▼ WPの本文 ▼
服好きたちの私物のなかでも、とくに思い入れの強い「人生のベストバイ」を教えてもらう連載。ひとつには絞りきれないって? なら、3つ教えてください!
人生のベストバイ、3つ教えて!

今回の服好きゲストは、SHIPSでバイヤーを務める瀬谷俊法さん。
1.〈LEVI’S®〉の「501®XX」

「リーバイス®のダブルエックス。47年後期のヴィンテージで、Gジャンでいうと1stの時代のものですね。片面タブで革パッチ。原宿のピッツという古着屋で買いました」



「こういう洋服って、買えるもんだと思ってないじゃないですか。というのも、つねに必死こいて探してるアイテムでもないし、誤解を恐れず言うと、普段はまったく買う気がない服というか。でも、そのとき会社の先輩とフラッと入ったその店の提案に、すごく共感しちゃったんです」

「モノ先行じゃなくて、ファッションとして提案していたんですよね。それがすごく気持ちよかった。たとえばまったく同じ物が人気のヴィンテージショップに置いてあったら、買ってないと思います。至極当たり前な感じがするというか」

「僕も、ヴィンテージであろうとあくまでファッションとして取り入れたいと、つねづね思っています。じゃないと買う意味はないと思う。そういう意味では、サイズも最高でした。この年代特有なのかはっきりわからないのですが、501®のわりに裾幅が広いんです」

「だから、綺麗めな革靴からスニーカーまで、わりかし幅広く合わせられる。どんなに細いパンツが流行っても、太いパンツが流行っても、これなら穿いていられる。そういう普遍性も含めて、一生モノだなと思っています」

2.〈CAMISAS MANOLO〉×〈SHIPS〉のチェックシャツ

「カミサス マノロは、スペインのシャツ専業ブランド。シップスでの取り扱いはブランド創業の頃からで、じつは僕が見つけて仕入れはじめたんです」


「個人的にずっとプッシュしてきて、去年一昨年くらいから、他社のセレクトショップなどでも見かけるようになりました。『あんなに前から良いって言ってんのに!(笑)』っていう気持ちですが、バイヤー冥利でもありますよね」

「これはシップスの別注品です。シップスとして作りたかったのは、“知的な”チェックシャツ。ナードで清潔で、知的。そういう絶妙なバランスを目指しました」

「たとえば、このチェックがもう少しギンガム寄りだと、ほっこりして色気がなくなってしまいます。フロックチェックとギンガムチェックの間くらいのこの大きさが、ちょうどよくて、使い勝手もいい。また、これがボタンダウンだと、いなたさが強くなってしまいます。足し引きの妙みたいなものを実現できたと思っています」

「同じヨーロッパでも、イタリアの色気とは違うし、フランスの品の良さや、シンプルに引き算していく感覚とも違う。そういう無国籍なバランスも好きです。そのぶん守備範囲が広い。僕がじいちゃんになっても、着続けるシャツだと思います」
3.〈The Row〉のローファー

「オールデンのペニーローファーしかり、ジェイエムウエストンの180しかり、シップスなので、いわゆるなローファーはわりかし通ってきています。そうしてモノ軸で語れるローファーはたくさん買ってきたので、これを買った頃は、そろそろファッションに全振りした1足が欲しかった」


「探していたのは、とにかく見た目にインパクトがあって、なにも考えずバカになって履けるもの。靴はベーシックなものが多いので、なにを履いてもコンサバティブになりがちです。そこから逸脱できるアバンギャルドなやつがよかった」

「同じウナギ革の革靴は、たとえばジャコメッティからも出ていますが、それじゃダメなんです。靴専業メーカーとして確立しているから。その点、『ザ・ロウでウナギ』なら、スタイルをアップデートする一撃になると思いました」

「この違和感もいいですよね。おもちゃ感があるけど、圧倒的な高級感がある。そのバランスに、遊びと余白を感じます。そういう“含み”があると、いろんなものを合わせられるじゃないですか」

「僕は、着る服の幅が結構広いんです。だからこそ、年々、“感じにくく”なりつつもある。持っていないものでさえ、『ああ、コレね』って。それってすごく良くないことなので、ぜんぶをピュアな気持ちで見られるように、正したい。こういうものも、いつでも進んで取り入れていきたいんです」
Photos: Shintaro Yoshimatsu Composition&Text: Masahiro Kosaka[CORNELL]
▲ WPの本文 ▲

























