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お笑い芸人としてだけでなく、独特の視点とセンスで詠む短歌と俳句が話題の、フルーツポンチの村上健志さんの連載。メンズノンノWEBでしか読めない、季節感あふれる“恋”にまつわる俳句とエッセイ、そしてイラストを隔週でお届けします! 第36回のテーマはクリスマスツリー。飾りつけのおかげでわかった嬉しい発見とは?
祝福で溢れるクリスマス。飾り付けられた街はとても綺麗だ。その中でもツリーは特別。沢山のツリーがあるがどれも良い。クリスマスツリー図鑑があったら欲しいくらいだ。点灯式が行われる大きなツリー。ショウウインドウのツリー。病院の待合室の棚にある小さなツリー。真っ白な ツリー。折り紙の、絵の、フェルトの、メタリックな、ネオンの、歌の中の、スノードームの中のツリー。お調子者担当なのだろうか、たまにツリーのコスプレをしている人もいるが、あれはサンタの方が良い。引きずって運ぶもみの木。ケーキ屋さんパティシエの眼鏡にクリスマスツリーの光が映っている。子供たちがツリーの飾りつけを終え、電飾を点ける前に部屋を暗くする。 真っ暗にしたことでスイッチの位置が見つからなくなる。
飾りつけは楽しい。「恋人たちのために、なんで俺が、、、」と文句をつけながらバイト先のツリーにベルを取りつける。「なんか、ドクロでも飾ってやろうかな」と文句は止まらないが、実に楽しい。「確かに。クリスマスなんてなくなっちゃえ」と一緒に飾りつけをしていたバイトの女の子がベルにデコピンしている。あの子もクリスマスの予定がないのか?おもむろにレジにあるシフト表をチェックする。イブもクリスマスもあの子の欄に出勤の○がある。クリスマスツリーのどんな飾りよりも光っていた。
★Profile/1980年生まれ。茨城県出身。お笑いコンビ”フルーツポンチ”のボケ担当。TV『プレバト!!』(MBS系・毎週木19:00~)での大健闘が話題に。また、情報サイト『好書好日』の連載をまとめた『フルーツポンチ村上健志の俳句修業』(春陽堂書店)も好評発売中。インスタのアカウントは@mura_kami_kenji,
だが、センスが炸裂するイラストのアカウント@kenji_mura_oekaki,@birthdaychairもぜひフォローを。自身のYouTubeチャンネル『フルーツポンチ村上の俳句の部屋』での俳句実況もチェック!
Haiku & text & illustration : Kenji Murakami
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