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ああ、花粉症で目がかゆい。
コンタクトをとってしまいたい。
でもこいつがなけりゃ、僕はこの街で余りにも無力だ…。
待てよ?
僕は考えた。
すべてのものがあり得ないほど巨大な星に行けば、コンタクトレンズ無しでも生きられるのではないか?
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紀元前xxxx年。
宇宙を統率する視力エリート星人「2.0」によって各視力星に振り分けられた目の悪い人間たちは、やがて「2.0」に反旗を翻すようになった。
下剋上戦争、通称「メンタマハ・ミナ・シロクロ戦争」の始まりである。
視力星「0.01」はとても大きな星。でも視力0.01以下の人々が集められちゃってるから、窮屈なんだ。
よく見えるようにモノが大きく作られているんだけど、遠くにあると思ったモノにぶつかったり、人身事故は日常茶飯事。
それらは「ぶつかっちゃう事故」として処理され、一日当たりの件数は60億にものぼるという。
コジコジ的な、なんとも倒錯した世界観である。
宇宙ヒエラルキーのトップに君臨するのが、「2.0」の連中。
彼らのスローガンは「弘法、目を選ばず」。
表向きは聖人気取りで平等を謳っているのだけれど、内実、彼らに慈愛精神なんて発想は毛頭ない。
あるとき、こんな噂が流れた。
視力星「2.0」には小さくて高価なものが優先的に集められている、って。
「2.0」の人にしか見られない細かさに財宝を砕き、他の星から不法に輸入しているらしい。
彼らのターゲットは、広大な土地と資源を持った大きな星。
そう、「0.01」星だ。
それに気づいていなかった「0.01」の間抜けさといったら!
しかし「2.0」の悪い噂が一旦流れ出すと、聴力だけは異常に発達した「0.01」の間で、それは光のように伝わっていった。
0.01軍団「メンタマハ・ミナ・シロクロ! 2.0モ、コウゾウオナジ!」
心に闇を抱える人間の団結力は、凄い。
遂にその日がやってきた。
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