▼ WPの本文 ▼

「“ひらやすみごっこ”がしたくなる。
癒しと涙のほのぼの物語」

『ひらやすみ』1〜9巻
真造圭伍(小学館)
29歳のフリーター・生田ヒロトと従姉妹の美大生・なつみが、近所のおばあちゃん・和田はなえから譲り受けた平屋を舞台に繰り広げるヒューマンコメディ。『週刊ビッグコミックスピリッツ』にて連載中。
マユリカ・中谷のマンガは、ずっとトモダチ
以前、ラジオで俳優の岡山天音さんとご一緒したんです。穏やかで気取らない方で、すぐにファンになりました。岡山さんは、主演ドラマ『ひらやすみ』の世界からそのまま出てきたような人柄なんです。一緒にいるだけで癒される。そんな彼の影響で、ブームの後追いですが、原作の漫画のファンにもなりました(笑)。あらすじは、フリーターの生田ヒロトが従姉妹のなつみと平屋で2人で暮らすというもの。大きな事件は特に起こることなく、友達のヒデキと軒先で花火したりと平和なストーリー。でもその中に、お金はなくても時間だけがある時期特有の楽しさが詰まっていて、自分の“人生の夏休み”にも思いをはせたくなる。僕が大学を中退したときに泣きながら「芸人頑張れよ」って送り出してくれた友達のことを考えてしまいました。
背景描写も没入感を生む理由。舞台の平屋はヒロトが近所のおばあちゃんから譲り受けたものなのですが、キッチンに玉のれんがあったり、食器や鍋が昭和なデザインだったりと、細部までリアル。真造先生は、「どこに何を置くか」をまとめた“設定画”を作り込んでいるんじゃないでしょうか。
「ヒロト君は〇〇だと思いました」のような説明文が多いのも特徴。表情やセリフで感情表現する漫画が多い中、ストレートに書くのが斬新です。でもそれがナレーションの役割を果たすから、のんびりした物語でも“間”が持つ。発明やと思います。
のほほんとした雰囲気の中、ホロリと心を揺さぶられることもある本作。忙しくてブームに乗れなかった人ほど、読んでみてほしいです。僕はハマりすぎて、縁側でぼーっとする“ひらやすみごっこ”を計画中(笑)。そのときは大学時代の友人を招きたいな、なんて思ったりしますね。

©真造圭伍/小学館
平屋の前で記念撮影するヒロト(左)となつみ(右)。

Nakatani
2011年に相方の阪本と、お笑いコンビのマユリカを結成。ポッドキャスト番組『マユリカのうなげろりん!!』が大人気。自らも漫画を描いており、『シャンプーハット』が小学館新人コミック大賞の佳作を受賞。
Text:Koki Yamanashi
▲ WPの本文 ▲



















