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グラフペーパーとの25周年記念コラボも! デザイナーインタビュー#21「イズネス」キシタトモミさん――面白いと思ったことを追いかけていたら、25年経っていました

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第21回は、今年25周年を迎えたイズネス。デザイナーのキシタトモミは、90年代は原宿の伝説的ショップの“顔”としてメディアに登場。現在もDJとして活動し、音楽のカルチャーのひとつであるサンプリングを服づくりに取り入れるなど、裏原宿的な感性を持ち合わせる一方で、実は“ものづくり”が大好き?

ファッションブランドis-ness(イズネス)デザイナーのキシタトモミさん1

is-ness(イズネス) デザイナー

キシタトモミ さん

1970年、静岡県生まれ。1989年に服飾専門学校・エスモードジャポン(現エスモード・東京校)に入学し、デザイン、パターン、裁縫を学ぶ。1994年より原宿パーヴ(perv)をはじめ、さまざまなショップのスーパーバイザーなどを経て、2001年に「イズネス」をスタート。10代からDJ活動を開始し、現在もクラブやイベントでプレイ。ファッション、音楽の垣根を越えて縦横無尽にクリエイティブな活動を続けている。

    

is-nessデザイナー
キシタトモミさん
SPECIAL INTERVIEW

   

1_学生時代から
イズネスを立ち上げるまで

ファッションブランドis-ness(イズネス)デザイナーのキシタトモミさん2

――イズネス25周年、おめでとうございます! 今回は、ここにたどり着くまでの経歴からうかがいます。

母親が縫製の仕事をしていて、人に教えたり、服を仕立てたりしていました。一枚の布が裁断され、それが立体的な服になっていく。子どもの頃からその過程をずっと見ていたので、自然に服づくりに興味が湧いたんです。

――ファッションが身近だったのですね。洋服をつくってもらったりもしましたか?

成人式のスーツは母のお手製でした。その前にも見本反(試作した生地)を使ってジャケットをつくってくれたり。高校時代は「こんな服をつくって」とリクエストをしたこともあります。

兄が東京の大学に進学して、当時のDCブームやアメカジブームの洗礼を受けていたので、自分も服への興味が一気に広がって。服づくりの工程に興味があったから、高校卒業後はエスモードジャポンに進学しました。


ファッションブランドis-ness(イズネス)デザイナーのキシタトモミさん3

――エスモードは当時、原宿にありましたよね。

立地もよかったですし、同級生にもその後ファッション業界で活躍する人たちがいて、刺激のある環境でした。現在イズネスのパターンを担当してくれているのも当時の同級生で、ほかの友人たちとも、今も交流が続いています。少人数制だったのも魅力でした。

――専門学校時代にはデザイナーを目指したのでしょうか?

いろんなことに興味があったので、モデルの友人の勧めでスタイリストのアシスタントになりました。3年続けて、洋服の見せ方やコーディネートの仕方などを学べたのはよかったのですが、途中で「自分がやりたいのはスタイリストではないかもしれない」と気づき、洋服をつくりたいという気持ちが芽生え始めて・・・。

キシタトモミさんの1995年当時の写真
▲1995年、ファッション雑誌にもよく登場していたパーヴ時代のキシタさん。こちらはマルコム・マクラーレンに壁へサインをしてもらったときのポラロイド写真。

――でもその後は、パーヴ(perv/原宿にあったロンドンカルチャーを凝縮した先鋭的なブティック)で働かれています。

ロンドンでバイヤーをしていたDJ マーボウ(Marbo)さんと知り合い、原宿にイギリスのアンダーグラウンドカルチャーをベースにしたショップをつくるので「働かないか?」と誘われ。そこで約7年、店長として経験を積みました。

――エッジがきいた、いい店でしたね。

ジュディ ブレイム、マルコム マクラーレンなどパンクシーンを牽引したブランドから、ジェシカ オグデン、フセイン チャラヤンのような当時の新進ブランドまで幅広くセレクトしていて、ワーズルエンド、ヴィヴィアン・ウエストウッドの古着やレコードも扱っていました。最終的にバイヤーも担当して、自分が仕入れたものをお客様にどう届けるか? そんな勉強ができたので、とても有意義な経験でした。

――その後にイズネスを立ち上げた?

