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元「男闘呼組」、現在は「Rockon Social Club」「NARITA THOMAS SIMPSON」のボーカル&ギターを務める成田昭次の自叙伝が1月15日に発売された。成田が自叙伝を出すと決意した理由とは?
貼られたレッテルと闘い続けた物語
伝説のロックバンド男闘呼組のボーカル&ギター・成田昭次の初となる自叙伝『人生はとんとん―成田昭次自叙伝―』が発売された。

20歳だった成田が、高橋和也、岡本健一、前田耕陽と男闘呼組としてデビューしたのは1988年。和暦で言えば昭和63年。巷ではアメカジブームが起こった頃だった。
いつの時代も変わらないことがある。
例えば現代の若者がZ世代と大雑把に括られレッテルを貼られることに辟易しているようなこと。40年近く前、若き日の成田昭次、そして男闘呼組の物語は、まさに期せずして貼られたレッテルと闘い続けた物語だった。
デビュー年、彼らは日本レコード大賞の最優秀新人賞を受賞、紅白歌合戦にも初出場を果たしている。それでも彼らは常に世間から“偽物”のレッテルを貼られた。
80年代後半、アメカジと時を同じくして巻き起こったのが、第2次バンドブームだった。全国の多くの中高生がギターを手にし仲間を集めバンドを組んだ。そんな中、アイドル出身の彼らは常に偽物だと敵視される。
当時、男闘呼組のメンバーは、街を歩けばケンカを売られた。本書で、成田はこう振り返っている。
「どこにいっても喧嘩が絶えなくて。でも、『これはこれでいいんだよ』って。俺たちは、“男が闘いを呼ぶグループ”だ。バンド名通りなんだ、受け止めようぜって。やっぱアイドルがバンドやってるってことで、目の敵にされたのかな。でも、俺たちには俺たちのやり方しかないんだから、だったらもう空き缶投げつけられたって胸張って堂々やってる方がカッコいいじゃんって。あの頃、たとえそれが虚勢であろうと、胸張るしかなかったんですよ」
“栄光と挫折”では終わらず、
再生の物語へ

男闘呼組は異端の道を進んだ。自分たちが本物のロックバンドであることを証明するために。
そのエピソードのひとつとして、成田、高橋、岡本の3人は当時、今以上にレッテルを貼られただろうタトゥーを入れている。しかも、CM撮影のために訪れたロサンゼルスで。岡本は、「これを入れて仕事なくなったら、そこまでの人間だったんじゃんって。もし常識外れっていうなら、俺たちが常識変えてやる」と堂々と胸を張った。
さらに成田は男闘呼組の人気絶頂期、1992年に結婚をしている。本書で成田は結婚について「普通な流れというか当然のことだと思ってました」と語っている。
「中学時代から交際していた相手ということもあって、事務所からも『カッコいいじゃない』って」
ただ、男闘呼組はデビューからわずか5年で活動休止を発表。しかも、直後に控えた全国ツアーのチケットは完売という状況での発表に、多くのファンは困惑した。
必然だったのか、運命だったのか。活動休止の理由をメンバー4人が、それぞれの視点から生々しく語る。

成田はその後、離婚、大麻所持で逮捕、芸能界を去ることになった。
大人になれば隠したい過去のひとつやふたつ誰しもあるはず。開ける必要のない記憶の扉を、語る必要のない後悔の数々を、成田は本書であえて包み隠さず語っている。
執行猶予3年の判決後、地元・名古屋に戻った成田は40代にして大工となる。その時、元アイドルという肩書きは、有名税というには重すぎる足枷となった。
その後、材木屋、工場で働く。時にはハローワークへ足しげく通い、何度も不採用になった経験すら持っている。
それでも、成田は真っ当な人生を送ろうと、ひたむきに日々を過ごした。その日々は、芸能界に身を置いていた日々と比べれば、魅力的なイベントや、驚くような事件が起こるわけではない。ともすれば、“平凡”という一言で片付けられそうな日々を、くさすことも、嘆くこともせず、淡々と丁寧に成田は過ごしたことが語られている。
そして、成田の物語は“栄光と挫折”では終わらず、再生の物語へと続く。
『人生はとんとん』は、
よくある成功譚ではない
ある出来事をきっかけに、岡本を中心に「男闘呼組再始動」の計画が動きだす。「もう一度、男闘呼組を」と誘われた成田は葛藤の末、音楽活動の再開を決意し再上京を果たす。
10年を越すブランク。当然、音楽活動だけでは糊口をしのげない。成田は、とんかつ屋の厨房に立ち、とんかつを揚げ続け、寸暇を惜しんでギターの練習に励んだ。

そして2022年、男闘呼組は約30年ぶりとなる奇跡の復活を遂げる。
人は歳を重ねるうちに現実を突きつけられ、意図的にあるいは無自覚に夢を諦める。安定の心地よさを知るほど、気づけば一歩踏み出すことができなくなっていく。たいていは「家庭があるから」「もういい年なんだから現実を見ないと」と、あたかもそんな判断を下すことこそが大人であるかのような錯覚にすら陥る。
ただ、成田は言う。
「僕は52歳、普通なら『いい歳して』と後ろ指を指されるような年齢で、もう一度音楽を志し上京しました。無謀にも思える挑戦でしたが、もしも男闘呼組の再始動のチャンスがありながら挑まなかったら、死に際に確実に後悔するなと思ったんです。このまま死ねないなって。
いくつになろうとも、挫折があろうとも、社会や家庭に責任を持ちながら、夢を追う事はできるのではないか。失敗と後悔ばかりだった僕の半生を描いた自叙伝だからこそ、何かに挑戦することを躊躇う人の背中を押す一助とならないだろうかと思ったんです」
『人生はとんとん』は、よくある成功譚ではない。「この瞬間まで、人生の選択をすべて間違えてきたようにも思う」と語る成田が、自身の人生における「ありがとう」の数と「ごめんなさい」の数を、とんとんにしようとあがき続ける冒険譚であり、今なお共に歩み続けるメンバーとの友情譚だ。
この本を手に取った誰かの背中を押すことができるはずと、成田昭次は信じている。
Text:Mitsuhiro Mizuno Photos:Kuniaki Imura
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