▼ 広告枠 : front-page archive singular : header ▼

今季欲しいレザーブルゾンもテーラードジャケットも。「カッコいい!」連発で試着しまくり選んだ一着は?【プロが推す東京の古着屋㉝ メモリーメメントリメンバランス】

▼ 広告枠 : singular : article-top ▼

▼ WPの本文 ▼

おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載。前回に引き続き本記事でも、スタイリスト泉 敦夫さんが恵比寿のMemory Memento Remembrance(メモリーメメントリメンバランス)を紹介。

恵比寿
Memory Memento
Remembrance
(メモリーメメント
リメンバランス)

「メモリーメメントリメンバランス」は泉さんの文化服装学院時代の同級生、黒沼悠太さんが昨年5月にオープンした新しい古着店。ピエール・カルダンやケンゾー オムなどヨーロッパのデザイナーズを主軸にしたこだわりのセレクトが魅力だ。

今回のお店を訪ねたのは…

スタイリスト泉さん

スタイリスト

泉 敦夫 さん

愛知県出身。2018年に独立して、ブランドのルックブックやタレントの衣装のスタイリングなど幅広く活躍。シャカシャカアイテムLOVERだったが、最近はテーラードアイテムをサラッと取り入れる大人っぽいスタイルに移行中。ハイブリッドなスタイリングを得意とし、ユーモアあふれるトークでも人を魅了する。

     

【お店の注目ポイント】
テーラードからサーフまで
尖ったセレクトに感嘆の連続

恵比寿の繁華街から離れた住宅街に、2024年5月にオープンした「メモリーメメントリメンバランス」。ファッション業界で10年間のキャリアを積んだ黒沼さんが、フランスのサーフブランド、オックスボウのコレクターと出会ったことがきっかけで古着の世界へと足を踏み入れた。


スタイリスト泉さんと、メモリーメメントリメンバランスの店主黒沼さん

スタイリストの泉さんは学生時代に黒沼さんからオープンしたての代官山Oを教えてもらったことが思い出深く、当時から感度の高さに一目置いていたとか。オンライン、ポップアップでの古着販売を経て、恵比寿に出店したと聞いて、「メモリーメメントリメンバランス」を訪れ、ほかの古着店とは一線を画するセレクトに感動する。

ラックを探るスタイリスト泉さん

「ピエール・カルダンのようなヨーロッパのデザイナーズブランドが充実してはいるんですが、クラシックなアイテムが混じっていたり、オックスボウというフランスのサーフブランドがドンと置かれていたり。ある意味、尖ったセレクトなんです。ブランドやアイテムのストーリーをつぶさに教えてくれる“じいじ(黒沼さんの学生時代のニックネーム)”の語り口にも引き込まれました」と、泉さんが今回推薦に至った経緯を話してくれた。


旬のレザーにも惹かれるものが!

パンツを手に取るスタイリスト泉さん

さっそく端から見ていくことに。「フランスやイタリアが多くて、ほかの古着店には並ばないようなものが置いてあるよね。このパンツは、ベルナール・ザンスだ」(泉)。ベルナール・ザンスは1967年創業のパンツ専門ラグジュアリーブランド。

「それは90年代から2000年代前半のものですね。僕はザンスのエラスタンというストレッチ素材が入っているパンツを積極的に買い付けています。センタークリースがとれにくくて、穿き心地もいいんです」とすぐに黒沼さんが解説してくれる。

ラックを探るスタイリスト泉さん

次のラックではレザーアウターに目を留める。「メンノン11月号でもレザーを特集していたけど、今年はやっぱりレザーが気になるよね」(泉)と、一着のレザーブルゾンを手に取る。「それはキャシャレルというレディースで知られるフランスのブランドの、メンズラインのアイテムです」とすぐに黒沼さんがコメント。


レザーアウターを着るスタイリスト泉さん

「着ちゃおうかな。いいですか?」と、試着して鏡を見ながらディテールをチェックする。「いい感じに切り替えのデザインがきいていて、それこそメンノンぽいデザイン」(泉)「センターにリブの切り替えが入っていて、フロントはボタンで閉められて、中にはジッパーも付いています」(黒沼)。