いえ、その後、原宿の麻の葉という店で、スーパーバイザー的なことをしたんです。麻の葉は1階と3階がスケーター系のセレクトショップ、2階はシアトルの「ヒューストン・ギャラリー(Houston Gallery/1990年代末〜2000年代初頭に、ストリート/グラフィック周辺のアーティストを紹介していたギャラリー)」のショップで、日本では「リターン・オブ・ヒューストン」という店名でした。

そこではジェフ・マクフェトリッジや、当時かなり人気のあったデルタ、エヴァン・ヒーコックスなどの作品を扱っていました。ゴンズ(スケーターでアーティストのマーク・ゴンザレス)のオリジナル作品もありましたね。そうしたアーティストの作品に囲まれながら、販売からプレス的な業務まで、ほぼすべてに関わっていました。


     

2_30歳で
イズネスを立ち上げる

「イズネス」のプライスタグ
ファッションブランド「イズネス」の織りネームタグ

――パーヴではイギリスのアンダーグラウンドカルチャー、麻の葉ではアメリカのストリートカルチャーと、幅広い背景があってイズネスが誕生したわけですね。

洋服をつくることへの興味はずっとあって、いつかはデザイナーになりたいと思い始めていたので「30歳になったら独立しよう」と決めて、仲間といっしょにイズネスを立ち上げました。ショップでの経験を通じて生地屋さんや縫製工場とはつながっていて、服づくりの下地もあったから、最初からある程度商品数をつくって展示会をしました。

ファッションブランドis-ness(イズネス)のカラーバー

――スタート当初、織りネームやタグに使われているカラーバーができたから、「ブランド名がなくてもこれでいい」と思ったけれど、ブランド運営に不便だからイズネスと命名した、と初期のインタビューで語っていました。

ミュージシャンのプリンスが名前をシンボルに換えたことに影響されたんでしょうね。ただ下げ札に名前がないとショップが困るだろうという話になり、最終的にブランド名を入れました。

――確かに90年代後半は「元プリンス」(the Artist Formerly Known As Prince=かつてプリンスと呼ばれたアーティスト)と呼ばれていました。イズネスというブランド名はある本に登場する言葉に由来するそうですね。

オルダス・ハクスレーというイギリス人作家(のちに米国に移住)が書いた『知覚の扉』(幻覚剤メスカリンによるサイケデリック体験の手記)にis-ness(イズネス)という言葉が出てきます。「存在そのもの」という意味合いがあって、その響きが心に残り、引用しました。

――それは「五感では感じられない何かを感じとれるような“心で感じるプロダクト”を目指す」という、ブランドのコンセプトにもつながっていますか?

つながっていると思います。同じフォーマットの服でも、意識を少し変えるアレンジを加えることでまったく別物に見える。例えば生地や色を今までになかった“ヤバイ”組み合わせにしてみたり、“ありそうでないもの”を服の中に忍ばせたり。

2003年ごろに発売されたis-nessのジャカードニット
2003年ごろに発売されたis-nessのジャカードニット 柄のディテール

――いつ頃から今の“イズネスらしさ”ができたのでしょう。初期のイズネスはギミックがきいた服が多かった印象です。

最初の頃の服を今見ると、今よりちょっと激しいですよね。これは2003年秋冬の「ホーリー マウンテン エキップメント(HOLLY MOUNTAIN EQUIPMET)」という、アレハンドロ・ホドロフスキー監督のサイケデリックなカルト映画『ホーリー・マウンテン』にインスパイアされた一着です。

――これはアウトドアのフリースジャケットをジャカードニットで表現しているわけですね。ネイティブ・アメリカンの神様、ココペリが編み込まれています。

当時ペンドルトンやラルフ ローレンのネイティブ柄が流行っていたので、それをサイケデリックカラーに置き換えました。2003年頃は景気が悪く世相も暗くて、元気が足りなりと思い「ゲンキ」とジャカードで入れて...。

――「ゲンキ」って入ってる! 確かに、ほかのブランドではこういうことはしませんよね。

着る人や見る人にちょっとした“違和感”を感じてもらったり、何か引っかかる部分があればいいなと思ってつくっていました。

is-nessのブランド初期のアノラック
is-nessのブランド初期のアノラック ネームタグ部分
▲ブランド初期のアノラック。ストリートアートへのオマージュが込められた一着で、織りネームも幅が広く現在とは微妙に異なるデザイン。

