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鈴鹿央士、すでに人生のピークを経験!? 天才新人が「俳優として生きる」を決めたとき

鈴鹿央士、すでに人生のピークを経験!? 天才新人が「俳優として生きる」を決めたとき

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メンズノンノ専属モデルであると同時に、俳優として映画やテレビで活躍中の鈴鹿央士。生まれ育ったのは岡山県。高校時代まではテレビを観てもタレントの名前はうろ覚え、映画もよほどの話題作でないと観ない。「芸能界に憧れるとか、そういう意識すら持ったことがなかった」という彼に、ある日突然、その後の人生をガラリと変える出来事が起きた。

地元に大スターがやってきた!

「2016年、僕が高校2年生の冬ですね。当時、岡山県が映画の撮影を誘致していて、僕の学校を舞台に映画の撮影が行われることになったんです」。作品は、生田斗真さんと広瀬すずさんが主役を務めた『先生!、、、好きになってもいいですか?』。撮影に先立ってエキストラの募集があり、友達と軽い気持ちで応募したそう。


「エキストラなので、背景に見切れる程度の役割。指定された立ち位置に移動する際、すぐ横に広瀬すずさんがいらっしゃったんです。さすがのオーラだなぁ、なんて歩きながら見つめていたら目が合ったので、“こんにちは”とだけ挨拶をしました」

「後日、いつものように友人と撮影の集合場所へ向かうと、僕だけ体育館へ行くように言われたんです。待っていたのは、広瀬さんが所属する芸能事務所の方。名刺を渡され、俳優にならないかと誘われました」

スカウトを後押ししたのは、広瀬すず!

まるでドラマのような展開に、何が起きているのか理解できなかったと言う鈴鹿。両親に相談すると伝えてその場を後にすると、すぐさま家族のLINEグループに「報告があります」と送信し、急いで帰路につく。

「両親もかなり驚いていましたね。母が“すごいね!”を連呼するなか、3つ上の兄はまったくの無関心で、反応の違いが面白かった(笑)。翌日、ちょうど事務所の社長さんが来ると連絡があり、母とふたりで挨拶に行きました。そこで、広瀬すずさんが僕をスカウトするべきだと言ってくださったと聞いて。すごく光栄なことなんですけど……現実味がなさすぎて、ただポカンと聞いていた記憶があります(笑)」

「福岡か大阪の大学を目指そうかな、とぼんやり思っていた」鈴鹿にとって、東京行きなど考えてもみなかったこと。すぐに決断できるはずもなく、大学は行って欲しいという両親の意向を含めて伝えたところ、事務所から「高校卒業後まで待つ」という答えが。

「両親と何度も話し合いを重ね、東京の大学に通いながら挑戦してみよう、と決断できたのはギリギリのタイミングでした。みんなに訪れるチャンスではないので、ただ断るのはもったいないと思ったんです。とはいえ、就活が始まるまでのお楽しみ期間、という感覚でしたけど(笑)」

3度目のオーディションで大役を手に

そんなユルいノリで上京した鈴鹿だが、新生活に慣れる暇もなくオーディションがスタート。ちなみのこの時、演技レッスンの経験はほぼ無。担当マネージャーと何度か台本の読み合いを行った程度という状態で果敢に挑戦し、なんと3度目のオーディションで、これまでの代表作ともいえる『蜜蜂と遠雷』の役を勝ち取る。

「演技のことはまったくわからないので、オーディションは雰囲気でこなしていましたね。合格できたことは嬉しかったけど、これもまた、イマイチ実感が湧かない状況が長く続きました(笑)。でも今思うと、それが良かったのかもしれません。変に構えたり、プレッシャーを感じることもなく、マイペースに学べたので」


恩田陸の小説が基になった同作の舞台は、若手ピアニストの登竜門として注目される国際ピアノコンクール。鈴鹿が演じるのは、“ピアノの神様”と呼ばれるピアニストに見出されてコンクールに送り込まれる少年・風間塵。栄伝亜夜(松岡茉優)や高島明石(松坂桃李)などのコンテスタントと出会い、互いに刺激し合いながら、その才能を開花させていく。

