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【鈴鹿央士の偏愛映画喫茶vol.23】『永遠に僕のもの』11人を殺した美少年! 実話を元にした衝撃作

【鈴鹿央士の偏愛映画喫茶vol.23】『永遠に僕のもの』11人を殺した美少年! 実話を元にした衝撃作

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鈴鹿央士 連載 鈴鹿央士の偏愛映画喫茶 
発表

 実は『永遠に僕のもの』を観直したきっかけは、最近“鈴鹿君の殺人鬼役が見てみたい”と言われたこと。“殺人鬼か……”と考えていたら、前に観たこの作品がパッと思い浮かんで。すぐに思い浮かんだということは、多分、自分の中で何かしら響くものがあったんだろうな。“もしかしたら(殺人鬼役を)、やってみたいかも”と思って、改めて観直してみました。

鈴鹿央士 おすすめ 映画

『永遠に僕のもの』
¥1,257(税込)
発売・販売元:ギャガ
©2018 CAPITAL INTELECTUAL S.A / UNDERGROUND PRODUCCIONES / EL DESEO


実話を元に、あどけない美少年の
連続殺人鬼を描いた衝撃作

 初めて観たのは2、3年前でしたが、改めて観直してみたら、“う~ん、やっぱり僕にはできそうにないかも”と(笑)。そう思うほど、本作で殺人鬼を演じた若手俳優のロレンソ・フェロさんは、美しくてとても強烈でした。

 本作は実話を元にした作品ですが、そうと知っていても「え~っ!?」と衝撃的。何しろ17歳の高校生、カルリートスという美少年が11人も殺してしまう殺人犯なんです。そしてストーリーの仕立て方というか、まず入りがすごくいい。いかにも未成年っぽい少年がタバコを吸いながら歩いてくるので、“え、大丈夫なの!?”なんて思っていたら、バッと柵を飛び越えて人の家に入って、なんか普通に物を盗み始めたりするんですよ。最初のこのシーンが最もハラハラしました。

 “こんな真昼間に人の家に入って、堂々と物色したり、お酒を飲んだりして何やってるの!? ”とビックリするんですが、ここであどけない可愛さが残るカルリートスが“そういう人なんだ!”とわかって、本作の世界観にすんなり入れるんです。一転、家で家族と話をするシーンになり、転校したこと、新しい学校の話や彼女がいるなどの説明もスムーズに流れて、すごく考えて作られているなと思いました。情報過多でもなく、おしゃれなシーンも挟み、画も綺麗で、冒頭から完全に心掴まれました。

 彼、親にも普通に嘘をつくんですよ。でも親も親で、普通は不思議に思うようなことを簡単に信じちゃう。すごく優しく接していて、大して上手く弾けているわけでもないピアノも、“いつも通りすごく上手い!”と、お父さんがカルリートスをメチャクチャ褒めたりして。一人っ子の彼は家庭で孤立してるわけでもなく、ただ天性の嘘つきで、犯罪に関しても生まれもった才能なんだな、と思いました。


不良のラモンとの出会いが
犯罪者の魂を開花させた?

 最初の頃は一人で盗みを働いているだけだったのに、転校先で不良っぽいラモンと出会ったことが大きかったですよね。その出会いのシーンもスゴイんです。学校の前で女の子に目を奪われてるラモンに、カルリートスはいきなりケンカをしかけるんです。“俺がこいつを奪う” みたいな目をして。女の子に夢中になってる、こいつを俺が奪う、みたいな。

 そんなラモンとの出会いが、カルリートスを暴走させたのかな。何しろラモンの家に遊びに行ったら父親が犯罪者で、3人で泥棒するようになるんです。そしてラモンの家で初めて銃を手にしたカルリートスは、強盗に入った先で人を撃ってしまうのですが、その時の反応が“あ、こんなものか” って感じなんです。そこから、なんの躊躇もなくなるというか、普通のことのように人を殺め始めるのがスゴイ。

 何の感情の起伏もなく人を殺し、モノを盗んでしまう。多分、人の命を奪う行為とモノを奪う行為が、カルリートスの中では大差ないような気がしました。普通、殺人を犯すときって、グワっと何か内から込み上げた感情があるような気がするけれど、カルリートスは普通にバンパンって(撃って)終わっちゃう。


