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人気BL漫画を実写化したドラマ『あなたを殺す旅』が、FODにて好評配信中。ヤクザ組員同士の絆と愛を描いた本作で、和田雅成さんとメンズノンノモデルの髙橋大翔がダブル主演。BL作品に初めて挑んだ二人が、原作を読んだ感想や役作りでのこだわり、熱く語り合ったという撮影秘話までを聞いた。
細かく考察しながら
原作を何度も読み込んだ

──『あなたを殺す旅』で初共演したお二人。まず、同名の原作漫画を読んだ感想を教えてください。
髙橋 今作は僕にとって、初めて読んだBL漫画でした。セリフが少なく絵を楽しめるような構成で、読み手に判断を委ねる箇所が多くて。ストーリーそのものの面白さに加えて、キャラクターの感情を考える作業が、僕的にはすごく楽しかったです。あと、想像以上にラブシーンが多くて、めちゃめちゃ刺激的でした(笑)。
和田 あははは。僕も一度だけでは咀嚼しきれない部分がたくさんあって、何度も読み直しました。このコマってどんな意味があるんだろう?というように、細かく考察しながら読み込まなければいけない、いい意味で一癖も二癖もある作品で、とても魅力を感じました。

──今作で和田さんはヤクザの若頭·片岡を、髙橋くんは片岡の命を狙う若手組員·小田島を演じています。ヤクザ同士のラブストーリーという新鮮な設定に加えて、アクションシーンからコミカルなシーン、ラブシーン、ダークなシーンとコロコロと移り変わる構成で、演じるのが大変だったのではないでしょうか。
和田 そうなんですよ。全体を通じてかなり苦労しましたが、中でも片岡という人間性を理解するのに時間がかかりました。片岡って、誰に対してもフレンドリーに接する一方で、誰にも本心を明かさないんですよ。会話をしている時も、どの言葉にも感情がこもっていない印象を受けて。僕なりに考えた結果、片岡は愛を恐れるがあまり、執着を手放したのだと理解しました。本当は愛に飢えているんだけど、裏切られるのが怖いから、その感情に蓋をしているんじゃないかな。
髙橋 えっ!! 和田さんの片岡の解釈、初めて聞きました!
和田 役者ってセリフをもらうと、そこに想いを込めたくなっちゃうじゃん? でも、そうすると片岡らしさが消えてしまう。彼の人間性をきちんと表しつつ、棒読みに聞こえないような表現を見つける作業が大変でした。
髙橋 なるほど。僕自身は、小田島として、親友の朝日に対する想いを高めることに注力しました。朝日を失った時の悲しさを、いかに自分に落とし込めるかが、小田島という役を演じる上で不可欠だと感じたので。2ヶ月ほど朝日のことばかりを考えて過ごしたので、朝日を失う場面を演じた時は自然と頭に血が上って、涙が止まらなくなりました。その瞬間に、ここまで気持ちを持ってこれたんだ!とホッとしたし、頑張ってきてよかったと思えた。自分自身の、そしてこの作品の自信にも繋がりましたね。
それぞれが演じた役には
異なるかっこよさがある

──本作は漫画の実写化ということで、原作のキャラクターに見た目を寄せる作業も大変だったのではないでしょうか。
髙橋 めちゃくちゃ悩みました。ヤクザという役柄なので、ひと目で「この人はちょっと違うな」と感じられるようにしなければいけない。原作を参考にしながら、もっと尖った目つきにしようとか、背筋をピンとさせようとか、頭から爪先までつねに意識しながら演じていたのですが、わかりましたか?
和田 大翔が細部までこだわって演じているのは、めちゃくちゃ感じられたよ。熱心な姿を見て、俺も心強かった!
──情に厚く誰とでも心を通わせてしまう人懐っこさを持つ片岡と、感情を表に出さずミステリアスな雰囲気を放つ小田島は、対照的なかっこよさがあります。同性として憧れるのは、どちらのキャラクターですか?
和田 僕は片岡ですね。先ほども少し触れましたが、片岡は自分の本心を誰にも明かさない。相手と本音で話し合いたい僕とは、真反対のキャラクターなんです。本音を言わない人間って冷たい印象を受けますが、片岡はちゃんと相手をケアしつつ、あえて自分の意見を言わないところに、成熟したかっこよさを感じられました。そういう、さりげない気遣いができる大人に僕もなりたいな、と憧れます。
髙橋 僕が憧れるのは、小田島のように寡黙で淡々と仕事をこなせる人。シンプルに、男としてかっこいいなって思う! ただ、友達や先輩としては片岡のような人が好きです。リアルに小田島のような人がいても、無口すぎて仲良くなれない気がするから(笑)。
和田 あはは、確かに通じ合えなさそう。
髙橋 自分とかけ離れた存在だからこそ、憧れるのかもしれないです。脚本をいただいたとき、俺、小田島を演じられるのかな!?って不安でしたもん。

