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精神科医のゆうきゆう先生に聞く
アンチに負けない方法
学んだことをもとに、いざ言い返そうとしても、いきなり実践は難しい。勇気を出す方法や、言い返した後のフォローはどうすれば?
精神科医
ゆうきゆう先生
ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックグループ総院長。東京大学医学部医学科卒。著書に『ちょっとやそっとじゃ「凹まない」技術』(三笠書房)など。
言い返す勇気が出ないなら
イメトレをしておこう
数々の反撃法を学んできたが、すぐに身につけられるわけではない。言い返したいけど言い返せないと悩んでいる場合、まずは「傷つけさせない」ことからめざしたほうがいいそう。
「相手の発言を鵜呑みにしないということを心がけましょう。例えば相手の発言が正しくないことなのに、相手に強く言われたことにより心のどこかで認めてしまうと、相手の意のままに振る舞ってしまうことがあります。これはピグマリオン効果といい、例えば“あなたは細かいミスをする人だ”と注意され続けると、実際はミスをしないタイプの人も細かいミスを繰り返すようになるのです。そうならないためにも、“それはあなたの言い分で私はそう思っていない”と割り切ってください」
また、「相手の攻撃を機能させないことも重要」と、ゆうき先生。
「あなたが落ち着いた態度でいればいるほど、相手は手応えを感じられず、がっかりします。相手のペースに乗らず、落ち着いて話すことを心がけましょう。攻撃してくる人は自分に自信がないタイプだと思えば、心に余裕ができるはず」
どうしても言い返す勇気が出せないという人は、訓練から始めよう。
「まず、“言わないほうが後悔する”ということを覚えておきましょう。“言い返せなかった”と反省するのではなく、“次はこう言おう”と学習しておくとモヤモヤは軽減されます。イメージトレーニングで構いませんので言い返す練習を繰り返しておくといいと思います」
また、言い返すことは、必ずしも反撃することとイコールではないとも。
「言い返すときの目的は“自分自身の心を守るため”であり“相手を傷つけること”ではありません。決して感情的、攻撃的にならないように注意しましょう。一歩引いて自分の感情を見つめる。意識的に自分を俯瞰(ふかん)する視点を持つ、ということが大切です」
言い返してスッキリした後
穏便に済ますためには…
とはいえ、事を荒立てたいわけではない。相手に敵対心を抱かせないように言い返すためにはどうすればいいのか。
「こちらから何かを言う場合は、『あなたは○○だ』というような表現(YOUメッセージ)ではなく『私は○○だと思う』といった表現(Iメッセージ)をすると相手にも伝わりやすく敵対心を抱きにくくなります」
また、日常の振る舞いで、敵対心を和らげておくことも重要だそう。
「例えば、挨拶だけでも毎日交わすよう心がける、何かあったときには“ありがとう”と感謝の言葉を伝えるなど、常に接点を持ち続けることで相手は心を開いてくれる可能性が高くなります。それでも相手が変わらなかったら距離をとることを覚えておくことも必要です」
心穏やかに
アンチに言い返すための3か条
相手を傷つけるためではなく、自分のモヤモヤを晴らすために言い返すなら、自分も相手も穏やかでいられる方法を選ぶべき。そのために守るべきこととは?
1 相手のペースに乗せられないようにする
アンチは一方的に攻撃し続けてくることも多い。まずは落ち着いた態度で対応し、自分のペースに持ち込むこと。
2 感情的、攻撃的にならないよう自分を俯瞰する
相手を傷つけるためでなく、自分がスッキリするために言い返す。そのためには、客観的に自分を見つめ、冷静に対処しよう!
3 「私は○○だと思う」と“Iメッセージ”で伝える
「自分はどう感じたか」という感想ベースで言い返すと、相手も受け入れやすい。主語を自分にした言葉選びを。
さらにテクニックを知りたいなら!
『マンガ版「言い返す」技術』著:ゆうきゆう、マンガ:Jam(三笠書房/¥1,320)
Illustration:Sanpei Hirado Composition & Text:Miki Higashi
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