撮影が始まる前に3ヶ月のピアノ習得期間が設けられており、演技未経験の鈴鹿は、同時進行で台本の読み合いなども行ったそう。「石川(慶)監督と助監督さんが自ら、台本の読み合いをしてくださったんです。しかも監督の提案で、毎日メール交換をすることに。その日にしたことや食べたものなどの気軽な話題に始まり、撮影が進むと、僕の演技でよかった点などを丁寧に報告してくれました。これは後々知ったことなのですが、ど新人の僕をどうやってサポートしていくか、主演の松岡さんや松坂さん含め、皆さんで話し合ってくださったそう」

「クランクイン初日は、ジャーナリストを演じるブルゾンちえみ(現:藤原史織)さんとの撮影でした。じつはこのシーン、ほとんどのセリフがアドリブ。ブルゾンさんが岡山弁で話しかけてくれてすごくリラックスできましたし……終始、心地いい空気感を作ってくださった石川監督には、感謝してもしきれません。スタッフの方たちとも、今でもすごく仲が良くて。二十歳の誕生日当日も皆さんがお祝いしてくださって、一緒に過ごしたんですよ」

グランプリは誰? 真剣に予想をしていたオーディション最終ステージ

じつは、初めての映画撮影と並行して、もうひとつのオーディションに挑戦していた鈴鹿。それが、第33回メンズノンノモデルオーディションだ。

「事務所の方に“受けてみる?”と言われ、即決しました。だって、みんなが憧れるメンズノンノですよ! とはいえファッションの知識はまったくなかったので、必死に勉強しましたね(笑)。一番困ったのが、ファイナルステージでのウォーキング。アウターのポケットに手を入れるべきか、出すべきか正解が分からず……結局、前半は入れて、途中で出す方法に逃げました(笑)」

「受かる自信はまったくなかったので、“ラボ シリーズ賞”で名前が呼ばれた時はめちゃめちゃ嬉しかった。次にルークが選ばれ、グランプリは誰になるんだろうな〜なんてドキドキ楽しみにしていたんです。そうしたら、まさかの自分。冗談抜きに、ドッキリなのかと思いました! 事務所の方からも、グランプリだけは絶対に無理だと思ってた、と言われたし(笑)。奇跡としか言いようがないですね」


合格当時、『蜜蜂と遠雷』は制作段階だったため、俳優よりも先にモデルとしてデビューすることに。「初めての撮影は、ルークとの着回し企画。映画の撮影とは違って、撮った写真をその場ですぐに観られるのが新鮮でした。ポージングのアドバイスをいただいて直すと、その結果がまたすぐに確認できる。カメラを通した自分の見えかた、見せかたをきちんと意識できるようになったのは、『メンズノンノ』のおかげです」

ずばり、誌面を見て自分をかっこいいと思うもの?と尋ねると、苦笑い。「ごくたまに、“これいいな”、と思える表情もありますけど……読者として憧れていた先輩方とは、全くレベルが違う。まだまだ成長過程です!」

人生のピーク、もう来ちゃった?

上京から1年、本人の想像をはるかに超える活躍を経て、ついに初出演作『蜜蜂と遠雷』が完成。本人も「ひとりの観客として涙した」という本作品は、各方面で高い評価を受ける。


「自分が映っている台本の読み合わせ動画を見るのは、大の苦手。単純に恥ずかしくて(笑)。だから作品も観たいような、観たくないような、不安を抱きながら完成試写会を訪れました。そうしたら……泣いちゃったんですよ。いち観客として素直に感動したし、映画ってこういう風に完成するんだ、という感激もあったかな。この作品に関われて本当に良かった。観終わったとき、心からそう思いました」

風間塵の天真爛漫な明るいキャラクターを演じすぎることなく、「神童」になりきった鈴鹿。演技派として知られる松岡さんに引けを取らぬ存在感を賞賛され、あらゆる映画賞の新人賞にノミネートを果たす。「事務所の方もすごく感動したようで、“この作品で受賞できたら最高だね”と話していたんです」

「あくまで夢物語でしたが……」という鈴鹿のもとに、第44回報知映画賞の新人賞受賞の連絡が入る。それを皮切りに、第41回ヨコハマ映画祭、第74回毎日映画コンクール、第93回キネマ旬報ベスト・テンと続き、最後は共演した森崎ウィンさんとともに第43回日本アカデミー賞を受賞! 「それはもう、言葉に表せないくらい興奮しましたよ。やばい、人生のピークを迎えたかもしれない! 早すぎるよ!! って感覚でした(笑)」

「ただ、自分だけの力では、これだけの結果を絶対に残せなかった。これらは作品に関わり、右も左もわからない僕を支え、導いてくれた、すべての人の成果なんです。彼らの名前は表に出ないけれど、彼らなくして今の僕はいません。それに気づけたのもありがたいし、その気持ちはこの先もずっとずっと持ち続けていきたい」

僕でも、誰かのためになれるんだ!

