力を聞いた!


“好き”にまっすぐな女の子を
演じたかった

──本作『アキラとあきら』への出演が決まったときの感想を教えてください。


池井戸潤さんの作品に携わるのは今回初めてですが、ドラマで拝見していた“池井戸ワールド”に憧れがあったので、撮影がすごく楽しみでした。池井戸さんは社会人を描くことが多いので、自分も大人に仲間入りしたんだなって思ってうれしくなりました(笑)。

──融資という関係を通じて銀行と企業の間で起こる頭脳戦に、家族の絆や友情といった人間ドラマが絡む重厚なストーリーが見どころです。物語を読んで何を感じましたか?

私は本を読むことも映画を観ることも好きですが、『アキラとあきら』は自分が通ってこなかった骨太な社会派の人間ドラマです。銀行員として闘う人たちのにらみ合いの温度や滲み出る泥くささ、そこから生まれる信頼や絆など、人間らしい要素が詰まっていて、誰が観ても刺さるお話だと感じました。

──そんな物語で萌歌さんは、竹内涼真さん演じる山崎瑛と横浜流星さん演じる階堂彬が勤める産業中央銀行の新人銀行員の水島カンナ役を務めています。すごく新鮮だったのではないでしょうか?

今までスーツに身を包むことがなく、銀行を舞台にした物語を描かれる池井戸さんの作品で、銀行員を演じることがとても新鮮でした。果たして自分が社会人、そして銀行員をちゃんと演じ切ることができるか不安もありましたが、私も成人して2年がたって、大人としての振る舞いを学んでいく中で、この作品は成長への一歩を踏み出すきっかけになると思いました。

──萌歌さんのスーツ姿、すてきでした。演じるにあたって準備されたことは?

名刺交換をするシーンがあるのですが、私は交換したことがないので、所作を指導していただいて実際にやってみたり、普段の現場で目にする大人たちの名刺交換を思い出してみたり(笑)。所作ひとつとっても、初めてのことが多かったぶん、しっかりつくり込もうと考えていました。撮影に向けて、銀行員に関する本を読んで、銀行員の生活や、組織がどういう部署に分かれ、何をしているかを勉強しました。


──演じていて難しいと感じたところはありましたか?

私はあまり台本に書き込むタイプではないんですけど、今回は専門用語が多く、いろいろな企業も出てくるので、どうしても書かないと整理できない部分もあって。役のキーワードや用語の意味を書き加えたり、このシーンではどことどこの会社がどういう状態なのかなど、観ている人を混乱させないように、私がちゃんと理解しておこうと心がけました。

──キーワードとは、台本からくみ取った役の性格などですか?

妄想が好きなので、役をいただいたときは、彼女は犬派なのか猫派なのか、つむじはどのへんにあるかなどを考えてます(笑)。役を演じるって自分の体を通して出るものしかないので、せめて自分が想像できるところまでしておきたい。変な妄想をたくさんすることも、演じることにつながっているんじゃないかなと思っていて。

──そういう目線で役を捉えるというのは面白いですね。銀行で働く水島カンナを、どういう人物として演じていましたか?

ポスターを見ていただくとわかるように、周りは主に男性ばかりで、劇中でも「女のくせに」というセリフも出るくらい。それでもカンナは立ち向かって、「女じゃなくて、私は産業中央銀行の水島カンナです」と言い返すほど、自分を律しているし、自分を持っている女の子。冷静でスマートでありながら、同時に新人らしい若さと元気のよさ、ちゃめっけをバランスよく演じられたらと考えていましたね。

あと、カンナは自分の思い描く銀行員像を持っていて、瑛や彬という憧れに近づきたい意欲や向上心を胸に、今自分がやるべきことをこなしている。そういう彼女の姿を尊敬しながら、人物像として堅くなりすぎないように、映画を観ている方が、物語の中でふと気を抜ける要素になれるように心がけて演じていました。

──緊張感のあるシーンの後、憧れの瑛に会って喜ぶ姿はかわいかったです! その瞬間、等身大のカンナを見られた気がしました。

銀行員をイメージしたときに、いかにスマートに見せられるかを意識しようとしていたけど、男性が多い物語の中でカンナを魅力的に演じたくて、人間味を出そうと思いました。カンナにとって瑛と彬は“推し”だと思うので、2人に対して目を輝かせたり、ちゃめっけを出せたらと。カンナはちょっとオタク気質というか、好きなことにとことん入り込む子だとイメージしたのですが、私も好きなものや推しがたくさんあって、のめり込む熱っぽさは似てると思いました。

  

宿命を感じたときに
実力を見せられる人でありたい

──竹内さんと横浜さんとの共演はいかがでしたか?

膨大な量のセリフと、なかなか口にすることがない難しい専門用語がたくさん出てくる中、本当にスマートに演じられているおふたりを近くで見ていました。緊張をしているように見えなかったですし、佇まいはバンカーそのものだったので、「すごい2人の共演だ」と現場のたびに実感していて。対立し合っているけど心の底ではお互いを認め、信頼している瑛と彬を、竹内さんと横浜さんが美しく演じるのを近くで見られて幸せでした。

──撮影の合間に皆さんで交流されましたか?

