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お笑い芸人としてだけでなく、独特の視点とセンスで詠む短歌と俳句が話題の、フルーツポンチの村上健志さんの連載。メンズノンノWEBでしか読めない、季節感あふれる”恋”にまつわる俳句とエッセイ、そしてイラストを隔週でお届けします! 連載も今回で20回目! 5月の初め、爽やかな季節にぴったりの一句を味わおう。
春は出会いの季節。ひと夏の恋。月の綺麗な秋。人肌恋しくなる冬。いったい、恋の季節はいつなのだろう? 恋に季節は関係ないと言って仕舞えばそれまでなのだが、夏はやってくる。
少しずつその訪れに気づき、あれよあれよと最中になる春とは違い、夏はやってくる。まるで大会みたいにやってくる。やってくる前から意識する季節。そして終わる季節。去りながら次の季節に変わっていく他の季節と違い夏は終わる。季節界のスーパスターはサマーだと思う。夏だからって毎年、海に行くわけではないのに夏が近づくと頭の中でぎらりと光る眩しい海が浮かぶ。そんな夏がやってくる。やってくるなら迎え撃つしかない。出会いなんてなかった春の無念をバネに夏を制す。
体を鍛えようか、髪を染めてみようか、自主映画を撮るために脚本を書き始めるのもいい。覚悟しろ夏。俺は本気だ。服を着たままプールに飛び込むことになるだろう、夜明けに缶ビール片手に世界全部を貶すことになるだろう、月をバックに口づけをしてシルエットだけになってやる。現実を見ろ? 幻を見るのが夏の醍醐味だ。まあ確かに夏に向けては髪が少し伸び過ぎているかもしれない。
綺麗に染まった長い髪を美容師さん二人がかりで乾かしてもらっているあのお客さんも、夏を制する準備をしているのだろう。やるね!
かかってこいサマー!
★Profile/1980年生まれ。茨城県出身。お笑いコンビ”フルーツポンチ”のボケ担当。TV『プレバト!!』(MBS系・毎週木19:00~)での奮闘ぶりが話題に。また、情報サイト『好書好日』の連載をまとめた『フルーツポンチ村上健志の俳句修業』(春陽堂書店)も好評発売中。インスタのアカウントは@mura_kami_kenji,
だが、センスが炸裂するイラストのアカウント@kenji_mura_oekaki,@birthdaychairもぜひフォローを。自身のYouTubeチャンネル『フルーツポンチ村上の俳句の部屋』での俳句実況もチェック!
Haiku & text & illustration : Kenji Murakami
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