以降も『決算! 忠臣蔵』や『NHK連続テレビ小説 なつぞら』と、話題作に続々と出演。徐々に楽しさややりがいを見出していくなか、ドラマ『おっさんずラブ-in the sky-』で「俳優として生きていきたい」と確信する。

「視聴者の方の熱気や愛着を、もっとも感じた作品でしたね。なかでも嬉しかったのが、作品のファンの方たちから届いた“悩みが吹っ飛び、明るい気持ちになりました”、“明日からまた頑張ろう!と元気が出ました”という言葉。画面を通して誰かの人生に関われたこと、そして、僕でも誰かに元気を与えられるんだと知り胸が熱くなりました」

「大袈裟かもしれないけど……僕自身の生きる意味につながったんです。それまでの人生に不満はないし、不幸せだと思ったこともありませんよ! ただ、これほどの生きがいを感じたのは初めてでした。だからこそ、この職業を全うしたい、と強く思ったんだと思います」

「やる気なさそう」ってよく言われるんです(笑)

ベビーフェイスとやわらかな物腰、隙を狙っておどける茶目っ気で、誰からも愛される癒し系キャラ。マイペースに邁進している印象を受けるが、「じつは、こう見えて意外と悩んでいるし、努力もしているんですよ」と笑いながら明かした。

「昔から感情の起伏があまりなく、相手や場面が変わっても、声のトーンも話すペースも一定なんです。緊張していても表情に出ないので、“やる気がなさそう”“器用なタイプ”と言われることもしばしば。自分なりに頑張ってるし、不安もかなりあるんですけどね。今抱えているテーマは、大きく言うと“どう生きて、どう出すか”。まだ答えを模索中で……お酒を飲みながら話したいですね(笑)」


また、俳優になって、より感情を顔に出さなくなったとも。「芸能人として表に出ている時間は、日々の生活のほんの一部。プライベートではそれなりにいろいろあるし、人間だもん、気分を害することだって少なくないです。でも、それを引きずったまま現場に行ったり、画面に出したりすることだけは絶対にしたくない。観ている人に、役やシーンと関係ない感情や人柄を感じ取られてしまうことは、俳優・モデルとして良くないな、と思うので」

「ありがたいことに家族や友達は、そんな僕のことを、とてもよく理解してくれていて。なかでもメンズノンノのモデル仲間は、仕事からプライベートまで理解し合える大切な存在です。同い年の(岸本)ルークや(豊田)裕大、(井上)翔太くんには、いろいろと相談に乗ってもらったり、夜な夜な語り合う仲。『ホリミヤ』の共演をきっかけに、じんたん(鈴木仁)とも仲良くなりました」

原作は気にしすぎない、がモットー

現在放送中のドラマ『ホリミヤ』で鈴鹿が演じるのは、主人公のひとり・宮村伊澄。もうひとりの主人公・堀京子を演じる久保田紗友さん、鈴木仁のほか、同年代の役者がそろう現場は「毎回とびきり楽しくて、あっという間に過ぎてしまった」とか。

「同年代ばかりの現場は、とにかく楽ですね(笑)。『ホリミヤ』のメンバーは本当に仲が良くて、撮影が終わってかなり経ちますが、今でもLINEグループの会話が続いてるんですよ。ドラマを観てくださった方から、よく“アットホームな雰囲気が素敵ですね”と言っていただけるのも、みんなの気持ちがストレートに伝わっている証拠かと」

原作は、シリーズ累計で発行部数600万部を突破している大ヒットコミック『堀さんと宮村くん』。漫画原作の作品は、イメージの相違からバッシングを受けることも少なくない。「よく、不安はある?と聞かるのですが、僕はあまり気にしないようにしています。そもそも、人はその時の感情や価値観で、作品の受け取り方が変わると思うので」

「もちろん、原作は何度も読み、作品の核となる部分はできる限り汲み取ったつもりです! もっともこだわったのは、原作のコマと同じ画角で撮影するシーン。鞄の持ち方や手の位置などを真似するなど、新しい挑戦をしてみました。気づいてもらえるかな? と、ちょうど今ドキドキしているところ(笑)。ぜひ、注目して観てみてください」

