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【鈴鹿央士の偏愛映画喫茶vol.21】どこを切りとってもいい! 元気が出る、“人生で何回も観たい”『マイ・インターン』

【鈴鹿央士の偏愛映画喫茶vol.21】どこを切りとってもいい! 元気が出る、“人生で何回も観たい”『マイ・インターン』

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鈴鹿央士 連載 鈴鹿央士の偏愛映画喫茶 
発表

4月という新しい季節の始まりに、ふと思い出したのが、以前観た、アン・ハサウェイ主演の『マイ・インターン』。お仕事を始められる方など、色んな意味で新生活を始める人がたくさんいると思いますが、そんな季節にピッタリだな、と。そう思いながら見直したら、僕、思わず泣いちゃいました。

鈴鹿央士 おすすめ 映画
映画「マイ・インターン」場面写真1
THE INTERN

『マイ・インターン』デジタル配信
ブルーレイ 4,389 円(税込)/DVD 1,572円(税込)
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
©2015 Warner Bros. Entertainment Inc. and Ratpac-Dune Entertainment LLC. All rights reserved.


色んな苦悩もあるけど、前向きになれるお仕事映画

 本作は、主演アン・ハサウェイの代表作である『プラダを着た悪魔』と同じ、“お仕事映画”でもあります。どちらかと言えば、僕は『マイ・インターン』の方が好きかも。何しろ嫌な奴がほぼ出てこない! ヒロインの夫がダメ男で、あんまり庇う気になれないくらいで、とにかく名優ロバート・デ・ニーロ扮するベンに、メチャクチャ癒されてしまうんです。2015年の映画ですが、今、見直しても全く古い感じがしないどころか、「仕事、頑張ろう!!」と思えるし、僕も「こういう環境で働きたいな~」ってなりました。

映画「マイ・インターン」場面写真2
THE INTERN

 物語は、ベンが企業の“シニア・インターン”に応募するところから始まります。ベンがカメラ目線で喋り始めるのでドキュメンタリー形式の映画かと思いきや、インターンに応募するための動画撮影で。それが分かるまでの流れも、すごくスムーズなんです。また、応募者の面談シーンも面白いんですよ。「10年後の夢は!?」とか聞かれ、ベンが驚いて「80歳になった時の夢かい!?」みたいな(笑)。とにかく導入部分から、“面白い映画の始まりだ” っていう感じがしました。

 リズム感よくオフィスを紹介していくカットの、カメラワークもすごくスムーズでシームレスな感じ。スピード感もいいから、一瞬で心を掴まれて。人気ファッションサイトの会社なので、社員もみんなオシャレだし、オフィスもお洒落。そしてクスッと笑えるシーンも結構あって、映画全体がとても洒落た作りなんです。会話も小粋! 後半、ベンとこのオフィスに深い関係があると分かるのですが、そこまで物語がメチャメチャきれいな流れで進んでいくから、明らかになった時“そうだったのか…”と感動しました。


映画「マイ・インターン」場面写真3
THE INTERN

素直で根気強い姿が信頼されていく

 ベンは、アン・ハサウェイ扮するCEOのジュールが起業した会社で働くことになりますが、最初の頃ジュールは、ベンをあまり受け付けない感じなんです。でもベンがスゴイのは、ジュールに使い物にならない老人扱いされても、決してクサらないこと。自分が出来ることを探しているし、周りをよく見ているから、色んなことに気付くんです。そしてある日、ジュールを社有車で家に送ることになるのですが、そこで“一歩前進だ!”みたいに自分に言う姿、腐らず、根気強い姿が、あぁ、すごくいいな~って思いました。

 それでもジュールは、まだ“ベンみたいにいい人って、何か裏があるんじゃないか!?”とか勘ぐったり、色んなことに気付くベンを“目ざと過ぎる”と鬱陶しく思ったり。でもベンが居てくれれば……という場面に何度も遭遇して、ベンの素晴らしさに気づき始め、少しずつ2人の距離が縮まっていく。その感じがとってもいいんです。親密になって自分のいろんな姿を見せたり、悩みを話したりして、信頼関係を築いていく描き方が上手い。

理解し励ましてくれる人がいる心強さ

映画「マイ・インターン」場面写真4
THE INTERN

 そして僕が泣いちゃったのが(笑)、会社が大きくなったことで外部からCEOを呼ぶべきだと声が上がって、ジュールが新しいCEO候補者に会いにいった翌朝のシーン。ジュールがベンの家を訪ねて、「どうすべきか一晩考えたんだけど…」と告白した時に、ベンが言った言葉が響きすぎちゃって、思わず泣いてしまいました。詳しくは観て欲しいのですが、ジュールがどれだけ会社を大切にして来たかわかっていると。「宝石のようなものだ」と……。自分のやってる仕事に対し、そんな言葉を掛けてくれる人って、なかなかいないなぁって。ベン、というかデ・ニーロさんの言葉の厚みや深さが、えげつないなぁ、って!! 観ながら「ありがとうございます」ってなりました(笑)。


映画「マイ・インターン」場面写真5
THE INTERN

年齢を超えたリスペクトが心地よい

 ベンよりずっと年下の若い同僚や上司たちとの関係も面白くて。カノジョと喧嘩した同僚に「直接会って謝るべき」とアドバイスしたかと思うと、軽い下ネタがあったりも。僕、好きでした(笑)。意外に大人な映画だな、って。