独占を望む愛と、欲しいものを手に入れるための犯罪が同時進行する

 本作にジャンル分けしてみると、“クライム・サスペンス・ラブストーリー”なのかな。うん、ラブストーリーの要素は強いと思う。直接的な性愛シーンはないけれど、ラモンもカルリートスのことを好きだったと思います。一度キスをしそうになるけれど、そこから1歩踏み込めない何かがある。もちろんカルリートスの方は、ラモンに一目惚れして以来、好きでたまらなくて、“永遠に僕のもの”にしたかったわけだけど……。

 だから終盤の方には悲しさもある。ラモンと一緒に行った場所や交わした会話を思い出すシーンとか……。それにしても1度は警察に捕まりそうになりながら、“身分証を忘れた”とか言って逃げられちゃったり、なかなか捕まらないのが本当に不思議。実話どおり、遂にカルリートスが捕まったとき、美貌の殺人鬼に民衆が熱狂するんですよね。絶対にダメなことをやった人だし、裁かれるべきだけど、どこか惹きつけるところがあるんでしょうね。

 本作のカルリートスの描写は、実在の人物にだいぶ寄せているみたいです。お洒落なファッションもほぼ同じで。当時の写真を見ると、美少年だしおしゃれだし、世間に激震が走ったというのも確かに分かります。本作の衣装がすごいおしゃれで、フレアデニムがグッチみたいだなって思いました。アディダスのスニーカーを合わせたりして。


美しい映像で描かれる異文化、長い旅のような世界

 最初のシーン、そしてラストシーンも、カルリートスが音楽をかけて踊っているんです。あどけない見た目なのに、踊ると妙にセクシャルな感じが醸し出されていて、いいな~って思いました。踊る姿の美しさやセクシャルな感じとか、若さがその演技にいい味つけを加えているな、とも思いました。すげえな~って。

 本作は“もしも僕が殺人鬼役をやるなら”がきっかけになって観た映画ですが、みなさんも“鈴鹿が殺人鬼役をやるなら”と思いながら観てください(笑)。僕は観終えた瞬間、一つ旅が終わったような感覚――すごい世界に連れて行ってもらったな、という感じがとてもしました。湿気を感じる南米という異世界、異文化から帰ってきたみたいな感覚が残りました。ある意味、良く分からない宇宙人のような人の、ものすごいフィクションみたいな話でしたが、最後まで踊って終わるという幕切れも素晴らしかったですよ!


鈴鹿央士 映画 個人的なツボ

 撮り方、映し方が面白いんです。カルリートスの赤い唇など、鮮やかな色味にも惹かれますが、超アップを多用したカットがすごく面白かったです。僕はあんな“目”のドアップをあまり見たことがないな、と感じました。また目、口、目、その目が見ている先のもの、そしてまた目、みたいに交互に映し出されていったり。ラモンのお母さんと台所にいるシーンで、水を飲んだ後の唇とか、水が溜まっている感じの色をアップで見せていくシーンも、すごく面白かったです。

『永遠に僕のもの』(2018)
1971年、ブエノスアイレス。あどけなくも美しい17歳のカルリートスは、平凡な両親の心配をよそに、住居侵入や窃盗を繰り返していた。転校先の学校で、ラモンという不良っぽい少年に惹かれたカルリートスは、ラモンの家に通うように。そしてラモンとラモンの父と3人で、強盗を働き始める。カルリートスのお陰で次々に悪事は成功するが、ラモンの父親は少しずつカルリートスを危険視するように。そしてラモンに距離をとらせようとするーー。アルゼンチンで実際に起きた連続殺人事件を元にした犯罪青春映画。監督はルイス・オルテガ。

最近は、お芝居以外のこともたくさんしています。
毎週金曜日にラジオがあったり、バラエティ番組に出させていただいたり、充実しています。
ただ、エピソードトークみたいなものがうまく伝えられなくて、かつ本番中は緊張して面白く言えないのが悩みです。テレビに出てる方々の面白さは本当に尊敬してます。頑張ろう。と思っています。
ドラマやバラエティやラジオやメンノン、色んなところに出てるのでたくさんチェックして下さい!

Text:Chizuko Orita

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