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6枚目のアルバムが完成した。発売して1週間後には、約半年間続くツアーが始まる。だから今のうち遊んじゃおう! となりそうだがそうはいかない。今度はそれを宣伝しないといけない。ご存じプロモーション期間である。というわけで、我々のようなミュージシャンがどんな宣伝をするのかを教えよう。
~ テレビ ~
音楽番組がメインだけどたまに情報番組やバラエティにも出演することがある。歌とトークがメイン。生放送か収録。生放送は緊張するね。歌詞が飛ぶ。普段は「音」を中心に仕事しているわけだが、テレビ出演の際は「視覚」がクローズアップされる。だから衣装やメイクも必要になってくる。ニキビ面の30代の顔なんて、誰も見たくないだろう。メイクも最初は慣れなかった。汗でファンデーション? みたいなのが垂れて目に入るとめちゃくちゃ痛い。だから俺はあんまりやらない。テレビはやっぱり刺激的だし視覚的な部分で勉強になる。思えばライヴの衣装だったり、CDだってジャケやブックレットという視覚的要素が入るわけだしね。バンドマンとしては「いざ出陣!」お茶の間に飛び込む感覚。あとはきれいなアナウンサーさんにも会えるしな。
~ ラジオ ~
「音」が中心なだけあってミュージシャンが一番お世話になるメディア。コメントだけの場合や、番組のDJさんとトークをしたり生演奏したりすることもある。ブース内でヘッドフォンをつけ、カフを自分で上げ「え〜時刻は21時を回りました」とかしゃべるのはなかなか味わい深い。それが電波に乗って不特定多数の人たちの耳に直接届いてると思うと、とてもワクワクする。曲をしっかり聴かせることができるのも冥利に尽きる。
~ 雑誌 ~
音専誌はもちろん、ファッション雑誌にもお世話になる。インタビューと撮影が基本。新曲やライヴ告知、自分の半生、くだらないことをたっぷりとリラックスしながら語れる。だから気が抜けて余計なことをしゃべらないように、気をつけないといけない。たまに語尾に(笑)とかつけられていると『おいおい、笑って語った覚えはないぞ』となることがあるけど、後の祭り。あとは個人的にファッション誌に出ることを大切にしている。往年のミュージシャンたちはファッション、カルチャーを生み出してきたしね。我々の世代もそうでありたい。
以上が、ミュージシャンの主な3つのプロモーション先である。これを朝から晩まで全国各地で飛び回って行う。バンドマンを芸能人と呼ぶには少々気が引けるが、このプロモーション期間中だけはそんな錯覚に陥る。メディアに一切出演しないミュージシャンもいるけど。俺は好き。だってテレビ出たいし、タモさんに会いたいじゃん。
出られるとこなら、どこでも出たいと思っている。
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