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時代を超えて愛され続ける “定番”アイテムには、完成されたデザインとしての魅力が詰まっている。ここでは、そんな永久定番名品のディテールから歴史までを深掘り。第1回はアメカジの盛り上がりで、注目されるジーンズ。誰もが定番と認めるリーバイス®501®について、キミはどれだけ知っている?
目次
1|リーバイス®501®とは?


リーバイス®はドイツ出身のリーバイ・ストラウスが立ち上げた。アメリカがゴールドラッシュに沸く1853年、リーバイ・ストラウス&カンパニーの前身となる雑貨商をアメリカのサンフランシスコでスタート。1873年にジーンズを生み出し、1890年に名品501®が発表された。
2|リーバイス®501®の歴史
ワークウエアとして生まれ、
1950年代にはファッションアイテムに!
ジーンズといえばまっ先にリーバイス®501®を思い浮かべる人は多いはず。その原型は、150年ほど前に生まれていた。一獲千金を夢見て、金鉱を掘り当てようと、人々がカリフォルニアをめざした「ゴールドラッシュ」。1848年から始まったこの渦中にリーバイ・ストラウスもいた。
ドイツから移民としてサンフランシスコにたどり着いたリーバイは、金鉱で働く人から注文を受け、キャンバス地を使った丈夫なワークパンツを製作。商品化して販売を始める。1873年に衣服をリベットで補強するアイデアを、リーバイ・ストラウス&カンパニーと取引のあった仕立屋のヤコブ・デイビスが思いつく。

両者は共同で「衣料品のポケットの補強にリベットを使用する方法」の特許を取得。このリベットで補強したパンツは「とても丈夫」と評判になり、爆発的に売れた。当時はブラウンキャンバスだったが、やがてブルーデニムを使うようになり、1886年にはリーバイス®の象徴「ツーホース・マーク」が登場。パンツの頑丈さを示すこのマークを、レザーパッチに刻印して、ブランドの象徴として右バックポケットの上につけた。

1890年になるとリーバイス®は商品管理のために、品番(ロットナンバー)を導入し、「501®」が誕生した。ジーンズの原点となった当時の501®は、まだ “オーバーオール”と呼ばれており、ベルトループはなくサスペンダーボタンやシンチバック(尾錠)がつき、バックポケットはひとつだった。

ワークウエアとして、男性だけでなく女性にもジーンズが広まり、リーバイス®は発展していく。1915年から501®にコーンミルズ社のレッドセルビッジデニム(赤ミミ)を採用。第1次世界大戦(1914~1918年)後、上流階級の衣服につけられたベルトループが一般にも広まると、1922年には501®にもベルトループがつけられた。
1937年にサスペンダーボタンが廃止され、同年、右のバックポケットにリーバイス®の象徴となるレッドタブがつけられた。ウエストサイズを調整するシンチバックも1942年になくなり、バックポケットは2つに変化。現在の形に近くなると、西海岸の大学で501®ジーンズが流行。この頃からファッションアイテムとして、人々の生活に浸透していく。
第2次世界大戦(1939~1945年)では資材節約のため、アーキュエットステッチや股リベットをなくすなど、501®も変化して対応。戦後はジーンズ需要が高まり、1950年代になるとハリウッド映画にジーンズが登場するようになる。マーロン・ブランド、ジェームズ・ディーンといったスター俳優がジーンズをまとい、若者の間に急速に広まる。

このブームを受けてリーバイス®は、西海岸のみで販売していた501®の販路を東海岸にも拡大。ボタンフライよりはきやすい、ジッパーフライモデルを「501®ZXX」として1954年に発売する(ジッパー仕様の501®は大ヒットし、1967年に「502」という品番に継承される)。
1955年にはツーホースのパッチが革から紙に替わり、レッドタブの両サイドにLEVI’S®の文字が記載されるように(それまでは片面のみだった)。1966年になるとヒップポケットの隠しリベットが廃止され、1971年にはレッドタブのLEVI’S®(通称“ビッグE”)がLevi’s®と小文字ミックスの表記になり、現在のスタイルが完成。
1960年代以降はユースカルチャーが花開き、ジーンズに様々なシルエットや品番が生まれるが、501®はマイナーチェンジをしながらも、定番として君臨。今もファッションのマストアイテムとして、人々に愛され続けている。
3|リーバイス®501®のディテール変遷
リーバイス® ビンテージ クロージングの
復刻501®でディテールの変遷をチェック!
リーバイス®501®はアップデートを繰り返してきた。1980年代後半から1990年代にかけて、日本を中心にヴィンテージブームが巻き起こり、古着シーンでリーバイス®501®の値段が高騰。これを受けてサンフランシスコのリーバイ・ストラウス&カンパニー本社はヒストリアン(歴史学者)を雇い、歴史を解明すると同時に、復刻モデルの製作をスタート。
1999年には「リーバイス® ビンテージ クロージング」レーベルを立ち上げ、各時代を象徴するモデルをアーカイブに忠実に復刻している。この復刻モデルで、各時代の重要ディテールを確認しておけば、古着でヴィンテージを見分けることもできるようになる!
ヴィンテージ501®の中でも大人気の1955モデル