──今作での共演が決まって初めてお会いしたというお二人。もともと、お互いにどんな印象を抱いていましたか?
和田 結構濃厚なシーンが多い作品なので、実際に会うまでは楽しみでもあり、不安でもあり。いい子だといいな~と思いながらネットで調べたら、想像していたよりも若くて驚きました。
髙橋 僕もネットで調べて、イケメ~ン!というのが第一印象でした。
和田 おい、おちょくってるな?(笑)
髙橋 マジですよ! 9歳も離れているので最初はドキドキしていましたが、初めてお会いした時の雰囲気がとても柔らかかったので安心しました。逆に、会うたびに「めっちゃ兄貴!」と感じることが増えていって。周りを見て、みんなが感じていることを代表して言葉にしてくれることが多く、現場を引っ張っていく力がある方だな~と。同じ主演という立場でしたが、和田さんにリードしていただくことばかりで、僕にとっては頼りになる兄貴そのものです。
和田 僕は、クールな子だな!というのが第一印象。人見知りしていた部分もあるかもしれないけれど、大翔が演じた小田島の役柄にハマっていて、ちゃんとプライベートでも役を意識しているんだな、と感心した記憶があります。打ち解けると徐々に素顔が見えてきて、愛嬌のある可愛いらしい人だと感じました。
髙橋 そうだ、思い出した! 僕らの役柄的に距離感を保っていた方がいいと思って、あまり自分からガンガン話しかけないようにしていたんです。
現場では雑談が絶えず
熱い話をした思い出も

──とある騒動をきっかけに、片岡と小田島が行方をくらます旅へ出るところからストーリーが展開する今作。冒頭は特にお二人でのシーンがとても多かったですが、絆が深まったのを感じられた瞬間はありましたか?
髙橋 撮影が始まるまでの間に、本読みやアクション練習などでお会いする機会が多かったから、ある程度は打ち解けた状態で撮影に挑めました。そのおかげで、現場に入ってからはすぐに仲良くなれましたよね!
和田 そうだっけ?
髙橋 ちょっと!!(笑)
和田 あはは、冗談だって。撮影の前に飲みに行ったりする機会はなかったけど、仲良くなりすぎちゃうと役柄的にも大変だっただろうし、いい距離感だったと思う。ほぼ順撮りで進められたから、僕ら自身と並行してキャラクターも絆を深めていく感じで、すごく演じやすかったです。
──撮影の空き時間は、どんなことをして過ごしていましたか?
髙橋 ずっと雑談してましたよね。 熱い話もしましたし。
和田 そうだね。特にフェリーでの撮影中は、ずっと喋ってた気がする。作品のこともそうだし、今後、自分達がどうなっていきたいかとか。
髙橋 タイトなスケジュールで撮影していたので、なかなか深い話をする時間がなくて。フェリーでの撮影が終わってから港に着くまでの移動中、初めてガッツリ話せたので嬉しかったです。

──和田さん演じる片岡は夏らしいシャツスタイルが多かったですが、撮影は夏に行われたのでしょうか。
和田 5月から6月にかけてです。港町は山に囲まれていたからか、むっちゃ寒くて。待ち時間はベンチコートを着て、カイロで暖をとっていました。柄シャツは普段あまり着ないので、衣装も新鮮でしたね。
髙橋 柄シャツめちゃめちゃ似合ってましたよ!
和田 じゃあプライベートでも取り入れてみようかな。
髙橋 ぜひ、雪駄(せった)とセットで着てください。
和田 雪駄は勘弁してよ! 撮影中に日焼けしたら雪駄の鼻緒の跡がくっきり残っちゃって、大変だったんだよ。
髙橋 あははは。僕は、この作品のために体を鍛え始めて、今も続いてるんですよ。年1回のペースでトレーニングしなきゃいけない作品が入るから、せっかくだし本腰入れて頑張ってみようかなって。シンプルなTシャツを着た時のシルエットが変わってきて、いい感じです!
和田 めっちゃ分かる! 胸の厚みがあると、シンプルなTシャツを着ただけでサマになるよね。
髙橋 そうなんですよ。冬が来てTシャツを着なくなった時に、モチベーションが下がらないか不安です……。
ヤクザとして生きる男同士が
絆を深めていく様子に注目して

