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心震えるストーリーと圧倒的な作画で世界中にファンを抱える漫画『僕のヒーローアカデミア』。堀越耕平先生が描きおろした緑谷出久&爆豪勝己のオリジナルビジュアルが表紙を飾った『メンズノンノ』8・9月合併号増刊では『僕のヒーローアカデミア』を総力特集!ぜひチェックを。
目次
1|教えて、堀越耕平先生! 『僕のヒーローアカデミア』×『メンズノンノ』スペシャルQ&A!
教えて、堀越耕平先生!
昨年完結した人気コミック『僕のヒーローアカデミア』の原画展開催を記念して、作品とも深い縁のある(!)メンズノンノとのコラボが実現。原作者・堀越耕平先生へのQ&Aをお届け!

PROFILE
堀越耕平
1986年生まれ。2007年に『赤マルジャンプ』にて「テンコ」で読み切りデビュー。過去の作品に『逢魔ヶ刻動物園』『戦星のバルジ』など。14年に『週刊少年ジャンプ』にて『僕のヒーローアカデミア』の連載を開始し、24年に完結する。
Q. 影響を受けた映画を教えてください。
A.『スター・ウォーズ』シリーズです。
中学生の頃に「エピソード1」を観て、斬新なクリーチャーデザインに惹(ひ)かれました。お気に入りは、腕で二足歩行するダグ族のセブルバ。ダグ族のジェダイがいたらと考えてたりしました。ちなみにヒロアカの第1話に登場する「田等院(たとういん)」駅は惑星「タトゥイーン」のオマージュです。
Q. 連載中によく聴いた音楽は?
A. 邦ロックです。
執筆中は描いているシーンの“主題歌”のような音楽を自分の中で設定していました。例えば敵〈ヴィラン〉連合のトゥワイスとヒーロー・ホークスが一騎打ちする場面は、Yellow Studsの「夜空に願いを」を聴いていました。トゥワイスのような“哀愁”を歌詞の端々に感じるんですよ。ダークな世界観のバンドが好きで、学生時代からのお気に入りはsyrup16gのアルバム『COPY』です。

Q. スニーカー好きの堀越先生のお気に入りは?
A. この3足です。
どれも高かったです…!! トラヴィス スコット×ナイキの「エアジョーダン6 レトロ」(右上)は、用途不明なポケットがついているところが好き。「スリから貴重品を守るためかもしれない」などと想像するのが楽しいです。イレブン バイ ボリス ビジャン サベリ×サロモンのブーツ(左)は、ミリタリー調なデザインが好み。ゴアテックスとレザーの異素材コンビが最高です。エンダースキーマのヌメ革スニーカー(下)は8年ほど前に購入。店頭にある経年変化したサンプルにひと目ぼれ。オイルを塗って大切に履いているので、味のある色になりました。(3足とも堀越先生の私物)

Q. ファッションが好きな登場人物は?
A. 通形(とおがた)ミリオです。
ロカビリーファッションが好きそうなイメージがなんとなくありました。14巻のおまけページではミリオの私服も描きました。ボウリングシャツに細身のデニムパンツをはいて、ドクターマーチンのようなレースアップブーツを合わせたスタイリングです。ちなみに登場人物の私服は、実際に描いてみてしゃべらせていく中で固まっていくことも多かったです。

2|山下大輝と岡本信彦、ふたりは戦友。『僕のヒーローアカデミア』原画展開催を記念したスペシャル対談が実現!
昨年完結した人気コミック『僕のヒーローアカデミア』の原画展開催を記念して、作品とも深い縁のある(!)メンズノンノとのコラボが実現。アニメ版の声優による対談をお届け!
山下大輝と岡本信彦
ふたりは戦友
アニメ版でデク(緑谷出久(みどりやいずく))を演じる山下大輝と、爆豪(勝己)(ばくごう(かつき))役の岡本信彦がメンズノンノに登場。主人公とライバル、二人の目線で語る原作の魅力や原画展への期待を聞いた。

山下大輝(左)
声優・歌手
静岡県浜松市出身。アーツビジョン所属。『僕のヒーローアカデミア』緑谷出久や『弱虫ペダル』小野田坂道など少年役で人気。第8回(2013年度)声優アワード新人男優賞を受賞。好物はハンバーグ。
岡本信彦(右)
声優・歌手
1986年生まれ、東京都出身。2022年からラクーンドッグ代表を務める。『僕のヒーローアカデミア』爆豪勝己や『葬送のフリーレン』ヒンメルなどを演じる。声優アワード新人・助演男優賞受賞。好物はスイーツ。