ヴィンテージジーンズの完成形としてマニアにも支持される1955年モデル。マーロン・ブランドなど当時のスターが愛用した501®だ。太ももから裾までストンとした太めのストレートシルエット。復刻ラインでも一番太いシルエットは、今のトレンドともマッチ。
1955モデルのディテールチェック

1紙パッチには「Every Garment Guaranteed」の文字と「501 XX」の刻印がある、通称“ギャラ入りダブルエックス”。
2亜鉛ボタンを使用したフロント。後ろポケット裏には “隠しリベット”が。これもヴィンテージの決め手。
3右ポケットのレッドタブは大文字のLEVI’S®(通称“ビッグE”) で両面刺しゅう。
4セルビッジデニム(通称“赤ミミ”)を使用。
リーバイス® ビンテージ クロージング 501®の
シルエットチェック


ディテールの変化に伴って、501®のシルエットも変わった。シンチバック(尾錠)があった時代は、ウエストで絞ってはくのでワイドストレート。1944はハイウエストのレギュラーストレート、1947はスリムフィット&ストレート。東海岸に向けた1954は洗練されたナローテーパード。1955はワイドストレート、1966はテーパードシルエットが特徴だ。
各年代の重要ディテール
1937モデル/
シンチバックとレザーパッチに注目!

1ギャラ入りダブルエックスのレザーパッチ。この頃からリーバイス®のアイコンとなるレッドタブが登場。当時は片面刺しゅうで裏は無地だった。
2ウエストにはまだシンチバック(尾錠)が残るデザイン。
1944モデル/
アーキュエットがペンキで!

1物資節約のためにヒップポケットのアーキュエットがステッチでなくペンキで描かれたのは有名。レザーパッチの刻印にはSがついた「S501 XX」でこれは大戦モデルを表していた。
2ボタンもドーナツボタンなど様々なものが使われた。隠しリベットは継続されたが、ウォッチポケットや股のリベットが廃止された。
1947モデル/
ダイヤモンドポイントが登場

12本針式のミシンが導入され、アーキュエットステッチの中央にダイヤモンドシェイプが登場。レザーパッチはギャラ入りダブルエックス。
2ウォッチポケットのリベットが復活。フロントボタンもロゴを刻印したものに戻る。
1954モデル/
ファスナーフロントのZ501®

1レザーパッチは1954年まで使用されていた。ジッパーフライを示すZの文字が入った「501Z XX」の刻印。
2使い勝手のいいジッパーフライの登場で、501®の人気が加速。
1966モデル/
隠しリベットなしの通称“66”

11960年代は501®の大きな変革期。紙パッチから「Every Garment Guaranteed」の文字とXXの刻印が消える。レッドタブは1971年までビッグE。
2隠しリベットが消えバータック(カンヌキステッチ)が採用された。また股上が浅くなり、フロントボタンの数も5つから4つに。この年代のデニムは赤ミミだが、1986年以降は赤ミミが廃止される。
4|最新リーバイス®︎501®をチェック!
Levi’s 501®の誕生から150年の春に新登場した3アイテムの魅力を徹底解説。リーバイス®︎のプロによる、推しコメントにも注目だ!
1937 501® ジーンズ ORGANIC リジッド


ワークウェアを彷彿させるディテールが現在のファッションとのスタイリングと相性がいいことから、毎度再販するたびに完売必須のアイテム!LEVI’S® VINTAGE CLOTHINGで現在発売している501®の種類でも後ろのベルトの箇所にシンチバックがついているのはこのアイテムだけ。
●公式サイトでチェック!
プロの推しポイント

Levi‘s®
PR Assistant
石本さん
501®ジーンズの右後ろのポケットに有名なレッドタブが付けられているのが、ヴィンテージ好きにはたまりません!
501® ジーンズ ライトインディゴ


1890年にロットナンバーとして「501」が、初めて商品に付けられて以来、たくさんの人々に愛され続け、その人らしさを表現する究極のアイテムの一つとして今も人気のジーンズ。誕生から150周年を迎えるLevi’s 501®のアニバーサリーモデルとして、さまざまなディテールに150が刻印されている。
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プロの推しポイント

Levi‘s®
PR Assistant
石本さん
おめでとう「Levi‘s®」、おめでとう「501®」!150周年という大きな節目に立ち会い、心からの拍手でお祝いできる記念アイテム!
80’S 501® DIVISADERO ブラック リジッド


