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100年の冬眠生活を終えると、そこには……。コダマタイチの「東京物語」

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昨年末に横浜から引っ越してきた町にもようやく慣れはじめ、コインランドリーやCDショップの場所も覚えた。幼い頃に憧れ、眺めていた東京に今、僕は腰をおろしている。

 
フウ。イテッ! ここ、絨毯がないんだった。心虚しき上京物語よ。トホホー。

 
 
ひと通り自由に生かされ、自由に殺され、散々振り回されてきたってのに、それでも反省しないでまた自由を欲しがっているとは。私は哀しい生き物さ。

 
この時間になると、よくボブ・ディランの『転がる石のように』が聴こえてくるから、うるせーと思いながらも口ずさむ日々。泣けるぜよ。ディラン愛しちゅうよ。

 
さ、もういい大人だし、ふらっとバーに立ち寄ってみたりしてさ。そこで僕はこう言うんだ。「バーボンのJ.T.Sをくれ。グラスはいらない」ってね。気分は天才ハスラー。勝負はしない主義。あらら、また呆れられた。相手をしてほしいだけなんだ。僕の日本語に誤りがあったなら深く謝罪するよ。寂しがり屋なんだ。あんたは違うのかい?

 
それから店を追い出され、僕は100年間の冬眠生活を終えた。
 


 

商店街で久しぶりにテレビ放送が目に入ると、そこではニュースキャスターが早口言葉で未来の話をしていた。慌ててチャンネルを変える。宇宙服のコマーシャル。一体何が起こったんだい。からかうんじゃねえさ!

 
自宅のマンションが無くなっている。代わりに小型の円盤がいくつも並べられていて、看板には“駐盤場”と書かれている。チクショウ、何もかもが変わっちまった。

 
渋谷まで出てみた。巨大なスクリーンに僕が映っていた。道に落ちた両目を拾って付け直すと、そこには「謎の失踪から100年。伝説の男、兒玉太智」とあった。

 
「2016年7月13日、THE TOKYOが2ndアルバム『陽気なステップ』を発表した直後の事件」「今、東京の若い世代を中心に再評価」「日本各地に広まる勢い」「THE TOKYOリバイバルは社会現象」──。

 
あまりにも立派な自分の将来に、僕は膝から崩れ落ち、天を仰ぎ、左手に“人”という字を書いて飲み込むと、気を失った。

 


 
目覚めたら、そこは見覚えのある自分の部屋だった。絨毯のない床に寝そべり、ブログを書きながら眠ってしまっていたのだった。

 
陽気なステップ』を聴いて、皆も東京物語を夢見てほしいな。

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