ラジオ収録終わりにストイックすぎる卓球対決!
──山下さんは初登場、岡本さんは約1年ぶりのメンズノンノへの登場ですね。撮影はいかがでしたか?
岡本 昔は撮影って苦手だったんですけどね(笑)。この10年で大輝くんとの撮影もたくさん経験して、今は楽しめるようになりました。
山下 僕も声優って裏方だと思っていたので「こんなことまで……!」と思いましたもん。でも普段なら着ないような服で着飾らせてもらえますし、僕も今では素直に楽しんでいます。
岡本 今回の大輝くんのダブルパンツシステムにはびっくりしたよ。
山下 そう。パンツの下に短パンをもう1枚はいているんです。そんな発想なかったので驚きましたが、めちゃくちゃカッコいいです。

──ヒロアカの世界にも『メンズノンノ』が存在しますが、デクや爆豪は読みそうですかね?
山下 デクはオールマイト関係の記事は100%全部読んでいますね。
岡本 爆豪は読まないんじゃないですかね(笑)。オールマイト情報が載っていたら読むかもですが、自分からは誰にも言わなそうですよね。
山下 でも「かっちゃん、あれ見た?」「おめぇより先に読んどるわ!!」は想像できる。
岡本 それでいえばプロヒーローのベストジーニストは何らかの形で関わっていてほしいよね。
山下 ジーンズしか紹介しない連載やっていてほしいな。「この着こなし、違法デニムだ!」
──お話を伺っていても感じますが、お二人はこの10年で本当に仲よくされていますよね。
山下 肉もパフェもよく食べに行っていますよ。そういえばこの前は卓球に行きました。
岡本 スピンオフ作品の『ヴィジランテ』キャストの梅田修一朗くんと弊社所属の長谷川育美と4人でね。長谷川が元卓球部という話を聞いていたのでずっと前から行きたいねって話してて。先日夜頃にラジオ収録があったんですが、終わってから「まだ時間あるし、今から行こうか」と(笑)。
山下 しかも超ストイック。1試合終わるとすぐに「はい次!」って、ひたすら試合を回しまくる。なにかの修行みたいでしたね。
岡本 長谷川がとにかく強くて、結局一度も勝てませんでした。我々も卓球部出身ではない人間の中では結構強いほうだと思うんですけどね。
山下 (岡本)ノブさんはいやらしい戦い方だったなぁ。みんな負けず嫌いだから、楽しかった。
岡本 それでただ卓球で汗を流して、ご飯も食べずに「じゃ、お疲れさまです」って解散です。
堀越先生の描く物語に負けない熱量
──なんてストイックな……! でも声優って相当体力を使う仕事ですよね。
山下 それはヒロアカの現場のおかげかもしれない。こんなに叫ぶ現場、他にないです(笑)。
岡本 叫びすぎで背中がしょっちゅう筋肉痛になるんです。特に第7期以降はみんなボロボロの状態で戦い続けてるから、ディレクターさんに「ちょっとそこでダッシュしてきて」って言われて、ヘトヘトになった状態からさらに絞り出す、みたいなことをよくやっていましたね。特に第1期3話のオールマイトの修行パートで、大輝くんが100本ノックみたいにして雄叫(おたけ)びをあげていたのが忘れられない(笑)。
山下 あのシーンはかなり長回しなんで、かなりしんどかったです(笑)。マイクの前で20回腕立てとかも普通でしたよね。でも堀越先生の描く物語に引っ張られて現場も自然と熱くなる。スタッフを含めた全員で上をめざすぞって雰囲気の現場なんです。
岡本 演技中、酸欠でフラッと倒れちゃいそうになる光景だってもう見慣れました。正直に言って終わってほしくない。ここまで体当たりで臨むような熱量の高い現場、もう二度とないかもしれないって本気で思います。