――まだ裏原宿に力があった時代で、その影響を感じさせつつ、異彩を放っていました。

2003年はエディ・スリマンのディオール オムの影響もあって、ロックファッションの全盛期でした。細身のジーンズにネクタイにジャケットというモードなロックじゃなくて「こういうことをやるのもロックでは?」と別の捉え方で服をつくっていました。。

――そこから休むことなく展示会を続け、今に至っていると。

休むことなくやってきましたね。立ち上げから3年ほどは年1回だった展示会が年2回になり、夏物だけの企画展を入れて年3回になったりしながら。

「イズネス ミュージック」のステッカー

――規模感も極端に変わっていないようですが、今はイズネス ミュージックと2ブランドになっています。2つになったのはいつですか?

もともとはイズネスの中のイズネス ミュージックというラインで、グラフィックTシャツを主軸に展開していました。それを2017年に別レーベルにした感覚です。DJもしているし、もともと音楽の匂いのあるものは好きだったので、自然とグラフィックなどにはサンプリング文化が入っていた。そんな流れです。


2026年秋冬の「イズネス ミュージック」のルック2

▲2026年秋冬のイズネス ミュージックのビジュアルより。カレッジロゴ風のデザインや、有名なミュージシャンのメッセージをオマージュしたバックプリントにも目が留まる。

――キシタさんの好きなもの、趣味的なものがイズネスには詰め込まれています。

アウトドアや自転車、スケートボードなど、洋服以外のカルチャーから影響を受けることも多いです。スケートボードに特別詳しいわけではないのですが、以前、トニー・アルバとフォトグラファーのウィン・ミラーに焦点を当てた写真展に関わる機会がありました。東京での開催時にはトニー本人も来日し、東京、LA、NYを巡るツアーにはDJ ハーヴィ(HARVEY)も同行して、サウンドトラックを手がけていました。スケートボード、写真、音楽が自然に交差していく、その空気感にはすごく惹かれましたね。

そんな経緯もあって、イズネスでスケートボードをつくったことがあります。自分が面白いと思ったことや興味を持ったものが、結果的に洋服のクリエーションへつながっていくことは多いです。

キシタトモミさんのアトリエのキャビネット
▲キャビネットの上段には過去に商品として販売した、イズネスのスケボーやゲバヘルが並ぶ。

      

3_25年の間に
変わったこと

ファッションブランドis-ness(イズネス)デザイナーのキシタトモミさん4

――マイペースに25年、ブランドを続けてきました。四半世紀という長い期間、危機や心境の変化などもなく?

始めたばかりの頃は、ブランドだけで成り立たせるのはなかなか難しくて、最初の7〜8年くらいは、飲食の仕事をしたり、ほかのアパレルのパターンや生産に携わったりしながら続けていました。いろいろな現場を経験できたことは、結果的に服づくりの幅を広げてくれたと思います。もともと何かをつくることが好きだったので、それも含めて今につながっていますね。

――モチベーションが下がるとかはなかった?

そういうこともなく、無理しない感じでやってきました。無理するのが一番よくないので(笑)。

――趣味的なことを大事にしつつ、無理せずやるのが長続きのコツだと。

そうですね。

――逆に、25年の間に変わったことは?

インターネットが普及して、お客さんとの距離が縮まりました。SNSを通じて自分たちで営業できたり、ビジュアルを発信することも簡単になった。そういう部分はすごく変わりましたよね。若いコみたいにサクサクはできないけれど、自分なりには使っています。

インタビュー中のキシタトモミさん

――お客さんとの距離が縮まったことで何か変化はありますか?

「この商品はいつ発売されますか?」「他の色はありますか?」といった問い合わせがダイレクトに届きます。距離がすごく近くなったと感じます。

――「先シーズンあったアレは、今シーズンないんですか?」という問い合わせも届くでしょう? それで再生産するようなことも?

直接的にMD(マーチャンダイズ)に反映することはないんですが、10年ほど前から定番的なアイテムを設けたのは、今思えばその影響かもしれません。


is-nessのバルーンパンツ

――定番的なアイテムにはどんなものが?