私は全体のクランクインから遅れて入ったのですが、そのときには横浜さんと竹内さんおふたりの関係性ができていました。竹内さんが体づくりに詳しくて、どう鍛えれば体を厚くできるかという話題をおふたりで話されていて、私は入れなかったけど(笑)、すごく仲よしでした。その自然な関係がまたすてきで、まさにアキラとあきらだなって思って眺めていました。お二人は気さくな方で、休憩時間もたくさんお話ししてくださって、一緒のシーンが多かった竹内さんとは占いの話をしました(笑)。

──池井戸作品は、登場人物それぞれの熱量に、観ている私たちも気持ちをたぎらせる魅力があります。萌歌さんは、過去の作品を含めて刺激を受けましたか?

世の中には、仕事の数だけ闘いがあって、闘志を燃やしている人がたくさんいることを思い知らされて、目が覚める作品ばかり。「自分、こんなんじゃダメだ」「まだまだ頑張れる」という意欲が自然と生まれますね。

──お仕事の中で熱くなれるときは?

俳優として、どんな役、どんな作品に対しても興味、探究心をちゃんと持ち続けることが大切だと思っています。私の場合は、毎回作品に入るたびに、演じる役名をノートに書いて、名前の漢字をじっと見つめながら、その人から連想されることを書き出したりしていて。お芝居って、演じるまでの準備のほうが長かったりするので、準備してきたことが実を結ぶ瞬間がシーンの中であったり、そういう自分のちょっとした探究心がシーンの中で芽吹く瞬間があったりしたときに、自分の中で気持ちが熱くなって、この仕事をやっていてよかったなって感じるんです。


──萌歌さんにとって、俳優のお仕事はある種の運命なのかもしれません。本編では瑛と彬をつなぐ「宿命」という言葉が印象的に登場します。萌歌さんは宿命を感じたことがありますか? またそのときにどう受け止めますか?

人生って選択と運命と宿命にあふれているんだなって思うことがよくあって。誰しも生まれる前から自分の道筋みたいなものが決まっていて、それを宿命と呼ぶんだろうなと思ったり。自分の選択を超えてレールが敷かれていて、それにしがみついて、受け入れて進んでいくしかないという考えを持っています。

もともとエンタメが好きで、自分の好きを追求できる環境にいることがうれしくて、お芝居しているときによく「お芝居することは私の宿命なのかな」と考えます。そんな宿命を感じた際にちゃんと自分の力を発揮できる俳優でいたいです。

──すてきなお話をありがとうございます。読者に向けて、『アキラとあきら』のおすすめの見方や見どころを教えてください。

私自身、瑛と彬がにらみ合っている姿をそばで見るだけで、胸が焦げるような熱量を感じましたし、アキラとあきらの名前は同じだけど、まったく違う性格の2人が織りなす物語から目が離せませんでした。

この作品は、登場人物皆さんがそれぞれの闘いをしていて、彼らの強いまなざしが交差する瞬間は鳥肌が立つほど緊張感があります。銀行を舞台にした社会派のジャンルと聞くと身構えちゃうかもしれませんが、繊細な人間ドラマに沿って、わかりやすく展開していきます。ぜひ映画館に来て、アキラとあきらの物語を見届けてほしいです。

上白石萌歌 MOKA KAMISHIRAISHI

2000年2月28日生まれ、鹿児島県出身。第7回「東宝シンデレラオーディション」グランプリを受賞し、デビュー。12年にドラマ『分身』でデビューを果たす。その後、ドラマ、映画、CMなど幅広く活躍。近年の出演作に、NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』、ドラマ『金田一少年の事件簿』、映画『子供はわかってあげない』『KAPPEI カッペイ』などがある。現在、ムック本『MEET MET MET』が好評発売中。また、「adieu」の名義でアーティスト活動を行っており、9月14日にミニアルバム『adieu 3』をリリースする。初めてのツアー「adieu TOUR 2022 -coucou-」が9月に東京で、10月に大阪で開催。
公式Twitter:https://twitter.com/moka_____k
公式Instagram:https://www.instagram.com/moka____k/

映画『アキラとあきら』


原作:池井戸潤「アキラとあきら」(集英社文庫刊)
監督:三木孝浩
出演:竹内涼真、横浜流星、髙橋海人(King & Prince)、上白石萌歌ほか
●全国東宝系にて大ヒット公開中
公式HP:https://akira-to-akira-movie.toho.co.jp/

父親の経営する町工場が倒産し、幼くして過酷な運命に翻弄されてきた山崎瑛<アキラ>(竹内涼真)。大企業の御曹司ながら次期社長の椅子を拒絶し、血縁のしがらみに抗い続ける階堂彬<あきら>(横浜流星)。運命に導かれるかのように、日本有数のメガバンクに同期入社した2人は、お互いの信念の違いから反目し合いながらも、ライバルとしてしのぎを削っていた。瑛は自分の信念を貫いた結果、左遷され、彬も目を背けていた親族同士の骨肉の争いに巻き込まれていく。やがて、階堂グループの倒産の危機を前に、2人の運命が再び交差する。

ジャケット¥68,200・Tシャツ ¥9,900・パンツ ¥59,400(すべてバウム・ウンド・ヘルガーデン)/エスアンドティー[TEL:03-4530-3240] シューズ(オルフィック) ¥36,300/アルファ PR[TEL:03-5413-3546] リング¥26,400/ガルニトウキョウ[TEL:03-3770-4554]

Photos:Houmi Sakata[TRON] Hair & Make-up:Masayoshi Okudaira Stylist: Ami Michihata Interview & Text:Hiasmoto Chikaraishi[S/T/D/Y]

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