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A24史上最多ノミネート。
期待の新作、監督インタビュー!
多くのスマッシュヒットを飛ばしてきたA24の歴史の中でも、今作は特別。昨年春にアメリカで公開されて以来『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は、批評家と観客を圧倒し続けている。独自性にあふれたこの映画の主人公はアジア系の家族。パラレルワールドを描いたマルチバース(多元宇宙論)のコンセプトは最近マーベルの映画でもおなじみだが、『エブエブ』はユニークさにおいて桁違いだ。もともとのアイデアは、アクション映画が好きというところから生まれたそう。

「自分にもしああいうカッコイイことができたとして、別のユニバースに行ったとしたらそこで何をやりたいかと、僕らは冗談を言い合ったんだ。それぞれのユニバースにはどんなことがあるのだろうか、ともね。すべてはそこから始まったのさ」(ダニエル・シャイナート)
「インターネット時代の今、僕らは常にいろんな違った記事を読んだり、聞いたりしている。ときには脳が破裂しそうなほど。じゃあ、いったい頭はどこまで膨れ上がることができるんだろう? 今作はそのメタファーでもあるんだよ」(ダニエル・クワン)
主人公をアジア系にしたのは、「他の人たちがやっていないことをやりたかったから」と、シャイナートは語る。
「それに、僕らは僕らの両親について話したんだよね。彼らをこの映画に引っ張り込んでみたかった。主人公エヴリンは、僕らの家族のいろんな要素を集めて生まれたキャラクターなんだ」(シャイナート)
「父方の祖父は、アメリカに移住してきた後、コインランドリーを始めた。僕は子ども時代、よくその店で時間を過ごしたよ。この映画は『もし、あのとき、こうしていたら?』ということを問いかける。それは、移民がよく考えることだ。そんなふうに最初に考え始めたときよりも、この映画はずっと奥深く、パワフルで、パーソナルなものになった」(クワン)
彼らに言わせれば、作品のハチャメチャぶりすら、とてもパーソナルなものなんだとか。「とんでもなくばかげたことと、とても個人的なことを同じ作品に共存させるのは、僕らがキャリアのスタート時点からやってきたことだ。自分みたいな人の話が映画で語られることはないと感じている観客のためにも、僕らはそれをやりたいんだよ。しかもたっぷりのアクション、コメディと一緒にね。それが僕らの狙いなのさ」(クワン)

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
フツーのおばさん、エヴリンがある日「全宇宙にカオスをもたらす悪を倒せるのはキミだけだ」と世界の命運を託される。マルチバースにジャンプし、カンフーの達人の力を得た彼女の闘いが、幕を開ける! 3月3日(金)全国公開。
Text:Yuki Saruwatari
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