裾にスピンドルコードを入れたバルーンTシャツやバルーンパンツが代表的です。どちらも長くつくり続けているアイテムで、気づけば似たようなデザインをほかでも見かけるようになりました。

――このスピンドルコード入りTシャツは、イズネスが最初?

たぶん、かなり早かったと思います。当時は、同じような仕様のものをほとんど見かけなかったですね。バルーンパンツも同じ頃からつくっていて、こちらもその後、ほかのブランドで似たようなシルエットを見かけることが増えていきました。どちらも素材やシルエットのバランスを少しずつ調整しながら、今まで定番として続けています。

――洋服づくりのプロレスも変わってきたわけですね。

初期は定番を設けず、毎回テーマを決めてムードボードをつくり、セオリーに添ってデザインしていました。それがこの10年ぐらいほどで、テーマを設けず、コンセプトだけを決めてつくるスタイルに変わりました。

     

4_イズネス
2026年秋冬コレクション

イズネスの2026年秋冬コレクション1
イズネスの2026年秋冬コレクション2
イズネスの2026年秋冬コレクション3
イズネスの2026年秋冬コレクション4
イズネスの2026年秋冬コレクション5

――2026年秋冬はどんなコンセプトでつくられましたか?

今回は、世界情勢が大きく変化している中で、ミリタリー系のアイテムが気になりました。MA-1がいちばんわかりやすいですが、その流れから今季のコレクションをつくりました。袖にファスナーオープンのベンチレーションが付いているのが、イズネスらしいディテールです。

――袖にベンチレーション? 袖口にファスナープルが見えるということは下からガバッと開く?

このミリタリーパーカも同じような仕様なので、こんな感じで...。

ファッションブランドis-ness(イズネス)デザイナーのキシタトモミさん5
is-nessの「誰でもオアシスコート」

――なるほど!

これは着るとリアム&ギャラガー兄弟みたいに見えるので、“誰でもオアシスコート”と呼んでいます(笑)。あえて必要がないところにベンチレーションを付けるのが好きで、袖の途中から手を出してもいいし、厚手のニットを中に着たときは空気の入れ替えもできます。フードを出すと“オアシス”感がより増します(笑)。

――確かに(笑)。

is-nessの通称「バンザイニット」と、デザイナーのキシタさん

こちらのニットは通称“バンザイニット”。両サイドとも上からも下からも開きます。ファスナーは既製品ではなく、YKKにお願いして別注でつくってもらっています。過去には、片側のファスナーにプルタブを6つ付けて、好きな位置から開けられるファスナーをつくったこともあります。そこまでやる必要があるのか、という感じなんですけど(笑)。そういう少し過剰なくらいの実験から、アイデアが広がっていくことも多いですね。

――(プルタブを6つ付けた過去のサンプルを探して出してくれた)これはいつ頃のものですか?

ファッションブランドis-ness(イズネス)デザイナーのキシタトモミさん6

これは2020年秋にグラフペーパーとコラボレーションしたときにつくったものです。もともとインラインで、袖から裾まで一本のファスナーでつなぎ、好きな位置から開けられる仕様のアイテムをつくっていました。それをニットやブルゾンに応用したり、ファスナーのテープにリフレクター素材を使って、光を反射するようにしたり。ファスナー大好きなんですよ(笑)。

――そうだったんですね(笑)。このトグル付きのコートは?

白いトグル付きのコートは60年代のロイヤルネイビー(英国海軍)のプルオーバーコートに着想を得たもの。フロントを前開きにして、数シーズン素材を替えながら展開しています。今季は後ろ衿を少し高めにして、寒さをしのぎやすいようにアップデートしました。

is-nessのトグルつきコート

――このバッファローチェックのCPOシャツも継続アイテムですね。

秋冬の定番です。普通は両胸ポケットだけですが、両サイドにポケットを追加して、胸ポケットにもハンドウォーマーポケットを設けています。カバンを持つのが嫌いなので、極力ポケットを多くして手ぶらで外出できるようにしています。

is-nessのバッファローチェックのCPOシャツとデザイナーのキシタさん

――キシタさんはパーツや素材づくりがお好きなんですね。

めっちゃ好きです(笑)。ファスナーだけで中くらいのダンボール箱3箱分くらい見本や試作品があります。最近は小松マテーレ(石川県能美市を拠点とする合成繊維を手がけるメーカー)といっしょに、ナイロン素材の製品染めにも取り組んでいます。

