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映画好きの漫画家・魚豊さんが愛してやまないベストサマームービーは何? 観ると夏ならではの高揚を感じたり、どこかに行きたくなる、そんな衝動に駆られる作品を熱い語りとともに紹介してもらった。
夏は取り返しのつかないことに
玉砕覚悟で挑戦できる季節
僕は酷暑が魂の故郷だと思っているほど夏が大好きな人間です。サンダルと半ズボンでどこまでもいける自由さがあるのはいいですよね。
そんな季節にぴったりの映画が『ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金』です。筋肉・バカ・ドリームの3拍子がそろうエネルギーに満ちあふれた作品で、観れば夏バテも吹っ飛びます。
『ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金』
主人公たちは犯罪者で、やってることは最悪です。ただ、人から見れば「なんだそれ」ということに命懸けで挑むヤツらを僕は嫌いになれないんです。ビッグになりたいという願望は誰にでもあって、彼らは頑張り方を間違えているだけなんだと。そういう人物の描き方は自分の漫画にも通じています。
青春って、何かひとつのことに取りつかれている時期だと思うんです。そのためには何か捨てなくてはならないから切なさもある。あと先考えず計算を無視して取り返しのつかないことをするのが夏なんだと、この作品は教えてくれます。だいたい玉砕するんですが(笑)。それでもいいから何かしようと思わせてくれる、最高の映画です!
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©2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会
『ペンギン・ハイウェイ』
「アニメの世界にホームステイしているような気分を味わえる作品です」。発売元:東宝、フジテレビジョン 販売元:東宝 DVD¥4,180
漫画家
魚豊(うおと)
1997年生まれ。2018年に『ひゃくえむ。』にて連載デビュー。『チ。-地球の運動について-』で高い評価を受ける。
Text:Kohei Hara Shunsuke Kamigaito
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