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【鈴鹿央士の偏愛映画喫茶vol.25】「愛」について考える。実は何度も泣いてしまったラブストーリー『ビューティー・インサイド』

【鈴鹿央士の偏愛映画喫茶vol.25】「愛」について考える。実は何度も泣いてしまったラブストーリー『ビューティー・インサイド』

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鈴鹿央士 連載 鈴鹿央士の偏愛映画喫茶 
発表

 この作品は、「なにか映画でも観ようかな」と探していたらおすすめリストの下の方に出て来て、“朝起きるたびに人が変わるラブストーリー”って書かれていたんですよ。「え、どういうこと!?」って興味が沸いて観た作品です。そうしたら、あの『梨泰院クラス』のパク・ソジュンさんが出ていて「あ、パク・ソジュンさんだ!!」と思いながら観ていたら、思いのほか感動しちゃいました。

鈴鹿央士 おすすめ 映画

『ビューティー・インサイド』
ブルーレイ:¥2,200(税込)/DVD:¥1,257(税込) 発売中
発売・販売元:ギャガ
(C) 2015 NEXT ENTERTAINMENT WORLD. All Rights Reserved.


「目覚めるたびに違う人」!? ファンタジーな設定ながら考えさせられる作品

 物語は、すっごいフィクションで斬新な設定なんです。“朝起きるたびに人が変わる”っていう説明のとおり、主人公の男性キム・ウジンは、目が覚めると見た目がまったく別人になっているんです。性別も国籍も年齢も多種多様な違う人になってしまう。中身は20代中盤の男性のままですが、見た目は全くの別人。だからキム・ウジンという人物を、なんと123人の俳優が演じたそうです。

 そのファンタジー的な前提に素直に入り込めれば、メチャクチャ感動すると思います。ハマるかハマらないかでこの作品に対する感想は全く変わると思いますが、僕は完全にハマっちゃった人なので、2、3回くらい涙がこぼれてしまいました。ウジンの部屋には、新しい人物になった時のために、眼科にあるような各度数の眼鏡のレンズがあったり、靴も服も年齢性別様々なものが取り揃えてあったり。そのあたりの描写もあるので納得して観られました。

 ウジンは人に会わずに仕事ができる家具デザイナーとして生計を立てていて、親と一人の親友以外、深くつき合わずに生きているんです。学生の時にこの状況になり、最初は親友にさえ打ち明けられなかったのですが、初めて親友がウジンの事情を知った時のエピソードも、上手いというか、すごく面白くて。親友が訪ねて来た日、ウジンは年配のおばさんになっているのですが、親友は、中身がウジンだと気づいてくれ、その信じられない状況に納得するんです。

 多分、僕が親友からそんなことを打ち明けられたら、きっと「大丈夫!?」なんて言ってしまいそうだけれど、ウジンの親友はバカウケして、おばさん姿のウジンを見てゲラゲラ笑っちゃって(笑)。あんな風に爆笑して笑い飛ばしてくれると、なんか別に大したことじゃなくなるっていうか。こんな親友で本当に良かったな、って思いました。


「好きな人にイケメンで声をかけたい!」

 そうやって人に会わずに生きているウジンが、アンティーク家具店で働くイスという女性に恋をするんです。ウジンは毎日、別人になって家具屋さんに通います。自信が持てる容姿になる日を待ちわびながら。遂にパク・ソジュンの姿になったウジンは、イスに声をかけるんです。「お寿司とステーキ、どっちがいい?」と聞く、そのデートの誘い方もよかったです!

 それからパク・ソジュン姿のウジンは、必死で眠らないように頑張ってウジンと会い続けるのですが、もちろん数日しか続かなくて……。ずっと寝ていないから電車の中で居眠りしてしまい、少しして目を覚まして窓を見たら、やっぱりまるで別人になっているんです。

 また会う約束をしていたのですが、次の日、待ち合せ場所に行ったウジンを、当たり前ですがイスは分からなくて……。まるで違うオジさん姿になったウジンを演じているのは、これまた色んな作品に出ている有名な俳優、キム・サンホさん。ウジンはイスに声をかけられないのですが、好きな相手が自分に気づいてくれない状況が、どうしようもなく切なかったです。そうか、やっぱりこういうことになるんだな、って。でも、このシーンは泣くのをギリ耐えました(笑)。

 その後、イスもウジンが抱えている事情を知ることになり、理解した上でつき合い始めるのですが……。『ビューティー・インサイド』ってタイトルのように、外見じゃなくて中身、内面を見つめることが大事だとわかっていても、すごく複雑ですよね。イスはウジンの内面が好きだから、外見がどんどん別人に変わってもしばらくは上手くいくのですが、それもいつまでも続かなくて……。

愛する人の顔を思い出せないつらさ

「あの人と何を食べて、どこに行って、ハグして。そういうことは覚えているけれど、あの人の顔が思い出せない」と、イスが泣きながらお姉ちゃんに訴えるシーンは、思わず僕も泣いてしまいました。外見に固執してるわけじゃないけれど、愛する人の顔を思い出せない辛さ、その実体のなさ。人って何をもって愛するっていうのかなとか考えるとすごく複雑で……。例えば出先でもし愛する人が事故に遭ったら、その人をもう見つけられないわけじゃないですか。

 もし自分がイスの立場だったらと考えたら、ずっと好きでいられる自信……あるとは言えないかもしれない。せめて1週間とか1ヶ月、同じ見た目でいてくれたらイケると思うんですが、朝起きて「今日はこんな感じか」って確認して、ようやく慣れ頃はもう寝る時間になっていて、起きたらまた別の人っていうのは、なかなか難しいですよね。いくら中身は変わらないと言っても、さすがに1日は短すぎる!!