レザーアウターをまじまじとみるスタイリスト泉さん

泉さんが後ろ姿をチェックすると「背中をつまんで縫製することでふくらみをつくっています。肩部分にレザーを重ねた凝った構造なんですよね」(黒沼)と、すかさず説明してくれる。「カッコいいよね。革がしっかりしているわりにはデザインがゴリゴリじゃなくて。ふむふむ。これは第1候補ですね」(泉)。

この日は「買い物する気で来ました!」という泉さんが、まずはこの一着をキープ。


理想のテーラードジャケットを発見

ラックを探るスタイリスト泉さん

「前に来たときに試着したテーラードジャケットは、まだあるかな?」とラックをチェックする泉さん。入店前に「テーラードジャケットが欲しい」と語っていたが、この日は私服でもテーラードスタイルのアンセルムのアンコンジャケットを取り入れるなど、シャカシャカ&スポーティだった私服姿にも変化が。

ジャケットを羽織ったスタイリスト泉さん

黒沼さんがヴィクターヴィクトリア(Victorvictoria)のベルベットのジャケットをすすめてくれると「コレね! 僕もいいと思っていた」とさっそく試着。「1980年代末からあるコンテンポラリーなデザインが特徴のイタリアのブランドで、通常襟裏にフェルトなどのカラークロスを使うところが共布仕立てになっているんです」(黒沼)と襟裏を見せてくれる。

「襟は立てる派」の泉さんに響いたようで、試着するとサイズもぴったり。「コレコレ! こういうことなんですよ! それこそデニムに合せたりしてね。衿を立てたときカチッとしたテーラードだとやりすぎ感が出ちゃうけど、これなら…」(この後の下りが最高なので、ぜひ動画で!)とテンション爆上がりの泉さん。


ニットについて話すスタイリスト泉さんと、店主黒沼さん

次の泉さんのターゲットはVネックのロメオ ジリのニット。「僕は今、Vネック推しなんだけど、これはVネックの空き具合が狭めで、着やすいタイプだよね」(泉)「マルジェラがファーストシーズンで似たような脱色加工をしていましたが、裏が真っ黒で、色落ちすると光沢が出てくるような加工が施されています」(黒沼)。

ニットを試着するスタイリスト泉さん

試着してみると陰影が付いて、褪せたような色落ちが際立つ。「カッコいいね。肩の力が抜けているシルエットで。こういうのをサラッと着たいんだよね」(泉)「裾がリブじゃないので、Tシャツ感覚でラフに着られます」(黒沼)。黒沼さんが阿吽の呼吸で対応する。


ピエール・カルダンの魅力を再認識

白シャツを手に取るスタイリスト泉さん

続いてはピエール・カルダンがズラリと並ぶラックへ。「ピエール・カルダンは確か、ライセンスビジネスの先駆者だったよね」(泉)「当店が力を入れているブランドのひとつです。うちは本国生産のものを中心に、一部ヨーロッパのライセンス品も買い付けています」(黒沼)「僕もいくつか持っているけれど、メイド・イン・チャイナだった記憶が…」(泉)。

ニットを羽織るスタイリスト泉さん

シャツをお買い上げ候補に指名しつつ、カルダンのマルチカラーのニットにも吸い寄せられ試着。「これもカッコいい! 比翼っていうのが粋だね」と、この日は「カッコいい」を連発する泉さん。

「カルダンはスペースエイジ(1960~70年代の宇宙開発時代)の未来的なコスモコール・ルックが有名なんですが、メンズウェアは日常使いしやすい優れたデザインが多いんですよ」と黒沼さんが解説してくれると、「ここに来ると新しい発見があるよね」と泉さんもしみじみ。


スーツを試着するスタイリスト泉さん

同じラックにあったレノマのスーツを見つけると「前回試着したの、レノマだったかも?」とネイビーのジャケットに袖を通す。「ワー、カッコいいなー。こういうのをサラリと着たいんだよね」と、粋な大人の男を夢見る“少年”のような泉さん。

店主が推すフランスのサーフブランド

ラック越しのスタイリスト泉さん

最後は「じいじが気合いを入れているオックスボウ」(泉)のコーナーへ。「ここで見るまでオックスボウの存在をしらなかった」と泉さん。「1985年にフランスのノルマンディで生まれたフランス初の本格サーフブランドです。ネイティブなモチーフを取り入れていたりするのがユニークで、いい感じにいなたさがありながら、縫製がきれいなんですよね」(黒沼)。

