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【鬼滅の刃インタビュー】石田彰、宿敵・猗窩座の変化を演じきる。強さを表現するのに「必死になってはいけない」

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炎柱・煉獄杏寿郎の仇であり因縁のある上弦の参・猗窩座を演じる石田彰。鬼殺隊に絶望感を植えつけるほどの強さを誇る鬼をどうつくり上げたのか。

石田 彰がめざす、
猗窩座の圧倒的強さ

石田彰さん
石田彰さん プロフィール画像

声優

Akira Ishida

11月2日生まれ、愛知県出身。『新世紀エヴァンゲリオン』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』(渚カヲル役)、『機動戦士ガンダムSEED/SEED DESTINY』『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(アスラン・ザラ役)などに出演。

 

猗窩座の強さを表現するのに
必死になってはいけない

─炭治郎の宿敵でもある上弦の参の猗窩座は、石田さんにとってどんなキャラクターでしょうか?

「最初の印象は、『無限列車編』で突然登場して、やたらと上から目線の高圧的な態度を取り、それまでのいい流れを全部ひっくり返して去っていくという鬼で、すごく面白い出方をするキャラクターだなと思いました。不遜に見えるところが、『そうそう、ヒールはこうでなくちゃね』とも思わせてくれたので、『敵としてすごく印象的な登場ができたキャラクターだな』と感じた部分はありました」

─確かに印象的な登場でしたね。そして炎柱の煉獄杏寿郎を倒す底知れない強さを見せました。そんな猗窩座を表現するにあたって、演技の根底に置いていたものは何ですか?

「上弦の参ということで、初めから圧倒的な強さを押し出していくことが必要で、そこをちゃんと表現しようと意識していました。自分が普段務めている役のイメージや、そもそもこの声質もあると思うのですが、パワープレーが効くようなキャラクターを演じることはそれほどなくて。僕が敵役をやると『実際強いけど、カロリーをあまり消費しないタイプのキャラクター』であると思われているんだろうなと、僕自身も感じていたんです。そんな中、猗窩座はストレートにフィジカルで押していく、あまり演じることのないキャラクターでした。観ている人に猗窩座の"強さ"に対する説得力を与えるために、自分にとって"不慣れである強さ"を前面に出さなきゃいけないという覚悟が生まれました。ビジュアルや、行動は強そうに見えるけど、しゃべり始めたらあまり強そうじゃないよね……と思われたら台無しですから」

─まさに、この強敵を炭治郎たちは倒さなくてはいけないということに観ている誰もが愕然としました。不慣れだという強さを、圧倒的な強さに変換するために、特にどんなことを考えて役に臨んでいたのでしょうか。

「猗窩座の強さの証って自分が思うに"余裕"だと思うんです。やり慣れないパワープレーキャラなので、自分は必死になって演じているんですけど、その必死さが透けて見えてしまった途端、『こいつ、なんか余裕ないな』と思われてしまう。なので、そこは自分に嘘をついてでも『全然平気だけど、何か?』みたいな姿勢はくずさない。僕が実践する強さは、そういう引き算で表現するのがより合うなと思ったんです。また、猗窩座は対峙する相手が強ければ強いほど戦いを楽しんでいるので、相手が必死になるほど、猗窩座の余裕で楽しんでいる様子がギャップになっていって、観ている人にとって『こいつには敵わないかも』といった印象につながってくれる。なので、戦うことを心底楽しむことはお芝居に必要でした。宮野(真守)くんが演じる童磨もある意味楽しんでいるけど、向いている方向が違って、また別の怖さがありますよね」


猗窩座 1
猗窩座 2

猗窩座 3

炭治郎と水柱の冨岡義勇を前に、滾る猗窩座。炭治郎の成長を感じた猗窩座は、杏寿郎が遺した言葉「この少年は弱くない 侮辱するな」を認める。圧倒的強さ。石田がいう“余裕”を見届けてほしい。

炭治郎に対する感情の
変化が生まれた瞬間がいちばん
大事な場面だと感じた

─今作に臨むにあたって以前より意識したこと、変えたことはありますか?

「基本はそんなに変えていません。鬼殺隊が大挙して攻めてきたところで、全然平気だし、『いつでもひねりつぶしてあげるけど』という変わらずのスタンス。ただ、炭治郎個人に限っては別。かつては杏寿郎の力を認め、一方で雑魚だと思っていた炭治郎と、拳と剣を交わすうちに『こいつ、強くなってるかも』を通り越して、炭治郎に対する認識が変化していく様子が描かれています。その気持ちの変化は意識して演じました。台本で最初にそのシーンのセリフを読んだときも『これは猗窩座にとって、そして鬼滅の刃にとってポイントになる部分だな』と考えていました。アフレコ現場でも、『ここ、すごく大事! 自宅でやってるときにもそう思ったんだよ』と意識しながら、さらに心血を注いでお芝居に向き合っていました」

─今作を演じる前と後で、石田さん自身に起きた変化はありましたか?

「猗窩座も他の鬼のように過去が描かれます。ぜひ劇場で見届けてほしいのですべては語りませんが、最初は個人の感覚として、彼が道を外れた生き方をすることを選んでいるのを容認できないでいました。でも今作を最後まで演じた今は猗窩座を前向きに肯定してあげられる気持ちになりました」

『劇場版「鬼滅の刃」無限城編
第一章 猗窩座再来』

『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』

来たる鬼との決戦に備えて、炭治郎たちが柱による合同強化訓練“柱稽古”に挑んでいる最中、鬼殺隊の本部である産屋敷邸に現れた鬼舞辻無惨。お館様の危機に駆けつけた柱たちと炭治郎であったが、無惨の手によって謎の空間へと落とされてしまう。炭治郎たちが落下した先は鬼の根城である無限城。広大な空間を探索する中で、炭治郎は煉獄杏寿郎の仇である、上弦の参・猗窩座と再び対峙する。鬼殺隊と鬼の最終決戦がついに始まる。
●全国にて公開中。

 

Interview&Text:Hisamoto Chikaraishi[S/T/D/Y]

力石恒元

力石恒元

エディター

ファッションからインタビューテーマまで幅広く執筆。音楽、映画、カルチャー、ガジェットなどに精通。

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