──『メンズノンノ』読者に向けて、本作の見どころを教えてください。
和田 男性って、なんだかんだヤクザものに惹かれますよね。ヤクザとして生きる男同士の熱い友情とか、仲間との絆とか、泥臭いシーンも嘘偽りなく描いている作品なので、ぜひその点に注目してほしいです。
髙橋 アクションシーンあり、かっこいい漢気を感じられるシーンありと、これまでBLを観たことがない方にも楽しんでもらえる作品に仕上がっていると思います。ラブストーリーではあるけれど、ど直球の胸キュンシーンを描いているというよりは、人間同士が絆を深めていく過程を描いているような感じ。片岡や小田島というキャラクターの生き様にも感銘を受けると思うので、ぜひ観てほしいです!

──次に共演する機会があったら、どんな作品·役を演じてみたいですか?
和田 うわ~、悩むな!
髙橋 和田さんが教師で、僕が生徒はどうですか?
和田 ああ、いいね! 俺が熱血教師で、大翔が反抗期の生徒。安易に想像できるわ。歳の離れた兄弟役で、弟が犯罪に手を染めちゃう、みたいなストーリーも良くない?
髙橋 俺、もう和田さんをお兄ちゃんとしては見れないです。
和田 いやいやいや、俺たち役者だぞ!
髙橋 えー。じゃあ、お兄ちゃんの命を狙う役で(笑)。
和田 俺、また命を狙われるの?(笑)ま、それはそれで面白いかもね。楽しみにしてるわ!
取材当日は髙橋の誕生日!
サプライズパーティをキャッチ

取材が行われた当日は、髙橋の25歳の誕生日。取材の合間に、ドラマのスタッフ一同によるサプライズパーティが開催された。
次の取材が始まると聞かされていた髙橋が会議室に入ると、スタッフや取材陣がクラッカーを鳴らしてお出迎え。お祝いの言葉とともにケーキを渡され、満面の笑みを浮かべた髙橋。さらに、和田さんからレイバンのサングラスをプレゼントされ、その場で試着するはしゃぎっぷりを見せた。

『あなたを殺す旅』
出演:和田雅成、髙橋大翔、遊屋慎太郎、堀 海登、寺中敬輔、中林登生、工藤俊作、小沢真珠
原作:浅井西『あなたを殺す旅』(徳間書店Charaコミックス/コルク)
監督:上條大輔
脚本:高橋ナツコ
制作プロダクション:アンリコ
制作:「あなたを殺す旅」製作委員会 (カルチュア・エンタテインメント フジテレビ)
●FODにて毎週金曜20時より最新話配信中
情に厚く侠気もあり、多くの組員から愛される若頭の片岡(和田雅成)。しかし、とある騒動をきっかけに、ほとぼりが冷めるまで行方をくらます旅に出ることに。そんな片岡の世話役を任されたのは、かつて組長の付き人をしていた組員·小田島(髙橋大翔)だった。実は “裏の使命”として、桐井から跡目争いに邪魔な片岡を「殺せ」と厳命されていた小田島。 7年前の抗争で起きたある事件を境に、片岡に対して強い憎しみを抱く小田島は、使命と復讐心を胸に、片岡と旅に出る。
公式HP:https://www.fujitv.co.jp/drama_anakoro/
Models:Masanari Wada Hiroto Takahashi[MEN’S NON-NO model]
Photos:Takahiro Idenoshita
Hair & Make-up: Moe Aritoh(for Mr.Wada) NOBUKIYO(for Takahashi)
Stylist: Shuichi Ishibashi(for Mr.Wada) Shogo Ito[sitor](for Takahashi)
Interview & Text:Ayano Nakanishi
[和田さん]ジャケット¥286,000・シャツ¥52,800・パンツ¥60,500(すべてセヴシグ)/サカスピーアール シューズ¥88,000/ディスカヴァード リング¥33,000・イヤカフ¥25,300(プリュイ)/プリュイ トウキョウ
[髙橋さん]すべてスタイリスト私物
[問い合わせ先]
・サカスピーアール
TEL:03-6447-2762
・ディスカヴァード
TEL:03-3463-3082
・プリュイ トウキョウ
TEL:03-6450-5777
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