 一方でカノジョの方は「長時間働いて、長年頑張ってるのに褒められたことがない」と仕事で悩んでいて、それを聞いたベンは、彼女を励まし、ジュールに資料を持って行った時には「これはあの子が作ったんだよ」と伝えてあげたりして、本当にあったかいんです。

映画「マイ・インターン」場面写真6
THE INTERN

 人に注意するときも、肯定からまず入ってメンツをつぶさない。「そうだね、分かるよ」から入るアプローチや会話術が、本当に勉強になりました。ベンを見ていると、優しさが巡り巡る感じがするんです。“思い”が巡って自分にも返ってくる感じがして、ふわ~っと温かくなりました。

 あんな風に広い視野でみんなを優しくみていて、頑張ってる姿を認めてくれる人がいると、だいぶ救われますよね。支えになるし、頑張れる。1社に1人、本当に欲しいですよね(笑)。そう考えると、新入社員にも観て欲しい映画ですが、むしろ上司の方々に観て欲しい! ベンみたいな人で世界が溢れたら、すっごい平和な世の中になるのになって。


映画「マイ・インターン」場面写真7
THE INTERN

クラシックなファッションも見どころ!

 クラシックなベンのファッションを、若者たちが「素敵だ!」と真似するの、僕も分かります。スーツスタイルも、カシャッて開くアタッシュケースも、すごくステキ。若者が携帯や色んな小物をバッグから出して机の上に置いていくのに対して、ベンがカシャっと鞄を開けて、シンプルにペン、時計、電卓を取り出して並べ、PCを開いて「う~ん、どうやって使うんだろう!?」って(笑)。でも、カッコ良さも垣間見える辺りに、非常に細かい演出がなされていて。出張先に自分のガウンを持参しているのも、うわ、オシャレ~ってなりました。

 きちんと整理整頓されたクローゼットからネクタイを取り出す姿からも、真面目で規律がしっかりした性格がわかりますが、最高だったのはハンカチ。若者に、「ハンカチは手を拭くためじゃなく、女性が泣いたときに渡してあげるために持っているんだよ」みたいなことを言って、やってみせるスマートさには痺れました! 老人と若者、別のバックボーンや価値観を持つ人たちが、お互いにリスペクトを持って接する姿が、すごくいいんです。

映画「マイ・インターン」場面写真8
THE INTERN

時代を反映しつつ今にも通じる問題

 2015年当時は、ジュールが外で働いて、夫が専業主夫をするのって珍しいというか、映画を観ながら色々と変化してる時期だったんだなって知りました。結構、周りのママ友たちが“忙しいのにご飯、作れるの!?”とか嫌味なことを言うんですよね。そんな時もベンが嫌味を封じ込めるように、ママ友たちに“自分の友達がネット界の大物で、誇らしいだろう!? いいなぁ”みたいなことを言ってくれて、さすが~って思いました。そういう要素も取り入れながら、エンタメで昇華しているのも上手い。今は共働きや家事を分担する家庭も増えてきて、社会の変化を感じました。

映画「マイ・インターン」場面写真9

1社に一人、ベンの優しさを

 この映画は、これから新生活を始める時期に観るのにぴったりですが、実はどのタイミングで観てもらっても、元気になれるし、励ましにもなるし、いつ見ても楽しめる映画。実は僕には人生で何回か観たい映画が何本かあるのですが、この『マイ・インターン』も、そのリストの上位に確実に入っている作品です。僕もデ・ニーロを目指しながら(笑)、また観たいです。働いていると色んな問題が出てくると思いますが、そういう時に新入社員も上司にも、是非、観て欲しい映画です。

鈴鹿央士 映画 個人的なツボ

 どこを切り取っても“いい!”って思えるのが本作のツボですね。キャラがみんなちゃんと立っていて、1人1人の物語もちゃんと見えてくる。その脚本の彩りの良さ、切り取り方のセンス、流れのスムーズさ、その中にお洒落な言葉や会話のやりとりがあって、本当に完成度が高い映画だな、と。加えて、時々下ネタが出てくるのも面白くて、そっちにも振れるのか、そういうコメディの入れ方をするのかと、大人こそ楽しめるのも結構ツボです。ベンが初めてマッサージ室に行って、足をマッサージしてもらって気持ちよさそうにしていた時に、眼鏡の新人が入って来て、角度的にイヤらしいことをしている風に見えて“うわうわわわわ”って逃げていくシーンも、僕、一人で観ながらメチャクチャ笑いました(笑)!

映画「マイ・インターン」場面写真10

『マイ・インターン』
ニューヨーク、CEOジュールズ(アン・ハサウェイ)が経営する、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのファッション通販サイト会社に、シニア・インターン制度で採用された70歳のベン(ロバート・デ・ニード)が入社。社内は若者ばかりで最初は浮くが、次第に誠実で公平な人柄やその仕事ぶりで、社内の人気者になっていく。家庭でも問題を抱え、一杯一杯になっていたジュールは、最初はベンを軽んじていたが、次第に頼りにするように。しかし大きな会社となった今、出資者からベテランのCEOを迎え入れるよう進言され、悩み始める。監督は、『ハート・オブ・ウーマン』『ホリデイ』などのナンシー・マイヤーズ。


最近、枕カバーにハマったりしておりまして。
素材や質感で寝心地や朝起きた時の髪の毛が変わるので、とても面白いし、興味深いなぁと思ってます。あんまりたくさん知っているわけではないので、これから大切に使いながら色々試していければなぁとワクワクしています!

Text:Chizuko Orita

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