「堀越先生の描く物語に自然と熱くなるんですよ」
──アニメシリーズがスタートしてから当時と今とでお互いの印象に変化は?
岡本 大輝くんはさらにすばらしい役者になりましたよね。デクを演じてきたおかげのような気もしています。10年間、“ヒーロー”として、人を救うために命をかけることを求められ続けながら、積み重ねてきたものって半端じゃない。ディレクターさんをはじめとするスタッフやヒロアカという物語によって、常に“プルスウルトラ”してきた。そこから生まれたモンスターですよ(笑)。
山下 わははは! モンスターって(笑)。
岡本 あんな叫び普通できないですよ。ヒーローらしい自己犠牲の精神なんだけど、どこか常軌を逸した部分がある。でもなぜか負のオーラはまったく感じさせない。その境地に達することってなかなかできないなと思います。
山下 今の話を聞いて改めて思ったんですが、ノブさんって人のことをすごくよく見てるんですよね。あるとき「大輝くんって頑固だよね」って言われたことがあって。そこで初めて気づいたんですよ。冷静に人のことを観察、分析されている。それが人を導く力にもつながっているようにも思います。
岡本 僕も昔はもう少し斜に構えていたというか、“ポイズン”だったんですけど(笑)。でも、大輝くんの頑固さは結構すごくて、ディレクターさんからの演技の指示に対しても絶対に曲げようとしない部分が必ずあるんですよ。こんなに柔和な人柄なのにブレない芯の強さを持っているところもデクのキャラクターとリンクしているように思います。
──お二人とも性格としてキャラクターに近い要素を持っているんですね。
山下 ノブさんは爆豪と違って超平和主義者ですけどね。
岡本 そうですね。爆豪と違ってケンカは絶対したくないです(笑)。
Photos:YUKI KAWASHIMA Hair&Make-up:NOBU[HAPP’S] Stylist:RUI Composition:Koki Yamanashi Text:Daisuke Akai
3|「“バトルもの”は苦手だったのに夢中になれました」 生見愛瑠のヒロアカ愛、語らせて!
ヒーロー・敵〈ヴィラン〉問わず登場人物が魅力的で、読めば誰かと語りたくなる。ヒロアカを愛する生見愛瑠が熱く語り倒す魅力とは?

芯を持って笑顔で生きるミリオに憧れます。

悩み、戦うヒーローに見るボロボロの美学
確かな演技力と“ヒロアカ愛”で、2024年には劇場版『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』のオリジナルキャラクター、アンナ・シェルビーノの声優に。生見愛瑠さんが惹かれたのはヒーローの“生きざま”だ。
「“バトルもの”は苦手だったのに、ヒロアカには夢中になれました。カッコいいヒーローの中に峰田(実)(みねた(みのる))みたいな癒し系もいて。ハラハラするだけじゃなく、たまに和めるんです。
好きなエピソードは、デクがプロヒーローのサー・ナイトアイの下でインターンをするところ。後半で敵〈ヴィラン〉組織の『死穢八斎會(しえはっさいかい)』と戦うのですが、ラストが切ないんです。ナイトアイは未来予知できる“個性”によって、人の最期がわかるなど、“知りすぎる”ことに悩んでいる。彼の生きざまを見たら、『先ばかりを見ても仕方ない』『現在と向き合うことで未来を変えていこう』と思えるようになりました。
ナイトアイの事務所でインターンをしていた通形(とおがた)ミリオも大好き。『死穢八斎會』編でヒーローにとって命ともいえる“個性”をなくしてしまうんです。それなのにずっと笑顔なのがカッコいい。最強のヒーロー・オールマイトとはまた違った強さを感じて、どうすれば彼のように芯を持って生きられるのだろうと憧れます」
Photos:YUKI KAWASHIMA Hair&Make-up:Hikaru Sakaki Stylist:Natsumi Sato Composition&Text:Koki Yamanashi
4|こっちのけんとのヒロアカ愛、語らせて!「最後のほうは毎週泣いていました(笑)」
ヒーロー・敵〈ヴィラン〉問わず登場人物が魅力的で、読めば誰かと語りたくなる。ヒロアカを愛するこっちのけんとが熱く語り倒す魅力とは?
あの名シーンをプレイバック
ヒロアカ愛、語らせて!

