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「仕事」とは
もっとカッコいいものなんだ

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「ロックバンド」なんて大それた名の職業に就いている私だが、誇りに思っている。立派な仕事なのだ、と改めて言いたくなる。というのも、たまに「音楽を仕事と言いたくない」というプロがいるからだ。正直、違和感を覚える。「仕事」というものに対して何かしらの嫌悪感を抱いているのではないかと。まるで「仕事」=「給料を稼ぐための行為」としか思ってないのかと。それなら今すぐ印税を返上して路上ライヴをやればいい、と言いたくなる。だってそれじゃ商社マンに失礼だろう。メーカー勤務のサラリーマンに失礼だろう。何よりお金を払って「楽曲」を買うファンに対して失礼だろう。

 確かにミュージシャンの扱う商品は「アート」という嗜好品なわけだから「食品」「家電品」などに比べたら日常生活におけるニーズは低いし、規範の中で働くわけでもないから異色な業種であることは否めない。でも、曲を作って発売する行為自体は何ら自動車メーカーや食品メーカーと変わりはない。社員さんたちが情熱を注ぎ、「新商品」を世に送り出すのとプロミュージシャンが情熱を注いだ「新曲」を発売するのは同じだ。

 もちろんサラリーマンというだけあって給料メインで働く人も多い。私自身もそうだった。プロとしてデビューするためにサラリーマンをやっていた。ある上司に叱られた。上司はその仕事をとても愛し、誇りを持っていた。口は悪いが成績はトップ。二足のわらじを履いていた私のことなんぞ理解できないのは当然だろう。「お前がプロをめざしてるのは知っている。それならこっちの仕事は辞めろ」と言われた。「死んでもプロになる」と決め込んだうえでサラリーマンになったわけだから誰に非難されようが知ったこっちゃなかったが、それとは別で「やはり生半可な気持ちで仕事はしちゃいかん」と思い知らされたのも事実だった。自分の仕事を何よりも愛している。だからこそ、身が削れるほどの情熱を注ぎ込み、自信を持つことができる。そしてその分の対価を求める。

 何が言いたいかというと「仕事」というのはもっとカッコいいものなんだということ。辞書でどう表現されているかは知らないが、それくらいすてきなものでもあると私は思う。いや、思いたい。

 冒頭の話に戻すが、「仕事をして給料をもらう」という流れが、ある種の罪悪感を生むのかもしれない。「自分勝手に作った曲を気に入って、お金まで払ってくれるなんて…何か申し訳ない」という気持ちはわからないでもない。でもそれならプロにならなきゃいいじゃん。と、死ぬほどこの仕事に就きたかった私としてはボヤきたくなるのだ。それくらい私は自分の仕事に誇りを持っているからだ。だから声を大にして言おう。

「ニューシングルぜひ買ってね♪」

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