 しかも、2人きりだったら大丈夫かもしれないけれど、それこそ周りになんて説明するのかな、とか色々考えてしまいました。イスも、色んな人とつき合っていると誤解され、周りから誹謗中傷されたりするんです。やっぱり精神的にも調子が悪くなってしまいますよね。

それぞれの苦悩があり、この不思議な恋の行方は…?

 単なるベタなラブストーリーではなく、ウジンとイスのお互いの苦悩もちゃんと見え、2人が悩んでいる時間もすごく丁寧に描かれていました。2人の幸せな時間もたっぷり見せた上で、迷ったり苦しんだりしている時間もたっぷりあって、そのバランスもよくて。しかも家具屋さんと家具デザイナーという、2人が家具で繋がっている設定が、嫌味じゃないお洒落さで、すごく居心地が良い感覚を覚えました。

 また音楽も、すごくよかったです。2人が、スピーカーがたくさん付いている家具に座ってレコードを聴くシーンがあるのですが、アコースティックギターの音色ってやっぱりいいなぁ、周りが木に囲まれた音って温かいな、と。そんな素敵な瞬間が描かれていて、羨ましくなりました。ウジンのことを「寝ないで、寝ないで!!」とハラハラしながら観ることもあれば、キュンキュンするシーンもたくさんあるんです。相手がどんな見た目になっても、それぞれちゃんと「あ、好きなんだな」って思わせる瞬間瞬間がイスにあって、ブレずにそれを感じさせてくれた女優さん、いいなぁって思いました。

 ブッ飛んだ設定ですが、導入も丁寧でうまいので、きっとノレると思います。観たことのない物語という新鮮さに加えて、色んな要素がバランスよく入っていて、色んなことをたくさん考えさせてくれる、とても好きな作品でした。最後に僕が泣いたシーンを告白すると、お姉ちゃんにイスが泣きながら訴えるシーンと、ラストシーンです。2人の恋がどんなラストになるのか、楽しみに観て下さいね!

鈴鹿央士 映画 個人的なツボ

 目覚めるたびに別人に変わる、ウジンが変身するところを見せない、というのがツボでした。123人の一人として、上野樹里さんが登場するのですが、その上野さんがウジンを演じているパートで、朝、イスが目覚めてパッと起きた時に、上野さんの姿が映っているのですが、イスがウジンを見た次の瞬間、「え!?」って驚いた顔をするんです。多分、イスはその1回だけ、別の見た目のウジンへと変身する瞬間を見たんだな、って思いました。僕ら観客には変身は見えないけれど、多分イスは変身を見て、驚いた時のリアクションをしていたように感じて。変わった瞬間を見たということが、その驚きだけで表現されていて、逆にそれが際立っているように感じました。その辺りも、上手いな、よかったな、と感じました。


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『ビューティー・インサイド』(2015)
家具デザイナーのウジンは、18歳のある日、目覚めるたびに外見の全てが変わる不思議な症状に見舞われてしまう。人と会う仕事ができないウジンは、ネットを通じて家具デザイナーとして活動し、人気の存在に。ウジンの事情を知るのは、母と1人の親友だけ。ある日、アンティーク家具専門店で働くイス(ハン・ヒョジュ)に恋をしたウジンは、お店に通いはじめる。そして遂にイスをデートに誘い、ロマンティックな3日間を過ごす。しかし徹夜も限界になったウジンはうっかり寝てしまいーー。ウジンをイ・ボムス、イ・ヒョヌ、パク・シネ、コ・アソン、イ・ジェジュン、イ・ジヌク、ユ・ヨンソクほか123人の俳優が演じる。監督はCM界で活躍、これが長編デビューとなるペク。


家具の話題が出ましたが、最近、高さ調整ができるソファーを買ったんです。買う時に自分の身体に合わせてカスタマイズしてくれるというか。基本の高さからソファの足をプラスマイナス4センチずつくらい調整できるんですが、そんな家具があるなんて初めて知りました。自分用にカスタマイズするという経験をして、この映画も観て、家具に対するちょっとしたアイディアをなんか形にしたいな、なんて思ったり。お家時間をちゃんとしようと思っているので、充実してきたレコードを聴きながら、夜は間接照明だけをつけて、そのソファーに座って、明日も頑張ろう、とか思いながら過ごしています。

Text:Chizuko Orita

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