アルバムをめくるように
何度も読み返せる作品です。

余白と共感を楽しめる、一生ゾッコンなバイブル
「ずっとヒロアカにゾッコンだったんです。特に最後のほうは毎週泣いていました(笑)」
開口一番にあふれる想いを語ってくれたのが、公式スピンオフシリーズ『ヴィジランテ』の主題歌「けっかおーらい」を手がけたこっちのけんとさん。ヒロアカは連載初期から何度も読み返し、さまざまな“考察”をしていたという。
「登場人物の“余白”に注目したくなるんです。例えば、人を洗脳する“個性”を持つ心操(人使)(しんそう(ひとし))。序盤に初登場したときは能力の強さを自覚しながら、自分を信じ切れない未熟さも伝わってきたんです。でも中盤で再登場したときには考えや戦い方が成長している。多くは描かれないけど、悩んでもがいたことはわかるんです。『心操はこの期間、どう過ごしたのか?』と、セリフや設定などから考えるのが楽しかったですね。
そんな深読みをするくらいの“バイブル”的な存在なのでヒロアカの原画展が決まった感想は『本当にありがとう』のひと言でした。自分の内面を形成するシーンが目の前にでっかく現れるって、もはやパワースポットですよね。僕が堀越先生の作画で好きなのは、“泣き笑い”の表情。印象的なのは、最終決戦で敵〈ヴィラン〉連合のトガヒミコが見せた顔。戦いのしんどさと、何かから解放された脱力感が同時に伝わってくるんですよ。あの柔らかくて複雑な表情をどうやったら描けるのか、本当に不思議です」
「けっかおーらい」には、自身の内面を重ね合わせ、圧倒的な熱量を込めたという。
「主題歌を担当させてもらえたときは、これまた泣きそうなほどうれしかった。『ヴィジランテ』の主人公・(灰廻)航一((はいまわり)こういち)は戦いに不向きな、床を滑るという“個性”の持ち主。『自信はないけど、自分なりのやり方で人の役に立ちたい』という彼の気持ちに共感できるんです。『けっかおーらい』は、航一とこっちのけんとをどちらも象徴できる曲をめざしました。例えばサビの頭の『おっと!』で、“頼りになるけど、たまにおっちょこちょい”な感じを表現しています」
Photos:YUKI KAWASHIMA Hair&Make-up:Miho Mizuguchi Stylist:Yoshiaki Komatsu Composition&Text:Koki Yamanashi
5|「堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』原画展」が凄すぎた!圧倒的クオリティの原画にメンズノンノモデルも夢中に!
東京・京橋「CREATIVE MUSEUM TOKYO」にて、「堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』原画展」が8月31日(日)まで開催中。その魅力を、原作の大ファンである高橋璃央、樋之津琳太郎、小方蒼介がレポート!
「堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』
原画展」レポート

レポート動画はこちらをチェック!
10年の軌跡を振り返る貴重な原画展!
原画展はPrologue areaと5つのZONEで構成。作者・堀越耕平先生による貴重な原稿のほか、ネームや線画、描きおろしイラストなど、合計550枚以上が展示される。作品の世界観に浸れるだけでなく、圧倒的な作画が生まれる過程も知ることができる、ファンにとってはたまらない機会だ。
まず3人が訪れたのは「Prologue area」。『ヒロアカ』の作中で起きた出来事をデザインしたオリジナルタブロイドと、ジャンプコミックスのカバーイラスト41点がずらり。

「『ヒロアカ』という作品全体の目次を見ているようです。10年間の連載でこんなにいろいろな出来事が詰まっていたと改めて実感できるし、アートのようなデザインや照明の使い方もカッコいい! 最初のエリアなのに先に進めないくらい、素敵な空間です(笑)」(高橋)

大迫力の1/1スケール“黒デク”フィギュアが
展示
次のエリアは“Zone1 「架空(ゆめ)」は「現実」に。”。主人公・緑谷出久(通称「デク」)とNo.1ヒーロー・オールマイトの出会いから、作品の主な舞台である国立雄英高校への入学、そしてさまざまな事件や学校行事などを振り返る。堀越先生がアナログで手掛けていた原稿をメインで展示、その圧倒的な描き込み量に注目だ。


「序盤に起こったできごとが春夏秋冬で分けられていて分かりやすい。ちょうど僕が『ヒロアカ』を読み始めたころの原画もあって、当時のワクワクが蘇ってきました。お気に入りは、1-Aのみんなが入寮した日に(蛙吹)梅雨ちゃんが直前の戦いを回想して涙するシーン。登場人物の繊細な心の動きを感じてグッときます」(樋之津)

“Zone2 「ヒーロー飽和社会」の終焉。”では、雄英高校の生徒やプロヒーローと敵(ヴィラン)連合によるラストバトル・第二次決戦の直前までの原画を展示。堀越先生の作業工程がこの時期から変わり、原稿の仕上げ作業がデジタルになる。嬉しいのが、アナログで描いたネームや線画などの“中間生成物”も公開されているところだ。中には「週刊少年ジャンプ」に掲載されるまでに大きく構図や台詞が変化していくものもあり、堀越先生の意図を想像しながら見るのも楽しい。

「線画とは思えないくらいクオリティが高くてびっくり。堀越先生にはどんな世界が見えているのだろう、と考えてしまいました」(小方)
「Zone2」最大の見どころは、1/1 スケール“黒デク”フィギュア。ボロボロになりながら孤独に戦う主人公・デクを、さまざまなヒロアカのフィギュア製作に携わるWATANABE×RENが手がけた。精巧な造りや禍々しい存在感に思わず息を呑む。

「しゃがんで子供の目線になるとちょうどデクと目が合うように作られているらしいんです。床に爪の跡がついていたりして、間近で見るとゾクっとするような迫力。作中でデクに助けられた子供の気持ちが伝わってきます」(高橋)

Photos:Yuichi Sugita Stylist:Yuta Fukazawa
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