大ヒット作の続編『ドラゴン桜』に出演、楽しみながら頑張りたい

3月26日にはスペシャルドラマ『桶狭間 OKEHAZAMA〜織田信長〜』が放送予定。さらに先日、4月からスタートするドラマ『ドラゴン桜』に、東大合格を目指すクラス「東大専科」の生徒役として出演することが明らかに。

前作に引き続き出演する阿部寛さん、長澤まさみさんに加え、生徒役として南沙良さん、細田佳央太さん、志田彩良さんが仲間入りする。オーディションでこの役を勝ち取った鈴鹿は、「大ヒット作の続編ということで緊張はありますが、とにかく楽しむことをモットーに、張り切って撮影に臨みたい」と意気込みを語った。「日曜夜の『ドラゴン桜』を観て、また月曜日から頑張ろう!と思ってもらえるように、僕自身も頑張ります」

また『ドラゴン桜』の撮影期間中に、映画のクランクインが控えているという多忙っぷり。ちなみに2作品を並行して撮影するのは初めてだそうで、「ちゃんとやれるか、今から不安です……」と弱気な発言がポロリ。


ちなみに疲れやストレスが溜まったときの発散法は「お香を焚いて、好きな音楽を聴く!」と答える音楽好き。「最近よく聴いているのは、柳ジョージさん、BTS、小沢健二さん、サム・クック、舐達麻、オアシス……。昔から、ジャンルにこだわらず好きな曲を聴くスタイル。プレイリストがごちゃまぜすぎて、よく突っ込まれます(笑)」

夢は、ソル・ギョングさんとの共演

「映画鑑賞も癒しのひとつかな。インプットのために1日1本のノルマを自分に課したら、いつも間にかルーティンに。どんなに疲れていても、映画を観ないと眠れない体質になってしまいました」。

なかでも好きな作品を尋ねると、瞳を輝かせながら、観た作品を記録しているというアプリ画面に見入る。横から覗いてみると、スクロールの終わりが見えぬほどの充実ぶり!

「じつは、映画が好きになったのはごく最近なんですよ。そもそも高校を卒業するまで、数えられるくらいしか観たことがなかったし。そんな僕が映画のおもしろさを知るきっかけとなったのが、『ペパーミント・キャンディー』。主役のソル・ギョングさんの人間臭い演技は、何とも言えない魅力があるんです。いつか共演してみたい、憧れの人ですね」

そろそろ「リア恋」したいです!

芸能生活満3年を迎えての心境を聞くと、「いくら仕事をしても、どれだけ評価されても、満足することはないと知った」という答えが。華やかなデビュー秘話や輝かしいキャリアを誇りながらも、決して驕らず、地にしっかりと足をつけて歩み続ける鈴鹿が現在、抱く目標とは?

「目の前にある仕事ひとつひとつ、より丁寧に向き合って行きたいですね。夢中になればなるほど他人と比べてしまいがちですが、人はそれぞれ違う育ちかた、働きかたをしている。自分のペースで成長し、自分なりの人生を生きられたらいいなと思っています」

現在21歳。メンズノンノ世代ど真ん中の感覚や感性を生かして、活躍の幅を広げたいとも。「個人的には、映画の世界観をモチーフにしたファッション撮影とか、好きな映画を紹介するコラム連載にも挑戦してみたい。あ、バンドも捨てがたいですね! それから、恋愛もしたいなー。撮影の疑似恋愛も楽しいけど……やっぱりリアルな恋がいい!(笑)」


鈴鹿央士(すずか・おうじ)●2000年1月11日生まれ、岡山県出身。2016年、高校2年生のときに、映画『先生!、、、好きになってもいいですか?』にエキストラ出演。同作のヒロイン・広瀬すずの目に留まり事務所からスカウトされる。2018年、第33回メンズノンノモデル オーディションでグランプリを獲得し、専属モデルとなる。2019年、映画『蜜蜂と遠雷』でスクリーンデビュー。数々の映画賞を総なめにし、以降、話題作に多数出演。

鈴鹿央士プロフィール
鈴鹿央士ブログ

Photo:Takahiro Idenoshita Text:Ayano Nakanishi

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メンズノンノモデルロングインタビュー

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