この日黒沼さんが着ていたネルシャツもオックスボウのもの。アメリカのサーフブランドにはない、カルチャーを横断するハイブリッドなアイテムがそろっているのも特徴だ。ちなみにオックスボウは今もフランスで存在感を増し、サーフのほかにもスキー・スノーボードなど、コレクションの幅を広げている。


白いブルゾンを試着するスタイリスト泉さん

泉さんも気になるアイテムに次々トライ。中でも惚れ込んだのがこのフリースブルゾン。「よく見ると編み柄のようなものがうっすらと見えたり、ブランドネームがポケットの上についていたりするのも、かわいげがあっていい」(泉)「テキスタイルやシルエットにまでこだわっていて、細部まで繊細なつくりなんですよ」(黒沼)。

わずか7坪(約23㎡)の店とは思えない、密度の高い商品構成に泉さんのテンションも最高潮だった。

スタイリスト泉さんが
「メモリーメメントリメンバランス」で
選んだ古着5選

回遊中に泉さんが「欲しい!」と唸った5点が並んだが、同時に「メモリーメメントリメンバランス」の商品構成を象徴するラインナップにもなっている。

1_切り替えレザージャケット

90’s キャシャレルのレザージャケット¥39,600
90’s キャシャレルのレザージャケット¥39,600

胸位置にリブの切り替えがあるデザインレザージャケット。「切り替えやフロントの仕様が凝っていて、丸みのあるシルエットにも惹かれました。レザーなのに男くささがなく、モードな文脈でスタイリングできます」(泉)。袖口と裾がリブだから、ブルゾン感覚でサラッと羽織れる。


90’s キャシャレルのレザージャケット 襟のアップ

ボタンを開けるとライダース風で、ファスナーを全部閉じればスタンドカラーに。ファスナーとボタンが併用されているから、衿元にニュアンスがつけやすく、ブラウン×バーガンディの配色も今っぽい。

2_ベルベットのテーラードジャケット

90’s~2000’s ヴィクターヴィクトリアのジャケット¥36,300
90’s~2000’s ヴィクターヴィクトリアのジャケット¥36,300

今シーズン、絶対欲しいと語っていたテーラードジャケット。「ベルベットのジャケットは持っていなかったので、とても新鮮に見えました。デザイン性の強い4つボタンというところも気に入りましたし、ベルベットでもギラついて見えないところが最高でした」(泉)。取材後にすぐに購入していた。

4つボタンのジャケットは「メモリーメメントリメンバランス」が推しているアイテムのひとつ。「機能ではなくデザインとしてエルボーパッチが付いていたり、ディテールにも遊び心がいっぱいです」(黒沼)。


90’s~2000’s ヴィクターヴィクトリアのジャケットの襟元のアップ

実はこのベルベット、よく見るとストライプ柄という凝ったテキスタイル。今季トレンドのブラウンで、遠目には無地に見えるのもさりげなさも魅力。

3_ピエール・カルダンの白シャツ

80’s ピエール・カルダンのシャツ¥24,200
80’s ピエール・カルダンのシャツ¥24,200

メイド・イン・フランスのシャドーストライプのドレスシャツ。「織りでストライプ柄が入っているから、無地の白シャツよりも着やすい気がします。しかもドレスシャツなのに裾がストレートカットで、タックアウトでも着やすいデザインでした。こういうのを今日着ているようなベースレイヤーの上にサラッと羽織りたい」(泉)。


4_ベルナール・ザンスのスラックス

90’s~2000’s ベルナール・ザンスのスラックス¥26,400
90’s~2000’s ベルナール・ザンスのスラックス¥26,400

パンツ専業ブランドのセンタークリース入りスラックス。「テーパードしたストレートシルエットが好みです。ストレッチ混素材ということで、シルエットがきれいに出て、しかも穿き心地もいい1本です」(泉)。今回選んだアウターやシャツとも好相性だ。

5_オールドイングランドのピーコート

60’s オールドイングランドのピーコート¥39,600
60’s オールドイングランドのピーコート¥39,600

1867年にパリで創業し、イギリスのトラッドにフランスらしいエッセンスを加えたスタイルでフレンチトラッドのシーンを牽引したオールドイングランド。「軍モノのピーコートとは一線を画す、洗練されたシルエットにやられました! Vゾーンが狭いデザインも今の気分にばっちり。ソフトに着られるミリタリーアウターです」(泉)。