長髪のロックスター、セレブ、革命児やスタイルアイコンといった世界的有名人らが着用した、名高いアーカイブデザインをベースにした新しいLevi’s® Made & Crafted® 1980s 501® Jeans。ブラックカラーに同系色のステッチをあしらい、シンプルを追求したデザイン。
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プロの推しポイント

Levi‘s®
PR Assistant
石本さん
魅力でモダンなシンプルを追求したデザインで、裾口を折り返すとホワイトラインで目を引くセルビッチが、イケているアイテムです。
2022年最新501®をチェック!
1993年からは10年おきにアップデート。
USA製やサステイナブル素材も登場。
1990年代初頭まで501®は各国で生産され、シルエットも生産国によって若干違いがあったが、1993年からはグローバル規格が登場して統一された。以後10年おきに見直しされ、時代に沿ったシルエットに更新されてきた。現在は501®の中にも様々なシルエットが存在するが、オーセンティックな定番はずっと継続されている。
501®オリジナルフィット


ストレートレッグのモダンな細身ストレート。タテ糸に太さの異なる糸をミックスして、ヴィンテージ感のある縦落ちが表れるデニムに。牛革のパッチにビッグEのレッドタブなど、ヴィンテージ感のある仕様。ワンウォッシュの濃いインディゴブルーは、アメカジから旬のトラッドMIXまでハマる。
サーキュラー501®が登場


2022年春夏から環境にやさしい循環型501®が新たに登場。スウェーデンのリサイクル企業が生み出したサーキュロース(リサイクルデニムを一部使用した持続可能な資源のビスコース)と、オーガニックコットンをミックスして使用。通常は化学繊維が使われるパッチやステッチ糸なども、綿100%の代替品に置き換えた。
MADE IN THE USA 501®


レッドラインのセルビッジデニム(赤ミミ)を使用して、アメリカにて生産される希少モデル。セルビッジは耐久性を高めるためにほつれ止めを施した生地の端。デニムブランドが続々登場した1930年代に、差別化のためリーバイス®のブランドカラーである赤い糸を織り込んだのが赤ミミの由来だ。裾を折り返してはくスタイルもサマになる。
問い合わせ先
リーバイ・ストラウス ジャパン
TEL:0120-099-501
リーバイス®︎ 公式ページ
https://www.levi.jp/
リーバイス®︎ ビンテージ クロージング公式ページ
https://www.levi.jp/men/collection/lvc
5|リーバイス®︎501®コーデをチェック!
工藤 隼さん/古着屋スタッフ

Tシャツにジーンズにコンバース、という王道コーディネート。普通にならずちゃんとおしゃれに見えるのは、個性のあるアイテムを選んでいるから。大きめのグラフィックが入ったTシャツとヴィンテージのリーバイスが、計算されたいなたさを演出。折り返したすその縫い合わせ部分に注目すると、両側にうっすらと赤いラインが入っている。80年代以前のリーバイスに入っている通称“赤耳”。わかる人にはわかる奥深さがいい。

スリムな濃紺のジーンズにジャストサイズのトップスを合わせた、絶妙なバランス感がキモ。ボーダーでボートネック、という一見難しそうなアイテムをさらりと着こなした。モノトーンのレザーシューズがいいメリハリに。「最近バイカースタイルのアメカジが流行っていて、501®をゆったりはく人が多いですよね。でも今日はあえてジャストにはいて、きれいなストレートを生かしてみました!」
後藤文太さん/古着屋スタッフ

涼しげなアイスブルーのジーンズは夏にぴったり。透け感のあるシャツやスカーフ、レディースのバッグと合わせ、武骨なジーンズを繊細なスタイリングに落とし込んだ。足もとの真っ白な革靴も、全体のライトな雰囲気を盛り上げる。「このリーバイス501は夏が始まる少し前に買いました。アイシーな色が季節感たっぷりだなと。501ってとてもスタンダードなアイテムですが、そういうもののほうが個性を出しやすいと思うんです。そこに気に入った小物を合わせていくことで、自分だけのスタイルに仕上がります」
中田圭祐/メンズノンノモデル

「デニムとコンバース、パーカのカジュアルなスタイルに合わせたのはサテンのブルゾン! 光沢がコーディネートに上品なムードをプラスしてくれます。サンルーフのオリジナルロゴを施したリーバイス®️のデニムは、ロゴの主張が強すぎず、ほどよい存在感。遠くからは見えないのですが、ふと下を見た時にロゴが目に入ると気分が上がる! こういった、自分なりのお気に入りポイントがあるアイテムに魅力を感じます」
安西一真/メンズノンノモデル