小松マテーレの布地見本

――好きなものをコレクションに反映しているということで、この部屋にはレコードをはじめキシタさんの“好き”凝縮されています。

はい。この後ろの棚の中も全部レコードです。ポスターなど飾ってあるものも、自分の好きなコレクションの一部です。

キシタさんの私物のカタログと写真集
▲『KRAFTWERK: DANCE FOREVER』(左)はクラフトワークのエキシビションカタログ。『portrait of a generation: the love parade family book』(右)は Taschen America Llc刊の写真集。

――お持ちいただいた写真集も服づくりの着想源ですか?

クラフトワーク(1970年結成で現在も活動を続けるドイツのテクノポップバンド)は昔から大好きで、来日のたびにライブへ行っています。今年の5月も見ましたが、めちゃくちゃカッコいいんですよ。オリジネイターだから古くならない。もう一冊はドイツで開催されていた大規模レイヴ・パーティ「ラブ・パレード(LOVE PARADE)」の、1996年の参加者を撮影した写真集です。色使いや当時の空気感、服のコーディネートなどが素晴らしく、よく見ています。

――デザインはパソコンで?

グラフィックはパソコンですが、洋服のデザインは手描きです。

is-nessのデザイン画

――え? これが手描き? 驚くほど緻密ですね。洋服用の定規を使って描かれている?

はい。ちゃんと専門学校に行っていたので(笑)。デザイン画ではなく指示書になりますが、細かく指示も入れます。伝わりくいと思うときは部分縫いのトワル(シーチングを使った見本)も付けます。

――キシタさんはいわゆる「ディレクター」的な方かと思っていましたが、きちんとした「デザイナー」なんですね。これだけ細かいとサンプルは何度もつくらなくて済みそう。

サンプルが上がってくるときが一番楽しみで、いつもほぼ一発OKです。

     

5_25周年イズネス×グラフペーパー
カプセルコレクション

25周年イズネスとグラフペーパーのコラボによるカプセルコレクション1
25周年イズネスとグラフペーパーのコラボによるカプセルコレクション2
25周年イズネスとグラフペーパーのコラボによるカプセルコレクション3
25周年イズネスとグラフペーパーのコラボによるカプセルコレクション4

――今年は25周年ということで、記念第1弾としてグラフペーパーとのカプセルコレクションが登場します。グラフペーパーとはよくコラボしていますが、やはり節目だから「何かやろう!」というということになったのでしょうか?

実は南貴之さんとは、イズネス立ち上げの頃からの付き合いなんです。前職のカンナビスでも取り扱ってくれていました。そうした長い関係性があって、ある時期からPRをお願いするようになり、自然とコラボレーションをするようになりました。

――歴史を知る南さんだからこそ、25周年コラボにふさわしいと。

出会いから25年以上経って、今もいっしょにものづくりを続けている。そこに25周年コラボの意味があると思います。

グラフペーパーとのコラボレーションについて説明するis-nessデザイナーのキシタさん1

――カプセルコレクションの内容を教えてください。

全部で4型あります。マウンテンパーカはイズネスが2024年秋冬に出したマナスルシェルジャケット(写真左)をベースにしています。南さんと食事に行くときに着て行ったら「これいいね」と言われて、今回25周年のコラボの話をしたとき「あれをベースにしよう」という流れになりました。シルエットは同じですが、パーテックス シールドの3レイヤー素材を採用したのが大きなトピックです。今回はフードをなくし、配色も変えることで、少し違った印象に仕上げています。

グラフペーパーとのコラボレーションについて説明するis-nessデザイナーのキシタさん2

――ほかはこのセットアップとドローコード入りスウェットT。

これはイズネスの型にグラフペーパーのウールギャバジン生地を採用したコラボレーションです。シェフパンツは2024年春夏にもコラボしていて、今回は秋冬ということでハリントンジャケットとのセットアップにしました。

もうひとつもイズネスのバルーンTシャツにグラフペーパーのフレンチテリー生地を取り入れたもの。マウンパは1色のみで、それ以外は3色展開です。

     

6_これからの
イズネス

イズネスが2026年6月にパリで開催した展示会の様子1

――25周年を迎え、この後は今後についてうかがいたいのですが、その前に。イズネスは“無理しない”といいながら、パリで展示会をされていますよね?