     

【古着でコーディネート】
ベルベットのテーラードジャケットを
ラフなレイヤードスタイルで

「今シーズンはジャケットを狙っている」と語っていた通り、コーディネートしたいアイテムに選んだのは回遊中にも爆上がりしたベルベットのジャケット。この日着てきた、パタゴニアのベースレイヤーシャツを活かしたスタイリングとなった。


スタイリスト泉さんのコーディネート
90’s~2000’s ヴィクターヴィクトリアのジャケット¥36,300・80’s ピエール・カルダンのシャツ¥19,800

「ドレッシーなアイテムは基本的に、スポーティなものとミックスしてラフに着崩したいと思っています。今日もベルベットのテーラードジャケットにストライプシャツを合わせつつ、インナーにはパタゴニアのベースレイヤーTシャツを入れて、ほどよくドレスダウンしてみました」(泉)。

スラックスと靴、キャップは私服だが、いつもの泉さんよりもグッと落ち着いた大人のムードが加わった。ジャケットは襟を立てるのも泉さん流のポイント。

取材を終えて

少数精鋭という言葉が本当にぴったりな「メモリーメメントリメンバランス」。どれを手に取ってもハズレなしのセレクトに泉さんも、終始ハンテンション。「とにかくモノが面白いし、話を聞くとさらにいろいろな発見があって、欲しくなるものばかりでした。ちょっとコワモテに見えますが、心やさしいオーナーなので、ぜひ足を運んでみてください!」と締めくくった。

ヨーロッパの古着を特定のデザイナーやカルチャーに絞って、セレクトする古着店はまだ少ない。モードにも精通するオーナー黒沼さんの、軽快で奥深いトークにも思わず聞き惚れる。1960~90年代のヨーロピアンファッションを追体験できる、貴重な店だ。今後は新品のセレクトも増やしていくとのことで、乞うご期待。

    

【動画公開中】
泉さんのおちゃめな一面と
黒沼さんの大人対応が
絶妙な動画は必見!

オーナーがかつての同級生ということで、いつにも増してテンション高めの泉さん。気になるアイテムを次々試着して「カッコいい!」を連発する姿が印象的。黒沼さんの的確かつ丁寧な解説に耳を傾けつつ、学生時代の思い出話も飛び出して、「メモリーメメントリメンバランス」の魅力がたっぷり詰まった動画が完成した。

    

SHOP DATA

住所:東京都渋谷区東3-8-22伊藤ビル1F
営業時間:14:00〜19:00(最終入店は18:45まで)
不定休 ※インスタグラムで毎月告知
Instagram:https://www.instagram.com/memory_memento_remembrance/


メモリーメメントリメンバランスの名刺。

Photos : Kaho Yanagi
Movie : Yumi Yamasaki
Movie Edit : Yuki Hayashi
Composition & Text : Hisami Kotakemori

小竹森久美

小竹森久美

エディター

「僕らの永久定番ファイル」や「コレクション速報」などファッションテーマを幅広く執筆。

▲ WPの本文 ▲

▼ 広告枠 : singular : article ▼

▼ 広告枠 : singular : article-center ▼

  • HOME
  • FASHION
  • 今季欲しいレザーブルゾンもテーラードジャケットも。「カッコいい!」連発で試着しまくり選んだ一着は?【プロが推す東京の古着屋㉝ メモリーメメントリメンバランス】

▼ 広告枠 : singular : article-bottom ▼

RECOMMEND

▼ 広告枠 : front-page archive singular : common-footer-under-cxense-recommend ( trigs ) ▼

FEATURE

▼ 広告枠 : front-page archive singular : common-footer-under-feature ▼

▼ 広告枠 : front-page archive singular : common-footer-under-popin-recommend ▼

MOVIE

MEN’S NON-NO CHANNEL

YouTubeでもっと見る

▼ 広告枠 : front-page archive singular : common-footer-under-movie ▼

REGULAR

連載一覧を見る

▼ 広告枠 : front-page archive singular : common-footer-under-special ▼

▼ 広告枠 : front-page archive singular : fixed-bottom ▼