「白T×デニム×コンバース、シンプルかつ王道のスタイルに、一枚でアクセントになってくれるライトアウターを重ねました。シンプルなアイテムを着るときは、体のラインをきれいに見せてくれるシルエットやサイズ感を選ぶようにしています。デニムは90’sのリーバイス®︎512。あせた感じで取り入れるだけでグッとこなれたムードを出してくれる、シンプルなスタイルでこそ着こなしたいアイテムです。すらっとしたシルエットで足が綺麗に見えるので、どんなトップスとも合わせやすく重宝しています」
井上翔太/メンズノンノモデル

「ジャケットとデニムは別々に購入したものなのですが、ブラックが似たトーンだったのでセットアップ風に着てみました。ジャストサイズを選んで、すっきりしたシルエットに仕上げるのがこだわりです。オールブラックコーデの時は、小物でアクセントを。オメガの時計はスクエア型のフェイスと、シンプルで洗練されたデザインがお気に入りです。ゴールドアクセサリーは上品なムードを引き出してくれるので最近ハマっていて、今年の夏にうまく取り入れたいアイテムの一つ」
田夛英照さん/アダム エ ロペ プレス

「シェルジャケットをメインに、リーバイス®︎フォー ビオトープのデニムを腰穿きして全体的にユルめのスタイリングに。でもだらしなくならないよう、またジャケットのアウトドアテイストに寄せすぎないよう、春らしいサックスカラーのボタンダウンシャツを合わせました。レトロカラーやカジュアルムードなスタイリングが、今季の気分です」
新堀大樹さん/ジャーナル スタンダード ショップスタッフ

サーマルカットソーに合わせたのは、今季話題を独占したリーバイス®︎×ジャーナル スタンダードの501®️だ。ワイドすぎないシルエットとホワイト×ブルーの配色で好印象に仕上げている。そこにトレンドのゴールドネックレスと大人っぽいローファーで個性をプラス。女子受けも抜群のコーディネートに。
井上翔太/メンズノンノモデル

「今まで夏は白Tが定番だったけど、このジチピを着てからVネックのリンガーTシャツが好きになって、めちゃくちゃ愛用してます。あまり人とカブらないし、ジャストサイズでパンツにインして着ると、好みの男くささが出せる。アメリカっぽさを足したいから、パンツはやっぱりリーバイスの501®がいい。この上に開衿シャツをはおったり、これからいろいろな着こなしを試してみたいですね。買い物は高円寺のキスメットという古着屋や上野のヤヨイに行くことが多いかな。最近念願のバイクを手に入れたので、岩上くんとツーリングに行きたいです!」
久保正之さん/ショップスタッフ/MNFC

「リーバイス®501®はジーンズの元祖。どのブランドもリーバイスをベースにしていますよね。リーバイス®は501®に代表されるストレートデニムのイメージが強く、この形が一番好きなので、古着、新品ともに持っているデニムの8割は501®です。今日はザ・ノース・フェイスのダウンジャケットとシンヤコヅカ×ラングラーのシャツでコーディネート」

「ジーンズはカジュアル感の強いアイテムだから、足もとはスポーティ&リッチコラボのワラビーできれいにまとめました。カリフォルニア出身のデザイナーが手がけるクレッシオーニのハンドメイドネックレスでアクセントを添えています。リーバイス®501®の流行り廃りがなく飽きずにはけるシルエットは、まさに永久定番だと思います」
副島卓己さん/Silly美容師


「501®はいろいろ持っています。今日のは去年のリーバイス®501®デーに発売されたウェイステッド ユースとのコラボ。プラダのMA-1とザ・イノウエブラザーズのカーディガン、ドクターマーチン×ステューシーのブーツでUK感のあるコーディネートにしてみました。501®は薄いブルーしかはかなかったんですが、これはプレゼントでいただいて。パンツは引き続き太めが気分なのですが、細身も新鮮だなと思って楽しんでいます」
古江優生さん/ビデオグラファー

「リーバイス®501®は白いご飯のように、毎日着ても飽きがこない。当たり前にあるけれど、絶対なくてはならないもの。今日はいているのは、色落ち具合とレングスがちょうどよくて買った古着の501®です。コモリのフリースジャケットとシャツにバトナーのカーディガン、ジャケットがショート丈なのでメルトのストールを垂らしてバランスをとりました」

「全体的にベーシックな色合いなので、エアウォークのスニーカーで色を差しました。コモリのようなブランドは古着とMIXするのがちょうどいいと思っていて、きれいにキメすぎない着こなしを意識しています。これからはリーバイス®501®のような定番を、もっと身につけたい」
Photos:Erina Takahashi (still)Yuichi Sugita(2023newmodel) Stylist:Takumi Urisaka Yuta Fukazawa(2023newmodel) Composition & Text:Hisami Kotakemori Risa Kawamoto(2023newmodel)
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