こちらから「出展したい」とお願いして、合同展に参加させてもらったのがきっかけです。これも10年ほど前ですね。コラボレーションでお世話になっているスイコックと、サスクワァッチファブリックス、イギリスのギミーファイブ(Gimme Five/UKストリートの重鎮、マイケル・コッペルマンによるブランド)と一緒に、「ムラハチブ(Murahachibu)」というパリのショールームで開催しました。

イズネスが2026年6月にパリで開催した展示会の様子2
イズネスが2026年6月にパリで開催した展示会の様子3
イズネスが2026年6月にパリで開催した展示会の様子4
▲2027年春夏のパリでの展示会のショーウィンドウ(上)。1階のイズネス ミュージックは風船を飾ってパーティ感を演出(中左)。地下1階のイズネスはモノトーンの空間で少し大人っぽいムード(中右)。DJの友人、ディミトリ・フロム・パリ(Dimitri From Paris)アレックス・フロム・トーキョーアレックス・フロム・トーキョー(Alex From Tokyo)も展示会に足を運んでくれた(下)。

――最近は単独展示をされているとのことで、海外の取引先も増えている?

2026年秋冬シーズン(2026年1月開催)から単独ではじめました。合同展だと自分たちのペースで見せにくい部分もあって、イズネスとイズネス ミュージック、それぞれの世界観を分けて見せたかったんです。DJの友人が現地のバイヤーを連れてきてくれることもあって、そうしたつながりから広がっていくこともあります。

次のシーズンはまだどのような形にするか決めていませんが、単独か合同かにこだわらず、そのときの状況に合った形で海外での発表を続けていければと思っています。

――パリに出てよかったことは?

いろいろな広がりが生まれたことですね。DJの友人に会えたり、学生時代の友人と何十年ぶりかに再会できたり。現地でパーティを開くこともあって、仕事だけではないプラスアルファがある。そういう何かがあるのが、パリの面白さなんですよね。

――これから先は、挑戦したいことはありますか?

今までずっとマイペースでやってきて25年が経ったので、周年感があまりなくて。好きなことをやっていたら25年経っちゃった感じです(笑)。これからもマイペースで、無理なく続けていけたら思います。もちろん、新しいこともやっていきたいし、積み上げてきたものがあるからこそ、何か面白いことができそうな気もしています。25周年記念のコラボは春夏も出てきますので、楽しみにしていてください。

is-nessデザイナーのキシタトモミさん インタビュー中の横顔

――最後に、キシタさんにとってファッションとは何ですか?

難しい質問ですよね(笑)。僕は「人生そのもの」とかそんな大げさなことじゃなくて、自分自身を整えるものぐらいに考えています。洋服を着ることで自分の感覚をアップデートしたり、気持ちを切り替えたりできる。昔は反骨精神もあって尖っていましたが、少し丸くなって、これからは少し品のいい“意識を変える服”が提案できるんじゃないかと思っています。

      

is-ness(イズネス)
BRAND PROFILE

2001年に“存在そのもの≒イズネス(is-ness)“をブランド名に掲げ、コンテンポラリー/技術/アート/ミュージック/ファッションをキーワードに、“心で感じるプロダクト”を展開。2017年よりサンプリングによるグラフィックを主体としたコレクションを、イズネスミュージックとして独立させた。今年25周年を迎え、9月26日にはグラフペーパーとのコラボレーションによる記念カプセルコレクションが発売に。

ブランド公式サイト:
https://www.is-ness.com/
ブランドInstagram:https://www.instagram.com/isness_official/

Photos(portrait & report ) : Kenta Watanabe
Interview&Text : Hisami Kotakemori

小竹森久美

小竹森久美

エディター

「デザイナーINTERVIEW」や「僕らの永久定番ファイル」などファッションテーマを幅広く執筆。

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